昨年は国主催の食品に関する大きなイベントが催され、食品卸会社が小売店を通さず直接消費者に自社製品のアピールをするなど、消費者との関わりが深まってきました。
今回は、そんな台湾の食品卸業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2021年 台湾の食品卸(飲食・食品メーカー)業界
台湾にも展開する大成グループの2020年の業績は? 〜食品卸業界動向〜
国内の大手農業・畜産・食品メーカーである大成グループは、2020年のコロナウイルスの流行に逆らって成長し、目覚ましい業績を上げた。第1四半期の税引後利益は過去最高の5億6000万元に達した。1月から8月までの累計売上高は500億元を超え、年間を通じて過去最高を記録すると見込まれている。
さらに、ハーバードビジネス評論の繁体字中国語版(ハーバードビジネスレビュー:HBR)「2020年台湾CEOトップ100」では同社の会長が台湾の食品業界で1位、全体で29位と発表された。
ハーバードビジネスレビュー繁体字中国語版では、2016年から2年ごとに台湾の上場企業のCEOの業績に関する調査を実施。株主還元や市場などの長期的な財務実績を通じて、さまざまな業界で卓越した業績を上げているビジネスリーダーを選出している。
出典:大成 https://www.dachan.com/news_detail/9B4YQ0EHpeyNCrn6
台湾の大統益股份有限公司の2020年第3四半期の業績〜食品卸業界動向〜
大統益股份有限公司は、台湾の嘉南平原の中心部に位置し、台湾最大規模の大豆油工場を持つ。現在、大豆の年間加工生産能力は150万トンであり、大豆油と大豆粉の生産量は台湾で1位である。
長年にわたり、慎重に再投資事業を行うことで、事業規模と利益を着実に拡大してきた。株式は台湾証券取引所に上場している。
同社は2020年第3四半期(7〜9月)の業績を発表した。連結売上高は4,460,521千元、税引後純利益は355,897千元、1株当たり利益は2.17元だった。2020年1月から9月までの連結売上額は12,485,761千元、税引後純利益は888,834千元、基本的1株当たり利益は5.41元となった。
出典:大統益股份有限公司 https://www.ttet.com.tw/index.php?option=module&lang=cht&task=pageinfo&id=399&index=1
台湾の「寧波深尾石油株式会社」の投資計画変更について 〜食品卸業界動向〜
福懋油脂の子会社であるFORMOSAOIL PROCESSING(PANAMA)S.Aは、寧波深尾石油株式会社(福懋油脂の孫会社にあたる)の100%の株式を保有している。
元々2015年7月14日に発表していた福懋油脂の再投資先である寧波深尾石油株式会社は、都市計画により地方自治体から徴収され、買戻し補償額が税引前で約1.9億人民元となっていた。
福懋油脂は、買戻し補償額を台湾へ送金処理するため、寧波深尾石油株式会社の会長であるウー・メイホン氏に何度も問い合わせていたが連絡が取れなかった。2020年9月7日、台湾の臺中地方検察署によりウー・メイホン氏は現在、証券取引法違反の疑いやその他の事件で拘留されていると通達があり、福懋油脂は臨時取締役会を招集し、取締役を再任することとした。
出典:福懋油脂 http://www.fopco.com.tw/News_Detail.php?ADKey=1&CataP=99&page=&Source=
南僑グループ、台湾でベーカリー調理を推進〜食品卸業界動向〜
南僑グループは、台湾のベーカリー(製パン)業界のグレードアップを支援するためにベーカリー調理を推進している。
同社は、アフターコロナ時代におけるベーカリー調理の商機に照準を合わせ、2020年7月にベーカリー業界に関する業界初の白書を発表した。その後、同年12月9日から11日まで、桃園観光工場で大規模専門展が開催される際、「ベーキング料理」をテーマに13個の料理提案と210個の商品を発表する。
また、今回初めてベーカリーとデジタルを組み合わせたコミニュケーションワークショップを開催。SNSで消費者とのコミュニケーションを通して、コロナ流行下でもトレンドを掴み、ベーキング産業のグレードアップを促進することを望んでいる。
出典:南僑 http://www.namchow.com.tw/page/main_page/new_page_directory/07/index.html
台灣卜蜂企業股份有限公司の2019年の業績〜食品卸業界動向〜
2019年は豚コレラの発生によって豚肉の価格が世界的に高騰した。また2019年末にかけて新型肺炎が発生したことで消費が急速に下がり、各業界に重い損失を与えた。
そんな中、台灣卜蜂企業は健康的な鶏・豚や卵製品などの品質アップに研究を尽くし、消費者の食品安全に励んだ結果、業績アップを記録した。2019年の営業収入は合計20,173,520千台湾ドルで、前年比約110%アップ。飼料及び加工性クリンカーが販売量の大多数を占めた。
出典:台灣卜蜂企業股份有限公司 http://www.cptwn.com.tw/cpwebsite/CPPage3.aspx?page=09
2020年 台湾の食品卸(飲食・食品メーカー)業界
台湾の聯華食品、基準値越えの食材について発表〜食品卸業界動向〜
2019年12月24日、衛福部薬署は、同年11月15日にアメリカから輸入されたじゃがいもを検査したところ、基準値越えのアルカイドが検出されたと発表した。聯華食品工業股份有限公司は、該当のじゃがいもを製品の製造に使用していないと発表した。
