台湾のホテル業界は2023年上半期に力強い復活を遂げ、観光・宿泊業界全体の宿泊者数が前年比で1,117万人増加し、ついに2019年の水準に迫りました。
新型コロナウィルス流行後、国際観光客の勢いも依然として非常に強く、観光ホテルと一般ホテルの平均宿泊料金もそれぞれ25%と23%近く上昇しました。福容大飯店淡水が「5つ星ホテル」に認定され、新北市政府から「優秀ホテル」金賞を授与され、夏休み稼働率は過去最高を記録しました!
今回は、そんな台湾のホテル業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
さらに、この記事の途中では、業界地図のダウンロードが可能です。現地在住の調査員が厳選した情報が詰まった業界地図で、ホテル業界の最新のトレンドや展望をひと目で把握できます。是非、業界の最前線を知りたい方は業界地図をダウンロードして、未来の投資やビジネス展望にお役立てください。
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2023年 台湾のホテル(エンタメ・IT・個人サービス)業界
日本×台湾のホスピタリティ:2028年世界に誇るパレスホテル誕生
1964年12月に開業し、台湾初の5つ星ホテルである台北國賓の改修工事起工式が2023年9月20日に行われ、地上23階、地下6階の3棟に建て替えられる。改修後は日本のパレスホテルと提携し「台北國賓パレスホテル」として2028年にリニューアルオープンする予定である。
台北國賓パレスホテルは108つの客室を計画しており、坪数は全て15坪を超え、23坪の客室を主に国際的なゲストやハイエンドのゲストに対応していく計画である。
台北國賓とパレスホテルの両者は、“世界一”を追求するという同じ目標を持っており、日本の三菱地所設計、鹿島建設傘下の中鹿建設、ロンドンのGAグループ建設会社など一流のドリームチームと手を組み、國賓の次の60年と台北の次の新たなランドマークを共同で建設していく。
出典:https://xn--9cs298dhvblx1b.tw/phone/index.aspx?utm_source=ambassador&utm_medium=web&utm_campaign=web
英国執事協会と連携:漢來大飯店2023年10月初旬にグランドオープ
台北漢來大飯店が、10月初旬に試験営業を開始する。モダンシンプルで豪華なデザインを使用し、13平方メートルから160平方メートルまでの多彩なセミスイートタイプの客室425室、レストラン6軒と最大1,200人まで収容可能な国際宴会場を備えている。
3つのホールと5つの小ホールからなる国際宴会場は、シンガポールの国際的に有名なデザインチームDP Designによって設計された。21名から154名まで収容できる3レベルの会議施設があり、あらゆる著名なゲストがイベントを成功裏に終えることをサポートする。
漢來大飯店は、UKBG英国執事協会台湾代表処と協力し、「英国執事養成教育」を取り入れ、受講・研修を修了したシードバトラーは、優れた外国語スキル、高級料理とワインの知識、そして極上のサービスを備えている。
出典:https://www.grand-hilai.com/news-detail/taipeihilai-opening/
福容大飯店淡水が「5つ星ホテル」と「優秀ホテル金賞」の二重受賞
福容大飯店淡水が観光局により「5つ星ホテル」に認定され、また、新北市政府により「優秀ホテル」金賞を受賞という二重の祝福を迎え、夏休み稼働率は過去最高を記録した。
福容大飯店淡水は、テクノロジーブランドのEPSONと米国のビーズソファブランドYogiboを迎え、業界を超えた提携を開始し、新しくアップグレードされた5室のオーシャンビューハネムーンスイートを作成した。客室にはレーザーテレビと100インチのスクリーン、ビーズクッションが装備され、海を眺めたり、映画鑑賞など上質なリラックスモードを実現する。
福容大飯店は、麗寶が建設・運営するホテルブランドで、現在、新北市、台北市、桃園市、台中市、高雄市、嘉義市、花蓮県などに拠点を置き、新たに認定された淡水を含む、台北1号館、麗寶樂園の3つが観光局により「5つ星ホテル」と認定されている。
