いまだ大きな成長を見せるデジタル領域の中で、デジタル広告の需要は特に高まっているという報告があり、各社が様々な調査結果を報告しています。
今回は、そんな台湾の広告業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
読了時間の目安:5分
2023年 台湾の広告業界(エンタメ・IT・個人サービス)業界
広告業界におけるAIテクノロジーリーダー台北數位
近年、ChatGPTの台頭と生成AIの人気により、一般の人々がAIテクノロジーを敬遠する中、台北數位は、台湾のメディアエイジェンシーの中で最初にAIソフトウェアを開発し、広告に適用した企業であり、広告業界のAIリーダーと言える。
台北數位がGoogle広告代理店として設立10周年を迎えた2017年にAIセンターを設立後、まず広告ビッグデータを分析、2018年1月から毎月「台北デジタルインデックス」を発表し、台湾におけるデジタル広告価格の透明化に貢献した。
長年に渡るAIテクノロジーの深耕により、台北數位は2023年のGoogle Elite Partner Awards の「ブランド認知度の向上」、「潜在顧客の開発」、「オンラインパフォーマンスの向上」などの賞の最終候補に選ばれた。また、今後も台北數位はデジタル変革を受け入れ続け、デジタル変革の次の段階を先導していく。
出典:https://www.taipeiads.com/activity_detail.php?id=39
電通が3つの産業分野の企業と成功大学と連携
電通グループは、ZTEセキュリティテクノロジー、キャセイファイナンシャル、新光三越の3つの異業種企業と提携し、業界を代表して国立成功大学産学イノベーションセンターと協力契約を締結し、文野を超えた協力を実践していく。
電通グループは、社会的影響力を構築し続け、環境の持続可能性、ダイバーシティとインクルージョン、デジタル共有の3つの主要分野に焦点を当てている。2022年にはデジタル共通財の実現に向け「持続可能な森林新世代デジタル市民プロジェクト」を立ち上げ、2030年までに世界の大学から10万人、台湾で5,000人の学生を育成することを目指している。
今後継続的にイベントを開催し、産学を効果的に結びつけ、包括的なトレーニングシステムを構築し、業界の持続可能な発展のために注意が必要な問題を認識、実際の社会問題に対する解決策を共同で生み出していく。
出典:https://www.dentsu.com/tw/zh/news-releases/2023-the-code-rise-up-taiwan
Dableネットワークのトラフィックソース詳細
2023年第2四半期の台湾のデジタルメディア閲覧傾向として、Dableネットワークにインポートされたトラフィックソースの詳細分析を見ると、トラフィックの44.88%が様々なメディアWebサイトからのものであった、次にGoogle経由が19.53%、Facebook経由が13.6%を占めた。
一方、Dableのネイティブ広告は、提携メディアWebサイトで月間平均157億回以上の露出があり、91.82%が総合ニュースWebサイトから、4.54%が雑誌Webサイトからとなった。
Dableは、新しい複合モジュールスタイルを発表し、テストデータによると、この新しいモジュールによって生成される収益は、以前のグリッドモジュールと比較して3倍以上増加する可能性があり、Webサイトのパフォーマンス向上が期待される。
2022年の台湾デジタル広告統計
DMA(台湾デジタルメディアアプリケーションマーケティング協会)が、2022年の台湾のデジタル広告量統計を発表、全体の市場規模は589億5,900万台湾元に達し、成長率8.3%で、成長率が1桁にとどまったのは、2020年の新型コロナウィルス流行の影響に続いて、過去10年間で2回目となった。
メディアプラットフォームの種類別で見ると、一般メディアプラットフォームの総量は364億3,500万台湾元で、伸び率は7.9%、ソーシャルメディアの総量は225億2,300万台湾元で、伸び率は9%、いずれも伸び率は高かった。
業種別の投資額を見ると、依然として電子商取引が90億6,500万台湾元と最も投資額が多い業種であり、前年同期比11%増と成長の勢いを取り戻している。上位10業種のうち、上位5業種に変動はないが、小売業、ヘルスケア、不動産の順位が若干下がった。
出典:https://www.dma.org.tw/trend?search=%E5%8F%B0%E7%81%A3%E6%95%B8%E4%BD%8D%E5%BB%A3%E5%91%8A%E9%87%8F
台灣微告が再びLINEのゴールド 広告販売パートナー認定獲得
台灣微告は2023年、LINEのディスプレイ広告販売パートナーのゴールドクラス認証を再び取得した。また、これは非常に光栄な成果であるだけでなく、LINEが台灣微告の広告企画と執行における卓越した業績を認め、優秀なパートナー及び代理店であると認めた証である。
台灣微告のLINEチームは、2022年にLINEのパフォーマンスベース広告の最適化に取り組むだけでなく、ブランド顧客がマーケティングファネル上でより多くのブランド露出を獲得し、LINE TodayニュースやLINE Points広告など、公式アカウント運用と合わせて、LINEの広告・マーケティングのトータルソリューションを多くの顧客に提供した。
