国民健康保険(JKN)の施行以降、外科・内科ともに医療施設の利用者が増加し、所得が低い国民に対する医療制度も整備されています。 病院のIT化を進展してきており、2022年にはインドネシア大手総合病院のPondok Indahが高基準の電子医療を達成するなどしています。
今回は、そんなインドネシアの病院業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 インドネシアの病院(医療・介護)業界
シロアム病院が200件目の腎臓移植手術に成功〜病院業界動向〜
インドネシア華人財閥Lippo Group傘下の総合病院であるSiloamHospitalsは、2023年1月12日、ホームページで「シロアムASRI病院が200件目の腎臓移植手術に成功した」と伝えた。
各分野の経験豊富で信頼できる専門家や革新的な腎臓移植技術、シロアム病院ネットワークの臨床、運用管理システムでサポートされているため、インドネシアの人々が最適な腎臓移植サービスを受けるために海外に行く必要がなくなることが期待されている。
シロアムASRI病院では、2017年から現在までに200件以上の腎移植手術を行っており、患者の41%がジャワ島から、59%がジャワ島以外から来院している。2018年以来、シロアムASRI病院ではより安全で効果的な後腹膜技術も提供している。
出典:https://www.siloamhospitals.com/informasi-siloam/jumpa-pers/rs-siloam-asri-berhasil-melakukan-transplantasi-ginjal-ke-200
Hermina病院、38周年に無料で口唇裂手術実施〜病院業界動向〜
産婦人科と小児科を強みとするHermina病院では、2023年3月20日、ホームページでHermina病院の38周年記念活動について報じた。
3月18日にマラン市長、マラン市保健局長、マラン市政府がBKKBN出席のもと、HerminaTangkubanprahu病院で記念式典が行われた。また、38周年記念の地域ケアプログラムとして、無料でMOW手術(家族計画プログラムの一環)と口唇裂手術が行なわれたことも明らかにした。
38周年記念式典でマラン市長は口唇裂が不名誉ではないことを強調し、HerminaTangkubanprahu病院での無料手術の機会を利用するよう訴えた。また、ヘルミナ病院が実施した社会奉仕を高く評価し、住民の信頼を高めるための良い取り組みだと語った。
出典:https://herminahospitals.com/en/news-and-events/operasi-gratis-mow-dan-operasi-bibir-sumbing-dalam-rangka-hut-hermina-ke-38
STIKes Pertamedikaが看護研究所開設〜病院業界動向〜
国有石油会社Pertaminaが所有するPertaminaBinaMedika(IHC)は2023年2月22日、ホームページで傘下のプルタメディカ健康科学大学(STIKes)が34周年を迎えるのを記念して看護研究施設を開設したことを明らかにした。
この看護研究施設は学術コミュニティの活動を支援するための手段としてミニ病院のコンセプトを備えた施設で、栄養研究所やスポーツフィールドで特徴づけられている。
また、ミニ病院のコンセプトを備えた施設は病院に似せて建設されているため、医療従事者が自分のスキルについて実際に学ぶことができる。STIKesPertamedikaは、IHCの後援の下で財団として設立され、Health Nursing School (SPK)からスタートした教育機関である。
出典:https://pertamedika.co.id/press.html
Pondok Indah、EMRAMステージ6認証取得〜病院業界動向〜
インドネシアで最先端の医療サービスを提供する私立の総合病院PondokIndahグループは2022年6月22日、ホームページでPondokIndahグループの3つの病院が、インドネシアで初めて、HealthcareInformation and Management Systems Society (HIMSS)によるRecord Adoption Model (EMRAM)検証で、ステージ6の電子医療を達成したことを明らかにした。
3つの病院は、PondokIndah、Puri IndahとBintaroJaya。東南アジアでステージ6および7を達成している病院は7つだけとなっていて、PondokIndah以外にシンガポールに2ヵ所とタイに2ヵ所ある。
ステージ6は、完全にペーパーレスの患者記録環境を実現し、情報技術を駆使したケアの質、安全性、効率向上を果たしていることが反映される。