出典:https://www.fullon-hotels.com.tw/fw/tw/news-detail/3264/
観光ブームで価格も急上昇!2023年上半期、台湾の観光ホテル平均宿泊料金が25%アップ
交通部観光局が観光・宿泊業界の稼働統計を発表し、2023年上半期の観光・宿泊業界全体の宿泊者数は3,808万人に達し、2022年の同時期と比べて約1,117万人増加し、新型コロナウィルス流行前2019年の3,877万人の水準に近づいた。
外国からの宿泊客を見ると、2023年上半期は約3,131万人で、2019年同期の2,416万人に比べて約715万人増加しており、新型コロナウィルス流行による厳しい規制が解け、国境開放から半年を経て、国際観光客の勢いは依然として非常に強いと言える。
観光・宿泊業界の2023年上半期平均宿泊料金を見ると、観光ホテルは、2019年の3,698台湾元から4,618台湾元となり、25%近く上昇した。一般ホテルは2,156台湾元から2,647台湾元となり、23%近くの上昇を見せた。
出典:https://admin.taiwan.net.tw/businessinfo/FilePage?a=9711
日台の絆を感じる特別な体験:JR東日本飯店台北、2周年で贈る文化祭り
台湾と日本の友好的な文化的雰囲気を感じることができる、JR東日本飯店台北の開業2周年記念式展は、東北3大祭りである青森県の「ねぶた祭り」、秋田県の「半島祭り」、宮城県仙台の「七夕祭り」の要素を取り入れたレイアウトで開催された。
JR東日本飯店台北は開業2周年を迎え、今後は台湾でもJRホテル会員向けアプリ「JRHM APP」をダウンロードして利用できるようになり、アプリから宿泊予約をすると、宿泊予約の割引やポイントの取得などが可能となる。
JRホテルメンバーズは、JR東日本グループのホテル及びJR関連会社(東海・西日本・四国・九州)などの25ブランド・130ホテルフランチャイズを中心に構成されており、ホテル会員に宿泊割引を提供、現在の会員数は約1,038,000人である。
出典:https://taipei.metropolitan.tw/
2021年 台湾のホテル(エンタメ・IT・個人サービス)業界
台湾の洛碁大飯店集団の2020年の業績〜ホテル業界動向〜
台北を中心に16箇所の拠点を持つホテルグループである洛碁大飯店集団は、2020年の業績を発表した。
洛碁大飯店集団の2020年1月1日~12月31日までの財務レポートは下記の図の通りとなった。営業収入は新型コロナウイルスの影響で2020年2月から大幅に下降した。2020年2月から12月までは毎月前年比マイナス成長となった。
2021年に入っても営業収入は下降傾向にあり、2021年1月は36,529千台湾ドル(前年比マイナス64.19%)、2月は32,571千台湾ドル(前年比マイナス34.80%)となっている。
出典:洛碁大飯店集団 https://invest.greenworldhotels.com/公告本公司董事會通過109年度合併財報/
台湾へ、三井ガーデンホテル初の海外進出〜ホテル業界動向〜
三井不動産株式会社および株式会社三井不動産ホテルマネジメントは、台湾台北市にて開発推進中の「MGH Mitsui Garden Hotel 台北忠孝/和苑三井花園飯店 台北忠孝」を、2020年8月18日(火)にプレオープンする。三井ガーデンホテルとしては初の海外進出となる。
コロナウイルスの影響により台湾域外からの旅行客の渡航が制限されている状況だが、主に台湾域内の顧客に利用してもらうことを目的としている。
三井ガーデンホテルの理念である「記憶に残るホテル」を、台湾の地でも感じてもらうため「Taiwan Character × Japan Quality」をコンセプトに、台湾の魅力と同社が日本で培ってきたノウハウを各所に散りばめている。客室数は全297室。
出典:三井不動産 https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2020/0713/
