韓国の食品卸業界は、デジタル化やサステナビリティの観点から急速に変化しています。新しい流通モデルや消費者のニーズに応えるため、業者は革新的な戦略を導入しています。特に、オンラインプラットフォームの活用や地元食材の重要性が高まっており、競争力のある市場を形成しています。本記事では、韓国の食品卸業界を変革する最新トレンドを深掘りし、未来の市場を見据えたインサイトをお届けします。
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2022-2023年 韓国の食品卸業界
CJチェイルジェダン、食品原価上昇を克服〜食品卸業界動向〜
CJチェイルジェダンが昨年2022年の事業実績を発表した。年間売上18兆7794億ウォンで前年比19.3%成長、営業利益1兆2682億ウォンで7.6%増加をみせた。
食品事業部門はビビゴブランド中心の韓国食品の海外販売好調などに支えられ、前年比16.1%増の11兆1042億ウォンの売上と前年比12.5%増の6238億ウォンの営業利益を記録した。 食品事業は史上初めて年間売上10兆ウォン、営業利益6千億ウォンを超え好調である。
国内食品事業は原価および費用負担で営業利益が多少減ったが、海外事業が年間売上5兆ウォンを突破し営業利益が45%増えたことにより結果的に利益を生み出した。
農心、ユッケジャン麺累積販売52億個〜食品卸業界動向〜
カップラーメン市場で圧倒的1位の農心ユッケジャン麺が2022年11月で発売40周年を迎えた。農心はユッケジャンサバルミョンの累積販売量52億個に達し、2022年10月の累積売上高が930億ウォンで、前年同期比14%増加したと明らかにした。
農心関係者は「今の傾向を継続すれば今年1,200億ウォンで最大売上記録が予想される」として「ここ数年間、ラーメン市場規模が2兆ウォン内外を横ばいに推移してきたことと比べてみると、発売40年になった長寿ブランドが持続的に成長傾向を記録するのは非常に珍しいケース」と説明した。
1982年に発売したユッケジャン麺は、2011年にカップラーメン市場1位になって以来、12年間その座を逃していない強者である。 現在、カップラーメン単一製品の中で唯一年間売上1千億ウォン以上を記録し、辛ラーメン、安城湯麺などラーメン市場の代表ブランドと肩を並べている。
出典:https://www.nongshim.com/promotion/notice/press_view?groupCode=003&groupId=642&page=5
プルムウォン「地球献立豆腐麺」大ヒット〜食品卸業界動向〜
プルムウォンの「地球献立豆腐麺」が2020年5月の発売以来、健康的な麺料理として定着し、最近累積販売台数1300万個を超えたことが分かった。
さらに韓食豆腐麺の既存3種(辛いラーメンパスタ、直火ジャージャー麺、生バジルパスタ)に続き、新製品「中華風焼きそば」を追加発売し消費者の選択の幅を広げた。
プルムウォンは豆腐麺ラインナップをさらに強固にし、販売チャンネルを増やす予定である。 現在は学校給食や軍給食など多様なチャンネルに豆腐麺を活用した新しいメニューを提案している。2022年下半期には炭水化物の摂取を減らすことができる新しいコンセプトの製品を披露し、豆腐麺と共に植物性食品カテゴリーを先導していく予定だと話した。
出典:https://news.pulmuone.co.kr/pulmuone/newsroom/viewNewsroom.do?menu=dataroom&id=2664
オリオン、第1四半期売上高1.6%増加〜食品卸業界動向〜
オリオンは2023年第1四半期の連結基準売上高6638億ウォン、営業利益991億ウォンを記録したと明らかにした。製品力を基盤に市場占有率拡大に注力し売上額は前年同期対比1.6%成長した。 その反面、グローバルインフレの影響で製造原価率が持続上昇するなど原価負担が加重され、営業利益は8.7%減少した。
第2四半期以降も高成長の勢いが続くよう差別化された新製品を持続的に披露すると同時に、消費者にコストパフォーマンス戦略に基づいた攻撃的な営業活動を展開し、市場シェアの拡大に集中する計画であり、下半期からは収益性も改善されるものと予想している。
オリオン関係者は「競争力のある新製品開発および大規模投資を通じて外形成長と収益性向上を同時に追求していく」と明らかにした。
出典:https://www.orionworld.com/board/view/87?boardno=1222&page=2&keyname=&keyword=&cate=
オットゥギ、第1四半期売上高1000億ウォン増〜食品卸業界動向〜
オットゥギが2023年第1四半期の事業実績報告書を発表した。前年同期の7424億ウォンから今期売上高は8567億ウォンと1000億ウォンもの大幅な成長をみせた。
部門別に見てみると一番売上の割合を占めているのは麺製品類で2951億ウォン(34.4%)、次にその他1912億ウォン(22.3%)、乳製品1045億(12.2%)であった。
売上活性化とブランド価値向上のためにオットゥギの製品とブランドを肯定的に経験できるように「ローリポリコト」、「オキッチンスタジオ」のようなブランド経験空間を運営しながらお客様と直接的なコミュニケーションを拡大し、お客様が日常の中で自然にオットゥギブランドに触れ合えるように努めていくと伝えた。
出典:https://dart.fss.or.kr/dsaf001/main.do?rcpNo=20230515000907