出典:https://rspondokindah.co.id/rspi/public/en/news/rs-pondok-indah-group-achieves-himss-emram-stage-6-first-in-indonesia
Mayapada病院、一部で日曜診察サービス開始〜病院業界動向〜
私立の総合病院Mayapada病院グループは2023年1月30日、ホームページで日曜診療サービスの開始についてアナウンスした。
平日は仕事が忙しく、自身や家族の健康状態をチェックする時間が取れない人のために、Mayapada病院グループではSunday Clinicサービスを2つの病院で開始するとのことだ。
1)MayapadaHospital South Jakarta (MHJS):診療時間は、09.00-12.00、受診できる科目は、こどもクリニック、内科クリニック、一般開業医クリニック、歯科クリニック、助産院。2)MayapadaHospitalKuningan(MHKN):診療時間は09.00-12.00、受診できる科目は、こどもクリニック、内科クリニック、心臓クリニック、産婦人科クリニック、歯科クリニック。
出典:https://mayapadahospital.com/news/layanan-sunday-clinic-di-mayapada-hospital
2021年 インドネシアの病院(医療・介護)業界
インドネシアのヘルミナ病院、拡大路線を続ける〜病院業界動向〜
インドネシアの病院グループPT MEDIKALOKA HERMINA Tbk(HEAL)の2020年の売上高は4兆4,160億ルピアで前年比122%であった。
入院患者数は32万人で前年比86%だったが、売上高は前年比136%、外来患者数は445万人で前年比73%であった。
HEALは拡大路線を継続している。2020年度はエルミナ・ペリウク・タンゲラン、エルミナ・カラワン、エルミナ・マナドの3病院を開設し、中部ジャワのサラティガで1つ病院を買収した。2020年度末の病床数は合計4,900床となった。現在、2つの新しい病院が建設中であり、さらに、新たに買収された1つの病院が2021年に正式に稼働する予定である。
出典: https://idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/30e2339c0c_5abdf87621.pdf
インドネシアのオムニ病院、専門医療による付加価値化へ〜病院業界動向〜
インドネシアのオムニ病院を運営するPT Sarana Meditama Metropolitan Tbk(SAME)の2020年売上高は5,076億ルピアで前年比96%であった。
入院患者数は1.3万人で前年比61%となった。外来患者数は17.3万人で前年比56%と大幅に減少した。セグメント別には、①メディカル・サポート(薬、検査、放射線治療、病理解剖など)が2,552億ルピアで前年比98%、②ルーム(入院室、手術室、分娩室)が1,024億ルピアで前年比100%、③外来患者が346億ルピアで前年比72%、④その他が1,155億ルピアで前年比96%であった。
2020年Pekayonに検査分析センターを集中化、検査品質向上を図り、専門医療による付加価値化という戦略の基盤整備を行っている。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202104/8e110f61f0_b27fdee66f.pdf
インドネシアのシロモン病院、スラバヤに新しい病院を開設へ〜病院業界動向〜
インドネシアの病院グループSiloam Hospitals Group(SHG)は、スラバヤに40番目の病院を開設する準備ができたことを発表した。
病院の名称はRS Siloam CITO。CITO(City of tomorrow)はスラバヤにある大型商業施設の名称である。この病院は、最高の医療サービス、設備、医療関係者を擁する包括的な国際病院で、発電機セット、HVAC、医療ガスシステムなどが完備されている。
保健大臣から要請されているCOVID-19患者の受け入れに対応するために、院内感染を防止する対策として特別な陰圧システムや独自のアクセスドア、個別のエレベーターも備えている。また、病床は15床のICUを含め185床保有している。
出典:https://www.siloamhospitals.com/Contents/News-Events/Press-Release/2021/01/31/04/05/DUKUNG-KEMAJUAN-EKOSISTEM-KESEHATAN-SILOAM-SIAP-BUKA-RUMAH-SAKIT-KE-40-DI-SURABAYA