台湾観光局、防疫旅館の登録を進める〜ホテル業界動向〜
2020年12月の台湾の観光旅館件数は123件だった。観光旅館件数が一番多い都市の台北市では43件、続いて高雄市が11件、国際空港のある桃園市が10件で、その他は10件未満であった。
観光局では、宿泊施設の運営者が地方自治体や市政府と協力して防疫旅館に加入したり、合意された短期使用計画を通じて緊急のニーズに対応することを奨励している。
また、優遇プロジェクトとして、防疫と公共福祉に投資したりウイルス流行防止に取り組むホテル運営者を表彰している。宿泊業界、運営者に防疫旅館への参加を積極的に勧めた結果、2021年1月以降に約4,600室が防疫旅館として追加された。
出典:交通部観光局 https://bit.ly/3uUlLEr
台湾における2021年2月の観光客の宿泊動向〜ホテル業界動向〜
2021年2月の観光客の動向が発表された。インバウンド観光客の宿泊数の内訳は、16〜30泊が1,379人で14.08%を占め、31〜60泊が1,301人で13.28%を占めた。また、61-90泊が731人で7.46%を占めた。
台湾の各旅行客の平均滞在時間は36.12泊であった。滞在目的別に内訳をみると、観光が0.14%、ビジネスが11.85%、親戚訪問が4.34%となっていた。
日本人観光客をみてみると、2月は1,075人が台湾を訪れ、前年比99.05%のマイナス成長となった。年齢別では、40〜49歳が261人、30〜39歳が238人で、訪問客のほとんどが男性であった。
出典:交通部観光局 https://admin.taiwan.net.tw/ActivitiesDetailC003320.aspx?Cond=e1e2efff-3f45-4141-a586-fc7987dd745b
ホテルオークラ台湾・台北のVRルームプラン〜ホテル業界動向〜
ホテルオークラは春の家族旅行の第一候補として「バーチャルリアリティルームプラン」を開始した。滞在中は毎日、VIVELAND VRパークのチケット500台湾ドル分が贈られる。同プランは、平日素泊まり1泊3,788台湾ドルからで、朝食有りのプランや3人部屋プランなども用意している。
「VIVELAND VRパーク」は、冒険、スポーツ、戦闘など、刺激的で興味深いコンテンツを提供している。また、芸術、教育、文化、音楽やドラマなどの豊富な経験を活かし、多くの新しいVRアミューズメントを集めている。
建物内のすべての客室には、大理石のバスルーム設備、防水テレビ付きのバスタブ、和風温水トイレ、空気清浄機があり、海外に行かなくてもリラックスした時間を楽しめる。
出典:ホテルオークラ http://www.okurataipei.com.tw/zh-TW/news/all/3191
2020年 台湾のホテル(エンタメ・IT・個人サービス)業界
台湾唯一!アニメキャラクターと過ごせるホテル 〜ホテル業界動向〜
2019年3月27日の発表によると、国泰ホテルグループ傘下のHOTEL COZZI(和逸ホテル)台南西門館はアメリカのアニメ専用チャンネルCartoon Networkと手を組み、人気アニメのキャラクターをテーマとした客室及び館内施設を設置した。宿泊者の台南旅行の思い出を彩る。
館内には計54室の客室があり、レストランや遊戯エリア等、一部館内公共施設を改装し、Cartoon Networkの人気アニメ「Adventure Time」、「The Powerpuff Girls」、「We Bare Bears」の世界観を演出している。屋外遊戯エリアにある列車や噴水、プールにもアニメキャラクターのモニュメントが設置されている。
まるでアニメのキャラクターと一緒に過ごしているような体験ができ、館内中には多数の写真スポットが点在。子供から大人まで楽しめる台湾唯一のアニメチャンネルホテルとして人気を博している。
出典:https://reurl.cc/K65aen
台湾で高まる親子向け宿泊施設の人気!基準は満たされてる? 〜ホテル業界動向〜