聯華食品工業股份有限公司は「国境検査の結果が来てからすぐにじゃがいもを返却したので、該当のじゃがいもは台湾に入ってきていない。そのため、同社で該当のじゃがいもを使用していないため、安心してください」と発表した。
同社は海外から輸入された食材について、安心で美味しいものを使用して、高品質の製品を提供することを約束している。そのため、同社内でも農薬検査を実施しており、今まで検査していたじゃがいもは基準値以内であった。
出典:http://www.lianhwa.com.tw/column_content.php?column_content_sn=33641
昭和産業、台湾で食品卸業界大手の大成集団と合弁事業を開始
2019年11月8日、昭和産業株式会社は、海外における更なる事業領域の拡大を目的に、台湾で食品事業を展開する大成集団と合弁事業を開始することを発表した。大成集団は台湾・中国・東南アジアで食品・外食・飼料など幅広く事業を展開していて、昭和産業とは2017年より業務提供をしている。
昭和産業株式会社は、大成集団のグループ会社である「國成麵粉股份有限公司」「中一食品股份有限公司」が実施する第三者割当増資にて、新たに発行される株式(國成麵粉股份有限公司2,440万株、中一食品股份有限公司4,200万株)を引き受ける。
昭和産業株式会社は90周年を迎える2025年度に向け、事業拡大を一つのビジョンに掲げており、今回の海外における更なる事業領域の拡大を目的に、約26億円を投じた。
出典:昭和産業株式会社https://www.showa-sangyo.co.jp/news/pdf/19-32_taiseishudantonogoubenjigyounikansuruosirase.pdf
台湾の衛生署、「食品業者投保産品責任保険」を規定〜食品卸業界動向〜
行政院衛生署は、2019年度「食品業者投保産品責任保険」を規定した。営利事業登録証明書を保有している食品業者、製造業者、輸入業者、他の工場から委託された製品を販売する代理店などが対象となる。すべての食品会社は「食品業者投保責任保険」に加入する義務がある。
食品会社は、営業を始める前に「食品業者投保責任保険」に加入し、保険書類を保有し、検査が入った時は有効である保険書類を提示しなければならない。
保険期間は1年間であり、毎年の更新が必要である。事故による人身傷害が起きた場合や、偶発的な財産損失などをカバーする保険である。衛生局による検査に合格できない場合は、食品衛生管理法第33条により30,000~150,000台湾ドルの罰金が科される。さらに1年以内に再度、検査に合格できない場合は営業または工場の登録証明書が取り消される。
出典:https://www.yufa585.com.tw/news-detail.php?id=18
大成、2019年7月に台湾で開催!台灣美食展の内容は?〜食品卸業界動向〜
大成は2019年7月26日から7月29日の間、台北ワールドトレードセンターで開催された「2019台灣美食展」に出展した。今年は、中華民国交通部観光局が主催し、台湾料理、創作料理、郷土料理、美味しい食べ物、エキゾチックな料理の合計5つのテーマに分かれた展示エリアが企画された。
さらに、食品会社やレストラン、世界各国からの出展者などが集まり、様々な割引や体験、講義活動などを提供し、4日間の来場者は13万人を超えた。
大成は、展示ブースで料理教室を開催し、展示会に訪れた人が、シェフがどのように大成の食材を使用して料理するのかを学び、その技術を自宅で実践できるようにした。同料理教室で使用された食材は、自然食材であることが強調されていた。
出典:https://www.dachan.com/forward3?subChannelId=904&id=904&contentId=&subChannelLevel=2
台湾の泰安食品、2019年教育協力企業として表彰〜食品卸業界動向〜
泰安食品は長年、職業訓練学校と積極的に協力するなどして、技術および専門的な教育のため教育部と協力してきた。その結果が称えられ、2019年教育協力企業として一流の機関であると表彰された。
1972年に創業された泰安食品は、これまでに動物製品加工に特化した食品会社を築いてきた。常に高品質を追求し、2012年にISO22000(HACCP)国際認証賞を受賞するなど、品質と安全性の高さを認められている。
国内に食品工場をつくるなど国内雇用の機会を作っていて、タイ、香港などの海外展開も行っている。顧客や企業から高い評価を受けてきており、現在までに7つの賞を受賞している。今後は商品研究に力を入れていきたいとのこと。
出典: https://www.taian-fd.com.tw/%e7%8d%b2%e5%bb%ba%e6%95%99%e5%90%88%e4%bd%9c%e8%80%83%e6%a0%b8%e4%b8%80%e7%ad%89%e6%a9%9f%e6%a7%8b/
まとめ:台湾の食品卸業界
食品卸会社が消費者に直接自社製品を訴求する理由としてはネット通販の普及があり、小売店を通さずに販売できます。今後は小売店に卸すことだけではなく、他のチャネルも考えることが重要になるでしょう。
台北在住の台湾人。日本の東北大学で修士号取得後、7年以上IT企業でマーケティングを担当。デジタルマーケティングと市場分析の専門家として、製品の市場導入とブランド戦略を得意とする。