今回は、そんな台湾の飲料業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 台湾の飲料(飲食・食品メーカー)業界
黒松が業界初グリーン・ファクトリー・ラベル取得〜飲料業界動向〜
台湾では、ESGの持続可能な発展はグローバル企業にとって重要なテーマとなっており、98年間台湾と深く関わってきた黒松は近年、持続可能な戦略の推進に積極的に取り組み、百年企業を目指して歩み続けている。
2023年6月、黒松は台湾の飲食業界で初めて「グリーン・ファクトリー・ラベル」を取得し、黒松の会長は、企業として、業界と協力してグリーントランスフォーメーションを加速していきたいと述べた。
黒松は、省エネルギーと炭素削減の観点から生産ラインを次々と更新し、エネルギーと資源の消費を大幅に削減、同時に、デジタル管理を積極的に推進し、エネルギー監視システムを改善することで、生産時の資源消費量を削減すると共に、生産効率を向上させた。
出典:https://www.heysong.com.tw/20230619news
飲料スタンド製品に糖分とカフェイン表示を義務化〜飲料業界動向〜
近年、様々な飲料スタンドが次々と店舗を増やし、消費者の生活の一部となる中、衛生福利部の食品医薬品局は、表示情報の開示を強化するため、飲料チェーン店、コンビニエンスストア、ファストフード店などで、その場で調理する飲料品に対し「店内飲料の表示に関する規定」を改正した。
2023年1月1日から、規定に従って各飲料の糖分、カフェインの最高値、または緑、黄、赤の3色でカフェインの量を区別するなどの表示が義務付けられる。また、虚偽の表示をした場合、4万から400万台湾元の罰金が科される。
更に食品医薬品局は、消費者が購入する際に参照しやすいように、明確な情報を提供する必要があるとして、2023年からはQRコードやその他複数のマーキング方法が追加される予定である。
出典:https://www.fda.gov.tw/tc/PublishOtherEpaperContent.aspx?id=1435&tid=4146&r=685580692
飲料とオーツミルク製品が愛之味の売上高を牽引〜飲料業界動向〜
愛之味は、2年連続で安定配当を続けており、外国人投資家や自営業トレーダーに牽引され、最近の株価上昇が加速している。また、飲料とオーツミルク製品の売上が好調であり、2023年第1四半期の一株当たり純利益は0.13台湾元で、年率30%増加、四半期では533%の増加となった。
愛之味は2022年に、伝統的なきゅうりの漬物や醤油の売上が伸びた一方、分解茶などの機能性飲料の業績が売上高全体の33.4%を占めて首位に立った。続いて、缶詰ソースなどが22.34%を占めた、次にオーツミルクなどの穀物系ミルクが21.64%を占め、飲料と穀物系ミルクが売上高を牽引していることが分かる。
愛之味は1971年に設立され、主に食品の製造・販売を行っており、多角化事業に積極的に取り組んでいる。優れた経営陣を擁し、企業の持続可能な運営と成長を追求し、国内企業トップ500に入る老舗企業である。
出典:https://www.agv.com.tw/%e6%8a%95%e8%b3%87%e4%ba%ba%e5%b0%88%e5%8d%80/%e8%b2%a1%e5%8b%99%e8%b3%87%e8%a8%8a/
国内103店舗天仁の2022年売上高18億台湾元〜飲料業界動向〜
天仁の国内店舗は、2022年末の時点で天仁茗茶が475店、百貨店カウンターが37店、レストラン・喫茶店が11店、お茶ブランドCHAFFEEが8店の合計103店舗あり、国内外の売上高を分析すると、国内売上高が79%を占め、国外が21%となっている。
天仁は財務報告を発表し、2022年の売上高が18億3,000万台湾元、税引後純利益5,122万台湾元で、年間18.7%となった。
先行きに関しては、新型コロナウィルスの収束と国境開放によって、個人消費の増加が見込まれる一方で、インフレやロシア・ウクライナ戦争によるコスト上昇や景気後退といった問題にも直面しており、コスト管理を実現し新たな運営状況を創出するために、業務効率の向上とデジタル投資を強化する必要があると発表した。
出典:https://www.tenren.com.tw/Content/NewsLetter/contents.aspx?&SiteID=10&MmmID=654304330716627467&Cat=0&MSID=1216474164067536553
麻古茶坊の持続可能な運営への取り組み〜飲料業界動向〜
