【過去最高の売上高】台湾の外食・中食業界

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台湾では、コロナの影響により国民生活産業の中で一番の生産額を占める食品産業は落ち込みを見せていましたが、2023年4月までの一四半期の外食産業の売上高は3,368億台湾元で、前年同期としては年率20.5%増加と、過去最高を記録しました。

今回は、そんな台湾の外食・中食業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

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目次

2022年 台湾の外食・中食(飲食・食品メーカー)業界

鼎泰豐が3年連続で従業員の給与引き上げ〜外食・中食業界動向〜

新型コロナウィルス流行後、飲食業界は大きく回復したが、観光サービス業界は依然として人材不足の問題に直面している中、鼎泰豐は人材の積極的な採用と定着を図るため、2023年6月1日より従業員の給与を再度引き上げ、平均給与は3%から6%増加すると発表した。

鼎泰豐は3年連続で従業員の給与引き上げを実施しており、2021年には3~4%、2022年には約6%、今年は最高6%の給与引き上げを行い、3年間の累計最大昇給額は16%に達した。

鼎泰豐は、2023年6月時点で台湾全店の求人総数は約10%であるとし、台北市雇用サービス局と共催で特別採用イベントを開催し、150件の求人募集を行った。台北市労働局は、協力採用企業を検査し、まず大規模な解雇や賃金の引き下げがない事を確認し、合法的で透明な労働条件の提案を行なっている。

出典:台北市政府労働局

王品グループ年間売上高が2年連続過去最高を更新〜外食・中食業界動向〜

2022年の王品グループの経営は新型コロナウィルス流行の霧から抜け出し、年間連結売上高は183億2,000万台湾元、年率6.54%増加し、2年連続で過去最高を更新した。税引後純利益は3億9,000万台湾元で前年の赤字から黒字に転じ、EPSは5.15元で5年ぶりの高水準となった。

王品グループは「マルチブランド」戦略で台湾に深く根付いており、2023年も引き続き台湾で1~2の新ブランドを投入する予定である。また第2四半期までに40店舗の出店が確定し、年間を通じて50店舗の新規出店が予定されている。

王品グループ創立30周年となる2023年、「王品狂食APP」の会員数は順調に324万人を超え、これは台湾の推定1,150万人の労働力人口の28%を占める。また、主要25ブランド間のAPP会員の相互転用の相乗効果により、収益の40%が「王品狂食APP」会員から得られていることがわかる。

出典:王品グループ

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外食産業2023年1-4月売上高が前年同期過去最高を記録〜外食・中食業界動向〜

経済部統計局のデータによると、2023年4月の外食産業の売上高は、政府による経済強化のための全国民への6,000台湾元配布や清明節の連休、新型コロナウィルス流行の影響で自粛されていたイベントなどの再開が牽引力となり、815億台湾元で前年同月比31.4%増となった。

2023年の1月から4月までの総売上高は3,368億台湾元で、前年同期としては過去最高を記録し、年率20.5%増加した。また、第1四半期の売上高は2,548億台湾元で、年間17.2%増加し、単一四半期としてこちらも史上最高を記録した。

台湾では、新型コロナウィルスへの防疫が完全に解除され、外食業界は、この2年間で急激に増えたデリバリー利用者も多くが実店舗に戻り、業績の成長へと直結していると言える。

出典:経済部統計局

ファミリーマート初の自社ブランド焼肉店を立上げ〜外食・中食業界動向〜

ファミリーマートの外食投資事業は、新型コロナウィルスの影響も正式に解消され、2022年第4四半期にファミリーマート初の自社ブランド焼肉店「ikigai」を立上げ、売上高、利益共に過去最高を記録し、2023年も引続き積極的な出店を予定している。

ファミリーマートの外食投資事業「全家國際餐飲」は2010年に設立され、自社ブランド「ikigai」に加え、代理ブランド「bb.q CHICKEN」や「大戸屋」、「フォルクスステーキハウス」などを含む、合計5ブランド、72店舗を展開している。

「全家國際餐飲」にとって親会社のコンビニが蓄積した1,500万人の会員数が最大のメリットであり、「全家國際餐飲」が展開するレストランとコンビニ「ファミリーマート」の会員ポイントの共通化やファミリーマート独自の支払いシステムPlus payも利用可能など、グループのリソースを統合しシナジー効果をもたらしていく。

出典:FamilyMart

2022年漢來美食の累計収益が史上2番目の高水準〜外食・中食業界動向〜

漢來美食の2022年の累計収益は37億5,600万台湾元で、年率28.23%増加し、史上2番目に高い数字となり、事業運営は黒字に転じた。税引後純利益は1億3,000万台湾元、1株当たり利益は3.08元、営業利益は2,900万台湾元で、2021年の6,600万台湾元の損失から大幅な回復を見せた。

漢來美食は現在、17の自社運営ブランド(2つのライセンスブランドを含む)と1つの代理ブランドを擁しており、レイアウトはホテル及びデパートの二大体系が主である。また2023年10月には台北漢來ホテルがオープンし、7軒のレストランが参入予定である。