インドネシアの国営病院グループ、アプリで遠隔医療相談対応〜病院業界動向〜
インドネシアの国営石油ガス会社プルタミナの子会社で、病院を運営するPT Pertamina Bina Medikaは、すべての健康ニーズに対応するアプリとして「IHC TELEMED」を紹介した。
主な機能は4つ。①オンライン登録と医師のスケジュール予約:国営病院またはポリクリニックへの訪問、遠隔医療相談のための医師の予約がオンラインでできる。②遠隔医療と処方箋:医師に相談した医療記録が国営病院につながっている。③EMR電子医療記録:通院記録とオンライン相談による遠隔診療記録から診断内容が確認できる。④24時間電話相談診療:診察後、病状に応じて薬がもらえる。
「IHC Telemed」でさまざまな地域から医師の健康上のアドバイスを受けることができる。
出典:http://www.pertamedika.co.id/showpost.aspx?id=526#
インドネシアのMitra Keluarga、2020年売上高前年比107%〜病院業界動向〜
インドネシアの病院グループPT Mitra Keluarga Karyasehat Tbk(MIKA)の2020年の売上高は3兆,4,193億ルピアで前年比107%であった。
入院患者数は19万人で前年比89%、外来患者数は210万人で前年比77%であった。患者数は減少しているが増収の結果であった。
2020年は西ジャワ州チレボンにあるPanti Abdi Dharma病院を買収して、16のMitraKeluarga病院と9つのKasihGroup病院の合計25病院となった。また、2020年末までに医師1,632人、医療従事者5,492人と非医療従事者1,603人がグループの病院に従事している。総病床数は3,105床に達し、そのうち集中治療室(ICU)113床と隔離用856床がCOVID-19治療のためにキープされている。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/bf1623650c_820608aefe.pdf
2020年 インドネシアの病院(医療・介護)業界
民間初!インドネシアのProdia、コロナウイルス自動検査装置導入〜病院業界動向〜
インドネシア全国34州126都市に287の臨床試験機関を運営するPT Prodia Widyahusada Tbk(Prodia)は、2020年9月10日、ホームページで、Covid-19のPCR検査能力を最大2000テスト/日まで引き上げるために完全自動で検査ができるCobas6800を導入したことを明らかにした。
Cobas6800はすでに国立のプルタミナ病院やエイクマン研究所では使われているが、民間で導入したのはProdiaが初となる。
Roche DiagnosticのCobas 6800システムは、8時間で約400テスト、24時間で約1,400テストを処理する機能を備えている。検体を96セットずつ1.5時間のインターバルで投入でき、最初のバッチの検査結果が出るまでにかかる時間は3.5時間とのこと。
インドネシアのミトラクルアルガー病院、デジタル化推進〜病院業界動向〜
PT Mitra Keluarga Karyasehat Tbkの2019年アニュアルレポートによると、ミトラクルアルガー病院グループの2019年の売上高は3兆2,502億ルピア(約228憶円)で、前年比118%となった。
同社は24の病院を運営している。地域的にはグレートジャカルタに16病院が集中している。2019年は新設で2病院、買収で1病院増やした。2020年も新設で1病院増やす予定。2019年の外来患者数は268万人、入院患者数は21万人。合計:288万人。前年比123%と増えている。
ミトラクルアルガー病院グループでは情報システム開発に力を入れており、2019年には、デポックとビンタロの2病院に新しい病院情報システムと電子医療記録システムを導入した。今後順次導入を拡大して行く予定。
インドネシアのオムニ病院、中流所得層をターゲットに手術強化〜病院業界動向〜
オムニ病院グループを経営するPT Sarana Meditama Metropolitan Tbk(SAME)は、2020年6月2日にパブリックエクスポーズを行った。その中で、2020年の開発計画が次のように説明された。
①患者へのサービスの質とスピードを向上させる。②外科手術に焦点を当て、手術専門サービスで著名な専門医を募集する。③個人的な健康保険に加入する個人/コミュニティーの患者セグメントに焦点を当てる。④CABG、消化器センター、整形外科センター、神経科学センターのように専門分科治療の専門センターになる。⑤銀行、保険会社やオンライン健康コンサルティングプラットフォームなどの第三者とマーケティングでコラボする。
