【急速に進む医療技術の発展】マレーシアの病院業界

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マレーシアでは医療に対する政府からの援助が手厚く、比較的安い金額で医療サービスを受けられます。医療技術も急速に発展してきており、2022年には、病院のIT化、がんや透析治療の整備、リハビリテーションなど、様々な分野で技術の発展が起こっています。

今回は、そんなマレーシアの病院業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

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目次

2022年 マレーシアの病院(医療・介護)業界

SunMed、スマート病院で高評価〜病院業界動向〜

国内大手複合企業であるサンウェイグルーブにおいてヘルスケア事業を展開するサンウェイメディカルセンター(SunMed)は、2023年1月4日、フロスト&サリバンのベストプラクティスアワードにおいて、スマート病院技術の使用が高く評価され、「2022年マレーシア・スマートホスピタル・カンパニー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたことを発表した。

患者ケアと精密医療を向上させるため、SunMedは最新のスマート病院技術へ積極的に投資している。2022年には手術支援ロボット「第4世代ダビンチXi」を導入し、手術のパフォーマンスを向上させた。

他にも、近年では「マコ・スマートロボティクス」や「ロザ・ニーシステム」といった最先端ロボット手術システムを追加している。さらに、最先端のデジタルPET/CTシステム「uMI780」を東南アジアで最初に導入した。

出典:https://www.sunwaymedical.com/en/press-release-and-statements/sunway-medical-centre-sunway-city-wins-2022-malaysia-smart-hospital-company-of-the-year-award-for-the-second-year

IHHヘルスケアと保健省が癌治療で提携〜病院業界動向〜

10ヶ国で82の病院を展開するIHHヘルスケアは、2022年9月14日、子会社であるパンタイ病院を通じて、マレーシア保健省と国内における癌患者の治療とケアを拡大するためのMoUに署名したことを発表した。

本MoUに基づき、IHHは政府系病院で治療を受ける500人の癌患者の放射線治療、及び放射線外科手術を全面的に支援している。患者は、最先端技術であるガンマナイフとリニアックを備えたIHHヘルスケアを7つの病院で受けることができる。

また、本MoUは政府の国家癌対策ブループリント(2021~2025年)をサポートしており、且つIHHの主力プログラムである「ライフ・リニュード」プログラムの一部でもある。本プログラムでは、過去10年間に国内で2,000人以上の患者に無料で治療を提供している。

出典:https://www.ihhhealthcare.com/medianews.htm?filepath=IHH/IHH%20Announces%20MOU%20with%20MOH%2014%20Sep%202022

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コロンビアアジア病院、JBで透析サービス開始〜病院業界動向〜

1996年に設立し、1997年にサラワク州で最初の病院を開業したコロンビアアジアは、2022年8月22日、ジョホールバル(JB)の病院に同社国内2ヶ所目となる透析センターをローンチしたことを発表した。

当センターは、ジョホール州内で増加する腎不全患者の透析ニーズを満たすために設立され、経験豊富な腎臓看護師が患者に対応している。また、付加価値サービスとして管理栄養士が常駐しており、透析患者の相談を受けたり、食事メニューや内容を監修している。

透析センターでは、11の血液透析ステーションが週6日営業していて、透析装置には患者情報の文書化と監視を可能にする統合システムである「治療データ管理システム」が組み込まれており、透析治療と投薬データ、透析処置に関連する検査データなどの情報が表示される。

出典:https://www.columbiaasia.com/malaysia/news/columbia-asia-hospital-%E2%80%93-tebrau-launches-dialysis-unit-accommodate-johor%E2%80%99s-increasing-dialysis

KPJが従業員社会保障機構と戦略的提携〜病院業界動向〜

1981年にジョホール州に最初の病院を設立し、現在は国内で28以上の専門病院を運営するKPJヘルスケアは、完全子会社であるPERKESOリハビリテーションセンターを通じて、従業員社会保障機構と戦略提携を締結し、リハビリテーションを受ける患者が通常の生活に復帰できるよう支援することを発表した。

KPJヘルスケアは2年間の官民パートナーシップを通じて、従業員社会保障機構の被保険者にリハビリテーション治療とサービスを提供し、同病院施設における被保険者のリハビリテーションの進捗状況を監視するための包括的なレポートと専任スタッフを提供する予定だ。これらのサービスには、入院治療や看護ケア、理学療法、作業療法、言語療法などが含まれる。