漢來美食は近年、デジタルトランスフォーメーションへの投資を強化し続けており、2022年7月に「來美食」アプリをローンチし、初年度で20万人近い会員を獲得した。

出典:漢來美食

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2021年 台湾の外食・中食(飲食・食品メーカー)業界

台湾の乾杯集団の売上向上の秘密〜外食・中食業界動向〜

乾杯集団の2020年8月12日時点での店舗数は台湾で31店舗、中国大陸で12店舗と、合計43店舗である。

2020年1月から9月までの売り上げは下記グラフの通り。9月の連結売上額は2億5000万台湾ドルに達した。同年9月には中秋のイベントがあり、「中秋ギフト」「食材調達」「バーベキュー」の3つのポイントをビジネスチャンスとして事前に展開することで売上を上げた。

乾杯集団は常連客の増加に焦点を当てており、中秋の前には「KANPAI GO!CLUB」という会員制度を急いで設立。入会しポイントを集めることでイベリコ豚や和牛が贈られる。同制度を開始後、わずか半月で3万人が入会した。これによりブランドの定着率を確実に高めている。

出典:乾杯集団 http://investor.kanpai.com.tw

台灣のデリバリープラットフォームの現状〜外食・中食業界動向〜

2020年はコロナウイルスの流行により、在宅時間が長くなり、外食の頻度が減ったため、実店舗を中心としたレストランや小売業に大きな影響を与えた。飲食業界の店舗サイドは「運営費の削減」と「新たな収入源を開拓する方法」が共通の課題となっている。そんな中、デリバリーサービスが大きな注目を集めている。

台湾の配送プラットフォームの普及率(飲食業界全体に占める配送プラットフォームの割合)は、2019年初頭の0.24%から2019年末までに1.02%に上昇した。2020年は予期せぬコロナウイルスの発生により、同時期にデリバリープラットフォームの消費量金額は300%近くまで増加した。

2020年上半期の配送プラットフォームの平均普及率は1.6%にとどまっており、これからの規模拡大の可能性は大きいとみられている。これはfoodpandaとUberEatsが積極的に「市場をつかむためにお金を燃やしている」主な理由の1つでもある。

出典:未来流通研究所 https://www.mirai.com.tw/2020-taiwan-food-delivery-industry-key-data-analysis/

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台灣のレストラン業界の寡占度について〜外食・中食業界動向〜

台湾のレストラン業界は寡占度が低く、単一グループの市場シェアが3%を超えることはめったにない。高度に自由化された台湾の飲食市場は、多様なレストラン文化とスタートアップの機会を生み出している。

しかし、ファストフードやコーヒーショップの市場シェアを見ると、過去3年間で業界の寡占度が急上昇しており、グループ志向の寡占競争に向かっている。

ファストフード業界については、マクドナルドとKFCを追加すると、上位5社の市場シェアは2017年の45%から2019年には52%に急成長している。カフェ業界の上位4社の市場シェアは2017年の78%から2019年には90%に増加した。

出典:未来流通研究所 https://www.mirai.com.tw/taiwanese-restaurants-travel-industry-market-share-analysis/

2020年11月の台湾における飲食業界の売上統計〜外食・中食業界動向〜

飲食業界の2020年11月の売上高は644億台湾ドルで、前月比3.4%減となり、季節調整後は0.2%減となった。

前年同月比の売上高は0.8%増加し、そのうちレストラン業界は2.3%増加した。これは主に、新ブランドの導入と営業店の拡大、およびデパートの周年祭の集客によるものだ。しかし、宴会ベースの事業は減少幅が拡大しており、増加の一部はそれにより相殺された。

飲料業界は店舗展開とキャンペーン活動、そして冬の気温低下がホットドリンクの需要を後押し、年間で3.1%の売上が増加した。2020年1月から11月の累積売上高は、前年同時期比較で4.6%減の7,055億台湾ドルだった。

出典:経済部 https://www.moea.gov.tw/Mns/dos/content/ContentLink.aspx?menu_id=9425

2020年台湾における小売・飲食業界の経営実況調査報告〜外食・中食業界動向〜

小売業界の消費者支払い方法のうち、クレジットカードが初めて現金を上回った。オンラインショッピングの急成長や支払い方法の多様化が相まって、現金対現金取引モデルの割合は減少した。

クレジットカードの消費量は37.9%を占め、支払い方法として初めて現金を上回り、1位になった。現金は35.1%で2位に落ちた。3位は銀行振込、他はプリペイドカードやモバイルペイとなっている。

飲食業界の提供するデジタルサービスの割合グラフは下記。66.8%がSNS或いはLINEを使用して販促活動をしている。半分近くの店舗でキャッシュレスに対応している。

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出典:経済部 https://bit.ly/38SBtYc

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2020年 台湾の外食・中食(飲食・食品メーカー)業界

台湾で外食大手の乾杯、新たに火鍋屋をオープン〜外食・中食業界動向〜

台湾の大手焼肉チェーン乾杯集團は、2019年10月から新たに火鍋屋「麻辣45」をオープンした。「麻辣45」は一つの鍋を9つに区切った九宮格の重慶麻辣鍋スタイルを採用している特徴がある。最初の店舗は有名デパート微風の信義エリア45階に出店し、火鍋と同時に美しい景色も堪能できる仕様になっている。