とりわけ、急増中の中流所得層をターゲットに手術を強化していくとのこと。
インドネシアのシロアム病院、2019年の売上高前年比118%〜病院業界動向〜
PT Siloam International Hospitals Tbkの2019年アニュアルレポートによるとシロアム病院グループの2019年の売上高は7兆180億ルピア(約503億円)で前年比118%となった。
同社は37の病院を運営している。内訳としては次の通り。首都ジャカルタに13病院。その他地域に24病院。内国民健康保険が適用されるのは26病院。医師数は3,184名(内専門医:2,533名)。看護婦数は7,660名。2019年の外来患者数は約275万人。ベッド数は3,679床。ベッドの稼働率は63.6%。
先端医療器具の保有台数は、キャスラボ:16台、MRI:16台、CTスキャン:37台、ガンマナイフ:1台、リニア・アクセレレーター:3台など。2019年に実施された高度な手術は、心臓外科:1,845件、腎臓移植:24件、脳神経外科:2,307件などであった。
プルタミナ病院、インドネシア大学病院とコラボ〜病院業界動向〜
国有石油ガス会社のPT Pertamina (Persero)の傘下の病院PT Pertamina Bina Medikaは、2020年6月24日ホームページで、インドネシア大学附属病院と「病院管理の専門性の向上におけるコラボレーション」を行うことを発表した。
これは、現在国営企業省とインドネシア大学の間で進められている教育・研究・コミュニティーサービスに関する高等教育のトリ・ダルマの取り組みの一環。
今回のコラボには、病院認定基準に則った病院経営、インドネシア大学と外部コミュニティーの学者のためのエクセレントサービスセンターのような健康サービス施設の建設、健康分野におけるイノベーションの共同研究開発、医療関係者とその他の健康関係者の能力向上による病院環境下での人材開発が含まれるとのこと。
2019年 インドネシアの病院(医療・介護)業界
インドネシアのSiloam病院グループ、2019Q2増収増益〜病院業界動向〜
2019年8月2日、インドネシアのSiloam病院グループを経営するPT Siloam International Hospitals Tbkは2019年第二四半期の経営結果についてホームページに掲載した。
売上高は1兆6,660億ルピア(約128億円):前年同期比118.9%、営業利益は1兆2,520億ルピア:前年同期比119.9%と増収増益を達成したと報じた。
2019年第二四半期の患者数は前年同期より増加し続けており、入院患者数は20.3%増加して59,314人、外来患者数は13.9%増加して636,068人、緊急症例は20.1%増加して87,838人になった。シロアムは、2019年第一四半期から第二四半期へと継続的に収益を増加させており、慎重なコスト管理により今後も改善を続けていくとしている。
最新の医療設備、インドネシア・マヤパダ病院のグランドオープン〜病院業界動向〜
インドネシアの医療法人マヤパダヘルスケアグループ(MHG)は2019年10月16日、マヤパダ病院南ジャカルタタワー2(MHJSタワー2)のグランドオープンをホームページに報じた。
MHJSタワー2は16階建てで、約200台のベッドが収容されている。MHJSタワー2は、がんの治療用に英国(UK)で製造された最新の医療機器を使用して放射線療法サービスを提供する放射線腫瘍学施設も備えていることが特徴である。
手術や化学療法に加え、がん治療を必要とする患者にサービスを提供するナビゲーションシステムからサービス計画に至るまで、放射線腫瘍学コンサルタントである台湾のCHCグループと協力して運営されている。
インドネシアで病院業界牽引のプルタミナ病院、安全衛生セミナー開催
国営ガス・石油会社プルタミナの傘下にあるプルタミナ病院では、社会貢献活動の一環として地域の企業の衛生スキルや職場安全を向上するためのセミナーを開催している。
西パプア州ソロンにあるプルタミナ・ソロン病院は2019年9月23日から27日までの5日間、さまざまな機関の労働者の企業衛生、労働安全衛生の分野における研修生の知識と実践的スキルを向上させることを主な目的として、HIPERKESトレーニング(企業衛生、健康、安全)を開催した。
このトレーニングには、ソロン市、マノクワリ県、ラジャアンパット県、ビントゥニ県と南ソロン県のさまざまな機関から36名が参加し、活動は病院の会議室で行われた。
インドネシアのOMNI病院、心臓病検診受診を啓蒙〜病院業界動向〜
インドネシアの医療法人OMNI Hospitalは、2019年9月29日の世界心臓の日をちなんで、心臓検診を50%割引で受けられるとアナウンスした。