同社では、すでに2022年6月よりサバ州の病院で、最近ではダマンサラの病院で従業員社会保障機構からの患者を受け入れており、本提携によって対応施設を増やしていく計画としている。

出典:https://kpjhealth.com.my/news/deepening-public-private-healthcare-partnerships-kpj-healthcare-inks-strategic-collaboration-agreement-with-perkeso

TMCLS、2022年度は病床増設で大幅増収〜病院業界動向〜

トムソン病院などを運営するTMCライフサイエンス(TMCLS)は、2022年10月5日、2022年度の収益が前年度比で21%増となる2億4,400万リンギット、純利益は同104%増となる4,140万リンギットを記録したことを発表した。

増収増益の要因としては、同社主力病院であるトムソン病院コタダマンサラが2022年6月末に94床を増設したことで、収容能力が増加したことが挙げられている。さらに、同病院は2022年1月1日に新しい立体駐車場を開設し、同年3月1日には電気自動車充電ステーションを設置したことで、利便性が高まっている。

また、同社が進めているトムソン・イスカンダル・メディカル・ハブのプロジェクトについては、ブキ・チャガルの高速輸送システムプロジェクト稼働後、12~24ヶ月以内に病院を完成させることを目指すとしている。

出典:https://www.tmclife.com/wp-content/uploads/2022/09/TMCLSB-Annual-Report-2022.pdf

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2021年 マレーシアの病院(医療・介護)業界

マレーシアのサンウェイが自立型ロボット導入〜病院業界動向〜

サンウェイ・メディカル・センターは、4台のネコ型配膳ロボット「ベラボット」を導入したことを発表した。このロボットは、昼食とおやつ、夕食の時間帯に若年患者とその介護者に食事を届けることを支援する。

ロボットは小児科病棟での業務以外にも病院ロビーでも活躍しており、拡大する病院内で訪問者の道案内を行う。現在は2つの言語に対応しており、将来的にはさらに対応言語を増やす計画としている。

同センターのブライアン・リンCEOは「ベラボットを採用したマレーシア初の病院になることができ、とても嬉しく思う」と述べ、スマートテクノロジーの出現はスタッフが患者のケアに集中することを助け、全体的な運営効率を向上できるとしている。

出典:https://www.sunwaymedical.com/press-release-and-statements/cat-like-autonomous-robots-start-work-in-sunway-medical-centre

マレーシアのIHHはCOVID-19で増収〜病院業界動向〜

アジア最大の民間医療機関であるIHHヘルスケアは、2021年度第1四半期の収益が前年同期比で11%増となる39億リンギットを計上したことを発表した。パンデミックの影響でCOVID-19関連サービスの提供やプリンスコート・メディカル・センターが増収に寄与した。また、純利益は2倍以上となった。

同期においては、同社は2021年4月にアポロ・グレンイーグルスホスピタル・コルカタの合弁事業売却を完了した。また、2021年3月にはセルビアの病院経営会社を買収している。

今後については、デジタル化によるヘルスケア革新と提供に向けた取り組みの整備、COVID-19関連サービスを含む新たな収益源への積極的な多角化などを挙げている。

出典:https://www.ihhhealthcare.com/medianews.htm?filepath=IHH/IHH%20Q1%202021%20Results%20Press%20Release%2031%2005%202021%20vF.PDF

マレーシアのRSDHがクランの病院買収〜病院業界動向〜

大手ヘルスケア企業のラムジー・サイム・ダービー・ヘルスケア(RSDH)は、マニパル・ヘルス・エンタープライズ社からマニパル病院クランの所有権を取得したことを発表した。

この買収により、クランのブキッティンギ地区に位置する220床の病院は、RSDHの医療施設を補完する3次医療の民間施設に生まれ変わる。当該病院はマレーシア医療品質協会の認定を受けており、5つの手術室、15のCCU及びICUベッドを備えている。買収後も病院での臨床サービスは通常通り運営され、患者は既存のケアを継続できる。

また、当該病院はグループの病院ネットワークの一部になるだけでなく、クランバレーの統合ハブとしてスバンジャヤメディカルセンターが支援する。

出典:https://www.simedarby.com/press-releases/ramsay-sime-darby-health-care-acquires-manipal-hospitals-klang