九宮格は四川重慶の麻辣鍋特有の食べ方で、それぞれの格子の中は温度が違い、野菜は隅の格子に、お肉は温度の高い中央の格子といったようにそれぞれの食材を最適な温度で煮込めるように工夫されている。

乾杯集團は1999年に創業した後、日本式の焼肉と居酒屋を融合したような店舗で規模を拡大してきた。8つの外食ブランドに加えて食品工場、販売所など、国内外に50店舗以上を出店している。

出典:http://investor.kanpai.com.tw/news/37

アジア初!『いきなり!ステーキ』が台湾進出〜外食・中食業界動向〜

東京に本社を置く株式会社ペッパーフードサービスは、2019年6月11日にアジア初出店となる「いきなり!ステーキシティリンク南港店」を台湾にオープンさせた。出店先の「南港CITY LINK」は1日20,000人以上が足を運ぶ商業施設であり、台湾最大規模のTSUTAYAブックストアも入っている。

6月6日のプレオープンから連日長蛇の列ができるなど、今後の台湾での発展に期待が上がっている。台湾の運営は株式会社G-7ホールディングスが現地に設立した事業会社が行う。

低価格でステーキが食べられると評判の「いきなりステーキ」。客が好みの肉の量を指定して店員がその場で切り分け、これを焼き上げて提供する「オーダーカット」方式が台湾人にも人気が高く、多くのメディアでも取り上げられている。

出典:https://www.pepper-fs.co.jp/_img/news/pdf/2019/20190611.pdf

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鼎泰豊、台湾政府の規制に準拠した卵を使用〜外食・中食業界動向〜

1958年創業の鼎泰豊は、1993年、アメリカ合衆国の『ニューヨーク・タイムズ』紙で「世界の10大レストラン」に選ばれたこともある、台湾で最も有名な中華レストランである。15カ国に展開しており、日本には10都市以上に展開をしている。

2019年6月6日の発表によると、鼎泰豊は政府の規制に準拠した卵を使用していると表明した。鼎泰豊は創業以来、食材、食事、サービスの品質に専念してきた点を踏まえ、政府の食品衛生規制を厳守し、食品質が衛生および安全基準を満たしていることを保証している。

鼎泰豊の卵は大成富源畜産農場で獲れた物を使用しており、大成富源畜産農場の飼育環境はHACCPおよびISO22000国際検証に合格済みである。

出典:https://www.dintaifung.com.tw/news_show.php?id=204&curPage=2

ロイヤルホスト、台湾・高雄国際フードショーに参加〜外食・中食業界動向〜

ロイヤルホストは、台湾の高雄市で4日間行われた「高雄国際フードショー2019」に参加した。日本企業からはモスバーガーや、串家物語なども参加した。

「高雄国際フードショー2019」とは経済部国際貿易局が主催、中華民国対外貿易発展協会が実行している食のイベントである。出展品目は青果、生鮮農産食品、水産食品、冷凍調理食品、肉類及び乳製品、オーガニック食品、ベジタリアンフード、などである。また2018年には276社が参加し、会場には521ブースが設けられた。出店料金は1ブース1300USドルから1550USドルである。

1991年に台湾に上陸したロイヤルホストは現在、台湾全土に14店舗を構えている。インターネットで予約でき、レトルト商品からジュースまで幅広い商品がオンラインで購入できるようになっている。

出典:https://www.royalhost.com.tw/news_detail/30https://www.foodkh.com.tw/ja_JP/show/info.html?id=DC988E9432AAEAD5D0636733C6861689&sFuncID=DC988E9432AAEAD5D0636733C6861689

台湾経済部発表!国民生活産業の生産額、食品業界が最高の数値〜外食・中食業界動向〜

経済部は、国民生活産業の生産額は2018年に86年ぶりの最高記録を打ち出して以来、順調に伸びており、今後も成長し続けると予想している。年間生産額は、1,494億元で、昨年に比べ3.51%増加した。

年間生産額1,494億元のうち、食品および飼料産業(37%)、繊維産業(19%)、非金属鉱物製品産業(14%)、その他の製造業(12%)、飲料産業(7%)、タバコ産業(6%)、家具産業(3%)、木材および竹製品産業(1%)、衣料品およびアパレル産業(1%)となっている。

食品および飼料産業(37%)は年々成長している。国民の健康意識が高まっていることや、高齢化に伴う健康食品の開発などが成長の後押しをしている。

出典:https://www.moea.gov.tw/Mns/dos/bulletin/Bulletin.aspx?kind=9&html=1&menu_id=18808&bull_id=6290

まとめ:台湾の外食・中食業界

近年、各飲食店が様々な取り組みを見せる一方で、多くの台湾人が屋台や食堂など気軽に入れるお店を好む傾向にあります。そのため現地に適した食のスタイルを考えることが重要でしょう。

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