世界で最も多い死因は心血管疾患または心臓病である。世界中で毎年17,900,000人もの人々がこの病気のために亡くなっている。心臓病は、心臓の血管が脂肪によって狭められ、心臓への血液供給が減少することで起こる。そのため、心臓病を引き起こす症状と危険因子を理解して、病気を発症する可能性を予防または軽減する必要がある。
胸痛、息切れ、冷え汗、疲れやすいなどの症状に注意し、心臓病の原因、すなわち高血圧、喫煙、コレステロール、糖尿病などを早期に発見しましょうと勧めている。
2018年 インドネシアの病院(医療・介護)業界
インドネシア・シロアム病院の中にマンディリ保険の窓口開設〜病院業界動向〜
マンディリ保険は2018年8月10日、北スラウェシ州マナドに位置するシロアム病院施設内に窓口を開設した。窓口は、保険請求処理、保険商品案内、患者のクレーム処理などマンディリ保険の総合サービスセンターとして活用される予定。
シロアム病院グループでマンディリ保険が窓口を開設するのは今回で4つ目となる。マンディリ保険との連携を強化し、サービスを利用する患者へのアクセシビリティ向上を図る。
一方、地域の経営戦略上重要な位置づけにあるシロアム病院は、地域住民だけでなく観光客への対応も進めている。幅広いコミュニティに最先端の医療サービスを提供するため、MRI、CTスキャンのほかカテーテル検査室などの高度な医療設備も完備している。
インドネシアで病院業界大手のヘルミナ病院、ユニークな優先指標管理
全国に病院を展開するヘルミナ病院は2018年10月17日、同院ウェブサイト上で南スラウェシ州マカッサルに位置するヘルミナ・マカッサル病院の泌尿器科が行っている優先指標管理による医療品質向上の取組みを取り上げた。
ヘルミナ・マカッサル病院の泌尿器科では3つの優先確認指標を導入している。
一つ目は手術時間の正確性。手術スケジュールから2時間以内に行われた手術の割合を指標にしている。二つ目は問診の質。医師が病状に適した内容の問診票にどれだけ問診結果を埋めることができたかその割合を指標にしている。三つめは診断スピード。問診と放射線検査結果から12時間以内に診断結果が出せたかどうかである。ユニークな見える化の取り組みだ。
インドネシアで病院業界牽引のポンドック・インダ病院、インベイシブな取組み
2018年8月29日、ポンドック・インダ病院グループは報道陣を招き、インベイシブな医療への取り組みについての会見を行った。
インベイシブな医療とは患者に負担をかけない医療を意味する。具体的には、従来患者の身体への負担が大きかった切開手術において切開をせずに、あるいは小さな切開に留めて手術を行うことを目指す。会見の中で、心臓病専門医と泌尿器科外科医より実際の現場における取り組みについても説明がなされた。
心臓病専門医によると、従来長時間を要した心臓病手術においても、心臓カテーテルとステントを使うことで大きく患者の負担を減らすことができた。それにより麻酔を局部麻酔ですませることができるだけでなく、術後の翌日に退院することができるなど、患者の身体へのケアが考慮されている。
インドネシアのオムニ病院、腎臓移植6つの迷信を解き明かす〜病院業界動向〜
オムニ病院は、医療に対する誤った認識・知見を医療機関として正し、より正確な情報の拡散に務めることを事業の一環として担っている。2018年9月28日、同院HP上で「肝臓移植に関する6つの迷信と真実」と題した記事をQ&Aの形式で掲載した。
①Q:移植手術は透析より割高? A:生涯の透析費用の方が割高 l②Q:誰でもドナーになれる? A:家族のみ。 l③Q:移植手術は成功率が低い? A:成功率95%、オムニ病院の失敗率はほぼゼロ。 l④Q:術後家族の世話ができない? A:術後、元の生活に戻れる。 l⑤Q:術後妊娠できない? A:妊娠できる。 ⑥Q:術後再発しない? A:厳格な食生活、衛生管理と運動が必要
腎臓病は命に関わる病気の一つであることから、誤った認識から治療や移植手術を受けたがらない人たちへのメッセージとして発信された。
まとめ:インドネシアの病院業界
2014年の国民健康保険(JKN)の施行以降、医療施設の利用者が増加し、貧困層やそれに近い所得の国民への医療制度も整備されています。このように、変化する医療普及率に注目することで、新しいビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか。
ジャカルタ在住のインドネシア人。観光ガイドと通訳者を務め、インドネシアの観光地を日本語で案内している。日本語学科の大学を卒業し、邦人対応観光ガイド・国際イベントでの日本代表団担当連絡係員・通訳者・日本領事事務所長の地元アシスタントを経験。