台灣微告のゼネラルマネージャーは、2023年の目標の一つとして、日本の有名家電量販店、ドラッグストア、化粧品ブランドなど、日本のより多くの地元ブランドとの緊密な繋がりとビジネス協力を確立し、台湾の発展を促進していくと述べた。
出典:https://microad.tw/news/detail/newsinmicroad_20230525
2019年 台湾の広告業界(エンタメ・IT・個人サービス)業界
台湾の2019年デジタルマーケティングのトレンド〜広告業界事情〜
DMAエージェンシーグループは、AI、5G、VRを含むデジタルテクノロジーの開発が大きな産業の展望とされている中、近年、台湾のデジタル広告が確実に増加していると指摘した。
デジタルマーケティングのトレンド観測を公開するのは、地元の産業リソースの統合を促進し、健全なメディアシステムを構築するためであると述べている。
トレンドとして「企業はマーケティングのメリットを最大化するために独自のデータプラットフォームを作成する」「オーディオアプリの広告が需要を増す」「メディアおよび広告代理店が様々なサービスを行う」などがあげられた。
出典DMA http://www.dma.org.tw/newsPost/351
台湾メディアが発表!動画広告市場の調査結果が公開〜広告業界事情〜
2019年7月23日の発表によると、台湾の広告メディアOneAD社が、1800万人の消費者に対して独自調査を行い、その結果が公開された。
消費者は、デスクトップ(ノートPC含む)上では平均して23.7秒間広告を見ており、モバイル上では平均8.8秒という結果だった。広告からクリックにつながる割合は、デスクトップでは0.4%、モバイルでは1.04%であった。男女別クリック率は、女性0.86%、男性0.73%と女性がわずかに多く、年齢別では変化が見られなかった。
OneAD社はAIやビッグデータを利用したブランドオペレーションを得意としている。
2018年のデジタル広告市場規模、389.66台湾ドル〜広告業界事情〜
2019年5月22日、台湾デジタルメディア・マーケティング協会が、2018年のデジタル広告市場についての統計を発表した。市場規模は389.66台湾ドルで、2017年に比べて17.7%増。約390億台湾ドルのうち、SNS上の広告によるものは146.43億台湾ドルと、市場の37.6%を占めた。これは、2017年と比べて21.17%の成長となった。
広告形態別に見ると、ディスプレイ広告が150.8億台湾ドルと38.7%を占め、検索広告の95.11億台湾ドル(24.41%)、動画広告の81.1億台湾ドル(20.79%)が続いた。
広告への業界別の投資金額を見ると、ECサイトが11.87%でトップ、続いてゲームアプリが10.98%、美容関連が10.96%であった。
出典:http://www.dma.org.tw/newsPost/421
広告業界大手の台湾電通、上海国際広告賞「金と銅」を受賞
2019年3月12日の発表によると、台湾電通股彬有限公司は上海で行われた国際広告祭で、金賞1つ、銅賞1つの合計2つの賞を受賞した。
金賞を勝ち取った作品は、東和鉄鋼の「最強の愛」というタイトルのドキュメンタリー映像である。ビデオ広告部門でドキュメンタリーゴールドアワードを獲得した。1999年に起こった921大地震で壊れた家の再建にあたる感動作品がSNSで反響を呼んだ。映像が完成するまで3年の月日を費やした大作である。
銅賞はデザイン部門より、動腦雜誌のグラフィックデザインが表彰された。同社は他にも数々の賞を受賞している。また、働きやすい会社として厚生労働省からも表彰されている。
出典:台湾電通https://www.dentsu.com.tw/news_detail.html?id=26
台湾で広告業界大手のUCグループ、台北101カウントダウンのスポンサーへ
2019年10月30日の発表によると、ユナイテッドコミュニケーショングループは、台北101年のカウントダウンのイベントスポンサーとして参加する。12年間このイベントに参加していて、他にも台湾電通など台湾の大きな広告会社が参加している。
台湾のランドマークである台北101では、2004年からカウントダウンイベントが行われている。年明けと同時に台北101から花火が発射されるというイベントで、毎年多くの人が台北101周辺に集まる。テレビ中継もあり、台湾国内だけでなく観光客にも人気のあるイベントである。
台北101には普段から大きな広告が映し出されているが、カウントダウンが始まるまでは、特に多くの映像を楽しむことができる。2020年のテーマは「サプライズ」。ユナイテッドコミュニケーショングループは台湾全体を驚かすことのできるようにしたいと述べた。
出典:https://www.ucgroup.com.tw/news_detail.php?nid=61
まとめ:台湾の広告業界
各社が広告に関する市場調査を公開しており、デジタルマーケティングに必要な情報がたくさん収集できます。このように事業会社でも分析が可能になった今、広告代理店には更にハイレベルなバリューが求められるでしょう。
台北在住の台湾人。日本の東北大学で修士号取得後、7年以上IT企業でマーケティングを担当。デジタルマーケティングと市場分析の専門家として、製品の市場導入とブランド戦略を得意とする。