マレーシアのTMCLS、事業はパンデミック前の水準に回復〜病院業界動向〜

トムソン病院などを運営するTMCライフサイエンス(TMCLS)は、2021年第3四半期の収益が4,803万リンギットとなり、税引前利益は440万リンギットで前年同期比でそれぞれ1%、19%減少した。事業はパンデミック前の水準まで回復したが、現在も国境管理や渡航制限による悪影響を受けている。

前期との比較では、収益と税引前利益はそれぞれ2%及び37%減少した。同四半期の減収は、主に旧正月シーズンに患者数が減少したことによるものとなっている。

今後については、2021年5月から首都圏で再導入された移動制限により、同社グループの事業活動に影響を与える可能性があり、引き続きコスト管理及び資金保全策を監視・強化するとしている。

出典:https://disclosure.bursamalaysia.com/FileAccess/apbursaweb/download?id=214188&name=EA_FR_ATTACHMENTS

マレーシアのUniSZAとIJNが相互協力で合意〜病院業界動向〜

スルタン・ザイナル・アビディン大学(UniSZA)と国立心臓病研究所(IJN)は、トレンガヌ州における医療・健康サービス、施設、トレーニング、研究、その他の関連医療サービスの提供・設立に関して相互に協力関係を構築するMoUを締結したことを発表した。

MoU締結後、協力関係の初期段階として両者はUniSZAのペンガジャ病院において心臓血管及び胸部のコンサルタント、そしてアドバイザリーサービスの提供を開始する予定としている。

さらに、両者はトレンガヌ州で提供する医療サービスの範囲をさらに拡大するため、長期での経済的・技術的な実現可能性を評価する調査を実施する。調査には、心臓スクリーニング及び検査プログラムなどが含まれる。

出典:https://www.ijn.com.my/wp-content/uploads/2021/04/MOUMEDIARELEASE.pdf

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2020年 マレーシアの病院(医療・介護)業界

マレーシアの民間病院がオンライン医療相談を提供〜病院業界動向〜

民間医療機関であるパンタイ病院とグレンイーグルス病院は、患者が200人弱の専門医にオンラインでアクセスできるeHealthビデオコンサルテーションサービスを発表した。

患者は自宅にいながら、バーチャルな相談システムで専門医に相談でき、適切な治療法を選ぶことができる。まずは、循環器科、腫瘍科、整形外科、神経科、皮膚科、腎臓科、小児科、泌尿器科、産婦人科、眼科、精神科などの患者を対象として相談を受け付ける。また、患者は自宅で薬を受け取ったり、病院で受け取ることもできる。

この取り組みの背景として、パークウェイ・パンタイのCEOの「患者への継続的なケア提供、選択した専門医への相談をできるようにしたい」という考えがあったとのこと。

出典:https://ihh.irplc.com/medianews.htm?filepath=IHH/Press%20Release%20-%20Launch%20of%20Pantai%20%20Gleneagles%20Hospitals%27%20eHealth%20Video%20Consultation_v4%20(Final).pdf

IHH、マレーシアのプリンスコートの株式取得〜病院業界動向〜

アジア最大の民間医療機関であるIHHヘルスケアは、完全子会社であるパンタイ病院を通じて、プリンスコートメディカルセンターの株式100%を10.2億リンギットで取得した。

クアラルンプール中心に位置するプリンスコートは277床を持ち、腫瘍内科、消化器内科、循環器内科、腎臓内科など幅広い医療を提供している。株式取得により、IHHは2,900床超のベッドと11,000人超のスタッフを有する規模となる。

IHHマレーシア事業部のジャンフランソワCEOは、「プリンスコートの株式取得はクアラルンプールで専門の3次病院を持つというIHHのクラスター戦略を補完するものであり、現地と海外の両方の患者に最適化された包括的なケアを提供できる」としている。

出典:https://ihh.irplc.com/medianews.htm?filepath=IHH/1.%20Media%20release_IHH%20Acquires%20Prince%20Court%20Medical%20Centre.pdf

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マレーシアで病院業界大手のサンウェイ、医療観光へ注力。今後の戦略とは?