2021-2022年 韓国の食品卸業界
bibigoスープ商品2000億ウォンのメガ商品に〜食品卸業界動向〜
ビビゴのスープ料理が2020年2,000億ウォン台のメガ製品になったことが分かった。 CJチェイルジェダンの中で売上2,000億ウォン以上のメガ製品の仲間入りを果たしたのは、ヘッバン、ビビゴ餃子に続きビビゴスープ料理が3番目である。
2016年6月に発売されたビビゴスープ料理は発売初年度の売上140億ウォンを皮切りに、2017年860億ウォン、2018年1280億ウォン、2019年1670億ウォン、昨年2180億ウォンを記録し爆発的に成長してきた。 昨年一年間だけで1億袋以上販売されたのだが、これは国民1人当り2杯以上食べていることになる。
ビビゴスープ料理の人気に支えられ、食品メーカーが多様な製品を発売し、市場はさらに大きくなり、消費者選択の幅も広くなった。 その中でもビビゴスープ料理は昨年、市場シェア43%で圧倒的1位を記録している。
ドンウォンF&B「トッポッキの神様」海外販売額200億ウォンなるか〜食品卸業界動向〜
ドンウォンF&Bの「トッポッキの神様」2021年海外販売額200億ウォン達成目前であることが分かった。「トッポッキの神様」は輸出開始5年で全世界30カ国余りに輸出され、年末までに現地販売額200億ウォン突破の見通しである。
「トッポッキの神」の海外輸出成功の秘訣は輸出用製品の味を内需用製品と同じように生産し、本場のトッポッキの味に楽しめるようにしたためだ。 ライバル会社が海外現地での生産過程で現地の材料を使って現地人の好みの辛さと甘さにするのとは違って、ドンウォンF&Bはトッポッキの本来の味で勝負をしたことが功を奏した。
関税庁によると、前年のトッポッキ輸出額は約5400万ドルで、2019年比56.7%増加しており、 前年対比増加率だけで見れば、ラーメン(29.2%)とキムチ(37.6%)を抜いている。
出典:https://media.dongwon.com/post/1368?p=21&tag=
プルムウォン、冷凍餃子の売上115%〜食品卸業界動向〜
2021年3月の発表によるとプルムウォンがヤルピ餃子を大ヒットさせ、国内冷凍餃子市場の中で初めて5000億ウォンを超えた。
プルムウォン食品(代表キム·ジンホン)はヤルピ餃子が大ヒットし、昨年の全体冷凍餃子売上が1,370億ウォンを記録したと明らかにした。 これはヤルピ餃子発売前の2018年より115%成長したもので、プルムウォンはヤルピ餃子で冷凍餃子売上を2年ぶりに2倍以上引き上げたのである。
プルムウォンはヤルピ餃子を発売し、MZ世代の利用率が高いオンライン販売を強化した。 プルムウォンの冷凍餃子オンライン売上比重は2%に過ぎなかったが、ヤルピ餃子発売初年度12%に急騰し、昨年には22%までオンライン売上比重を拡大した。 今年はオンライン売上比重が30%を越えると期待されている。
出典:https://news.pulmuone.co.kr/pulmuone/newsroom/viewNewsroom.do?menu=dataroom&id=2193
オリオン、ステイホーム効果でオンライン売上好調〜食品卸業界動向〜
オリオンは2021年7月オンラインチャンネル売上を自主分析した結果、置き換え食·ホームトレーニング·ホーム酒つまみスナックなど「ステイホーム」関連製品の売上が大幅に成長したと明らかにした。ステイホームによりオンラインで購入して消費する傾向が高まっている様子だ。
グラノーラは前年同月対比オンライン売上が122%増加し、最も大きな上昇幅を記録した。 さらに気軽にタンパク質を接種できるドクターユーブランドも51%成長した。 また、夕方6時以降に3人以上の食事および集まりが禁止されたことにより、家でのつまみ菓子消費が増えスナック類売上も30%上昇しており全体的に増加を見せた。 特にスナック菓子の売上は2倍以上大幅に増加した。
オリオン関係者は「変化する消費トレンドに合わせてオンラインで手軽に購入し家で楽しめる商品を持続的に強化していく」と話した。
出典:https://www.orionworld.com/board/view/87?boardno=1053&page=17&keyname=&keyword=&cate=
ビングレ、オットゥギとコラボ商品発表〜食品卸業界動向〜
2021年2月、ピングレとオットゥギがコラボ商品を販売することを発表した。 ピングレのスナック製品をオットゥギがラーメンとして販売し、オットゥギのラーメン製品をピングレがスナックにして販売する。
食品企業が別業界の企業とコラボレーションをすることはあったが、同業界ないでコラボレーションをするのは今回が初めての事例である。
ビングレ関係者は「今回のオットゥギとのコラボレーションは同じ食品業者であるため、製品コンセプト選定および開発、デザインなどより緊密な協力がなされた」として「両社とも消費者により良い製品と面白さを与えるために力を合わせ、今後も努力を続けていく」と話した。
出典:https://www.bing.co.kr/news/news_announced_view?anno_idx=75
ソウル在住の韓国人。日本での在住経験は12年。日本の有名大学を卒業し、大手シンクタンクの正社員及び経営コンサルタントとして勤務。ビジネス戦略とイノベーションの分野で活躍。
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