2019年11月19日の発表によると、親子向け宿泊施設(館内に子供用の遊び場や親子用の客室完備)の人気が高まっている中、行政院消保処は消費者の権利保護の為、国内24社の宿泊施設に対し、検査を行った。
検査の結果、24社の内、22社が規定を満たしていない項目がある事から不合格となった。避難用梯子の周りに物が置かれている、施設及び子供の遊技場の管理体制や事前研修の有無等が不合格理由として多く挙げられる。
行政院消保処は不合格となった施設に対し改善を要求。2019年11月末時点で7社が是正完了している。行政院消保処は消費者に対し、今一度慎重に宿泊施設を選ぶよう呼び掛けている。
出典:https://reurl.cc/jde8dp
台湾で「サービスナンバーワン大賞」を受賞したホテルは?〜ホテル業界動向〜
2019年10月25日、雑誌『壱週刊』が第16回の「サービスナンバーワン大賞」を発表した。この賞は、インターネット上で台湾の各産業におけるサービスナンバーワン企業に投票するという方法で、統計を行う。第16回は800万人が投票した。
福容大飯店は、麗宝グループの傘化にある四つ星級のホテルで、台湾国内に15店を構える。そのうち、リゾート観光ホテルは6店舗で、ビジネスホテルは8店舗、企業ブランドホテルを1店舗有する。最初のホテルは2002年にできた桃園県中壢店で、台湾のお茶文化をメインとしたおもてなしを売りにし、安定した成長を遂げてきた。
麗宝グループは、元々10人以下の小さな建設会社であったが、この30年間でホテル・不動産・建設会社・テーマパーク・ショッピングセンター・チャリティ団体・バイオテクノロジーなどの多元的な経営をするまでに成長した。経営精神は、「忠実、穩健、精錬完璧、熱心」である。
出典:https://www.fullon-hotels.com.tw/jp/
台湾 台北六福萬怡酒店、2019年ミシュランガイドに推薦!〜ホテル業界動向〜
台北六福萬怡酒店は、2019年のミシュランガイドに推薦された。同ホテルの英語名はCourtyard by Marriottで、全世界に1000店舗のホテルを構える。台北六福萬怡酒店は、南港MRT・台湾鉄道・新幹線・バスターミナルがある黄金地帯に、7階から30階のビルを構える。客室は465室で、レストラン・ティールーム・ラウンジなど多目的空間を備える。
ミシュランガイドとは、フランスのミシュラン社によって出版されるガイドブックの総称で、代表的なのは、レストランの評価を星の数で表示するブックである。この星の数は、消費者の投票とグルメ専門家の意見を交えて総合的な評価を出し、星の数を決める。
台北六福萬怡酒店を経営する「六福旅遊グループ」は、1968年に創業した。当グループは、テーマパーク・レストラン・ビジネスホテル・長期居住型ホテル・ベーカリーなど多角経営をしている。
出典:https://plus.tabiiro.jp/articles/view/571352
台湾 力麗觀光飯店、初の明池水劇場設置へ〜ホテル業界動向〜
2019年3月18日、力麗觀光飯店は、国際的に著名なアートパフォーマンスグループの「優人神鼓」と協力し、「明池水劇場」をオープンさせた。オープンセレモニーは5/10~5/11の2日間に渡り、同グループの自慢パフォーマンスである「海を聞く心」を演奏した。
優人神鼓は、台北の木柵地域の山間部にある劇場から始まり、国際的に活躍するまでに至った。この度、風靡豊かな明池湖を背景に、力麗觀光飯店の宿泊体験とアートを結びつけ、顧客に特別な体験を提供することとなった。
力麗馬告エコパークは宜蘭県の大同鄉に位置しており、台北市から車でわずか1.5時間の場所にある。パーク内には棲蘭森林レジャーエリアがあり、最大の見ものはアジア最大の神木エリアである。
出典:https://www.lealeahotel.com/jp/
まとめ:台湾のホテル業界
今回は、台湾のホテル業界事情についてご紹介しました。
さらに人気が上がっていくと思われるので、今後の動向は要チェックです!
台北在住の台湾人。日本の東北大学で修士号取得後、7年以上IT企業でマーケティングを担当。デジタルマーケティングと市場分析の専門家として、製品の市場導入とブランド戦略を得意とする。