不動産やホスピタリティー、医療サービスを提供するサンウェイグループは、2019年度年次報告書において、病院サービスを提供するヘルスケア事業の収益が、前年度比で27%増となる5億8,483万リンギット記録したと発表。2019年度の業績は、主にサンウェイメディカルセンターが好調だったことによる。

今後の見通しとして、域内の旅行制限解除後に医療観光が回復するにつれて、癌や心臓血管の治療、不妊治療などのニッチな分野での市場シェア拡大を目指すとしている。

さらに、現在の連携ネットワークと出張所を、東マレーシアをはじめとする半島マレーシアの各州にも拡大し、認知度の向上を図るとともに、新たな市場での医療観光を強化していく。

出典:https://ir.chartnexus.com/sunway/doc/ar2019.pdf

マレーシアのビーコン病院、癌の無料スクリーニング提供へ〜病院業界動向〜

100床と80人超の専門医を擁する中規模癌専門病院であるビーコン病院は、鼻と口、喉の癌スクリーニングを無料で提供すると発表した。マレーシアでは、上咽頭癌は4番目に多い癌であり、毎日3人近くが上咽頭癌と診断されている。

同病院の無料スクリーニングでは、専門医によるコンサルテーション、健康診断、光ファイバー鼻咽頭鏡検査が提供される。

本プロモーションの期間は2020年5月12日から2020年11月30日までとなっており、1週間前までに予約が必要となる。対象は21歳以上のマレーシア国民と外国人で、先着500名に限定される。初診の顧客は、登録料として15リンギットが必要。

出典:https://www.beaconhospital.com.my/screening-for-nose-mouth-throat-cancer/

マレーシアのKPJ、2019年度収益は6%増加〜病院業界動向〜

マレーシアとインドネシア、バングラデシュで医療サービスを提供するKPJヘルスケアは、2019年度の収益が前年度比で6%増となる36億リンギットであったと発表した。中核事業は引き続き力強い収益成長を実現し、主にマレーシア国内の患者数増加が牽引した。収益増加に伴い、EBITAは前年度から29%増となる6億4,060万リンギットを記録した。

マレーシアのヘルスケアセクターの見通しは明るく、楽観的な経済成長に伴って需要が拡大している。2020年に向け、同社は様々なステークホルダーとの関係を構築し、長期的な価値創造を継続するとしている。

また、COVID-19パンデミックは事業と社会の不確実性を生み出したが、同社グループは引き続き楽観的な姿勢である

出典:https://kpj.listedcompany.com/newsroom/KPJ_IR19_Bursa_Part_1.pdf

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2019年 マレーシアの病院(医療・介護)業界

マレーシアで病院業界大手のコロンビアアジア病院、モバイルアプリ発表

2019年7月29日の発表によると、大手ヘルスプロバイダーであるコロンビアアジア病院は、患者へのサービス提供を強化することを目的とした公式モバイルアプリを開始した。

提供するアプリケーション機能としては、まず予約の簡素化がある。希望の病院とコンサルティングを選択し、利用可能なスロットから希望日と時間を選ぶことができる。予定の1日前と2時間前に通知が届き、レポートもオンラインでダウンロード可能となり、パスワードで保護されている。

モバイルアプリは同病院のデジタル変革における重要な取り組みの一つである。試用期間中においては、外来患者の移動時間を16%短縮し、スタッフの効率を8〜9%改善するなどの効果が確認できた。

健康問題解決のカギは?マレーシア保健省とWHOが協力〜病院業界動向〜

2019年世界保健デーにおいて、マレーシアは21世紀のプライマリヘルスケアに関するビジョンを発表する。マレーシアはアジア諸国において肥満と過体重の割合が最も高く、結果、18歳以上の成人における糖尿病有病率は、2006年の11.6%から2015年には17.5%へ大きく増加している。さらに、高血圧の有病率は約30%と高止まりしている。

マレーシアでは、プライマリヘルスケアの強化が進められてれおり、貧困層が民間の開業医に容易にアクセスすることで、予防ケアの促進を目指している。

マレーシアの健康問題解決の鍵はプライマリーヘルスケアであり、世界保健機構はマレーシア政府と緊密に協力し、21世紀のプライマリヘルスケアを強化することを約束した。

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マレーシア国内初のシステムでがん治療、ビーコン病院〜病院業界動向〜

100床のベッドと80人以上の医療専門家を擁するビーコン病院は中規模のがん専門病院であり、セランゴール州ペタリンジャヤでサービスを提供している。

2019年3月5日、同病院はマレーシア初となるVarian Halcyonシステムでの患者治療を行ったことを発表した。患者は、甲状腺がんと診断された62歳の男性であった。

また、ビーコン病院は東南アジアで初めてこの新しい放射線治療システムを導入した病院でもあり、頭頸部や肺、乳房、前立腺、子宮頸部およびその他の癌の治療に使用でき、治療時間、精度、患者の快適性を大幅に改善することができる。患者の状況と症状にもよるが、治療時間は1分強程度である。

マレーシアで病院業界牽引のSunMed、イギリスの大学・病院と提携

2019年3月26日、サンウェイメディカルセンター(SunMed)とサンウェイ大学は、ケンブリッジ大学およびロンドン王立医科大学と継続的医療教育(CME)セミナーを実施する覚書に署名したことを発表した。

CMEセミナーでは、臨床ケアや研究、教育を組み合わせることを目的としている。また、SunMedはケンブリッジ大学の臨床研究の最初の域内パートナーに任命されており、信頼性を強化している。

最初のセミナーは2019年4月28日にサンウェイメディカルセンターで開催され、感染症や老年医学、皮膚科学、呼吸器医学などの幅広いトピックに関する講義と分科会ワークショップが実施される。また、世界的に著名な専門家が集まり、医学の最新動向と発展について議論を行う。

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2018年 マレーシアの病院(医療・介護)業界

デジタル変革を推進!マレーシアのKPJヘルスケア〜病院業界動向〜

KPJヘルスケアはマレーシアの大手病院グループであり、マレーシア(25病院)、インドネシア(2病院)、オーストラリア、タイ、バングラディシュなどで医療サービス事業を展開している。

IDCは2018年度のデジタル改革リーダーとしてKPJヘルスケアのダトー・アミルディン社長を指名した。KPJが運営する18の病院はクラウドシステムを導入しており、ブラウザーベースのクラウド電子医療記録(EMR)や、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)などの中核アプリケーションの開発を行っている。

またKPJの5病院では、2017年にマレーシアで初めて人工知能診断支援システム『ワトソン・フォー・オンコロジー』を採用している。

マレーシアの国立心臓研究所とメドトロニック、協力関係を強化〜病院業界動向〜

マレーシア国立心臓病研究所(IJN)は、アジアで初めてメドトロニック社の世界最小のペースメーカであるマイクラ経カテーテルペーシングシステムを使用することができる病院として注目を集めている。さらに、アジアで初めて左心室リードにアテイン・スタビリティとクアッドMRIシュアスキャンの埋め込み手術が可能な病院としても取り上げられている。

IJNでマイクラが初めて使用されたのは2014年3月18日で、2015年の商業化以降は200以上のマイクラを埋め込んでいる。現在、IJNはセンター・オブ・エクセレンスにおいてこの新技術の訓練・教育に携わっており、2015年12月以降、各国の医師80名を育成してきた。

IJNとメドトロニックは10年以上の協力関係にあり、引き続き革新的な医療技術を提供する。

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マレーシアで病院業界大手のIHHヘルスケアー、フォルティス・ヘルスケアを買収

2018年7月13日、マレーシアを拠点とする大手病院グループのIHHヘルスケアは、傘下のノーザンTKベンチャーを通じて、インドのフォルティス・ヘルスケアの経営権を保持する有力入札者になったことを明らかにした。

同社は、第三者割当増資の引き受けと株式公開買い付けによってフォルティス・ヘルスケアの株式を取得する予定。フォルティス・ヘルスケア買収後、IHHは31.1%~57.1%の持分を保有し、さらにフォルティス・ヘルスケアの上場子会社であるフォルティス・マラー病院の株式26%の公開買付も行う。

IHHによるフォルティス・ヘルスケアとフォルティス・マラー病院の買収総額は、400億~740憶ルピー(2億3,480万~4億3,310万リンギット)となる見込み。

マレーシアに設立の第2コロンビア・アジア病院、ミリ市の医療を強化〜病院業界動向〜

コロンビア・アジアは、1996年にインターナショナル・コロンビアUSがマレーシアに設立した中間層向けの病院グループであり、マレーシア国内に12の病院を持つ。通常の私立病院よりも少ない病床数が特徴となっている。

2020年までにミリ市に位置する第2コロンビア・アジア病院を完成させることで、地域社会における医療サービスが強化されることが期待されている。

新しい病院は、5,000万~7,000万リンギットの建設コストを見込んでいる。初期の病床数は60床とし、必要に応じて増やす計画。

まとめ:マレーシアの病院業界

東南アジアの中でも比較的充実した医療インフラ設備を持つマレーシアでは、経済成長による生活スタイルの変化から生活習慣患者や、薬物乱用によるエイズ患者の治療・根治が社会的な課題になっています。今後は、このような社会の動きに注目することでビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか。

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