環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を合わせたESGは、企業の持続可能な運営を評価するための重要な指標として、世界中に広がりを見せており、麻古茶坊も近年、ESG持続可能な取り組みを積極的に実施している。
環境に優しく、地球を愛する麻古茶坊は、プラスチックフリー政策に応えて、使い捨てのドリンクカップに代わる「美口ボトル」を購入時に再利用する場合の割引を開始し、消費者がマイボトルを持ち込む習慣を身につけ、日常生活からプラスチックフリーの生活を作り出すことを奨励している。
2022年には、グリーン生産能力財団の指導のもと、省エネと二酸化炭素削減からスタート、電力システム、照明システム、空調システム、冷凍システムに至るまで省エネと二酸化炭素削減を実施し、全社を挙げてESG目標を段階的に実行していく予定であり、順次各店舗に拡大していく。
出典:https://macutea.com.tw/news_detail.php?id=577
2021年 台湾の飲料(飲食・食品メーカー)業界
黑松、台湾の譽加グループとの戦略的提携を発表〜飲料業界動向〜
2020年9月17日、黑松はワイン業界のリーダーである譽加グループとの戦略的提携を発表した。消費者の購買習慣の変化に対応し、ワイン製品ラインを拡大することが目的だ。譽加ワイングループのワインブランド「Xiadi」、「Banlock」、「Kumara」を宣伝し、販売経路を強化して、台湾の消費者に世界的に有名なワインの選択肢を提供する。
黑松の張斌堂会長は、「今回の提携でワインカテゴリーをさらに増やすことができる。私たちは代理店を超えた戦略によって台湾の消費者がより高品質の商品を体験できるようにし、譽加ブランドの台湾市場での拡大を支援する」と述べた。
譽加のCEOは「台湾のワイン消費量は急速に伸びており、私たちにとって非常に重要な市場である。黑松は、台湾市場や製品の品質を理解している。 優れたパートナーを見つけることができて光栄であり、両当事者間の将来に自信を持っている」と述べた。
出典: 黑松 https://www.heysong.com.tw/強強聯手%E3%80%80黑松宣布與新世界葡萄酒龍頭譽加集團/
台湾で飲料業界大手の愛之味股份有限公司の2020年連結財務報告
愛之味は、1971年6月に台湾の嘉義県で設立された食品加工会社で、飲料(主にお茶)、缶詰食品、調味料、乳製品、油加工品などを生産している。飲料での人気商品は麦茶、油切り分解茶、あずきウォーターが挙げられる。
同社は中国の老舗ブランド「漳州片仔癀、東阿阿膠」(中国最大の投資保有グループである華潤公司に属する)などと戦略的パートナーになっており、中国本土市場で積極的に共同ブランド製品を発売している。
同社は2020年12月に、2020年の連結財務報告を行った。2020年7月1日から9月30日までの営業収入は1,634,878千台湾ドル(前年同期1,561,664千台湾ドル)だった。2020年1月1日から9月30日までの営業収入は3,785,448千台湾ドル(前年同期3,614,468千台湾ドル)となった。
出典: 愛之味 https://www.agv.com.tw/利害關係人專區/財務資訊/
台湾で飲料業界大手の大西洋飲料股份有限公司の2020年度の業績
大西洋飲料股份有限公司社は、1965年に台湾のLiHonglueによって設立された飲料および食品メーカー。本社は新北市三重区にあり、大西洋グループの主要企業である。
主な商品は、フルーツジュース炭酸飲料、フルーツジュース、ミネラルウォーターなど。代表的な商品はアップルサイダーで、台湾の代表的ドリンクとなっている。
同社の2020年の業績が発表された。2020年7月1日〜9月30日までの営業収入は160,100千台湾ドル(前年同期128,944千台湾ドル)だった。また、2020年1月1日から9月30日までの営業収入は326,532千台湾ドル(前年同期354,947千台湾ドル)だった。
出典: 大西洋飲料股份有限公司 http://applesidra.com.tw/投資人專區/月營收報告/
シュウェップス®、台湾で新製品を発売〜飲料業界動向〜
スパークリングウォーターのシュウェップス®は、2017年から台湾にて続々と新製品を発表しており、そのたびに台湾の消費者から好評価を得ている。
同社は2020年、英国の古典的な茶文化に触発され、無糖でカロリーフリーのアールグレイティー風味のスパークリングウォーターを発売した。香り高いアールグレイと、泡のさわやかな味わいで、一口で料理の脂っこさと熱を和らげ、新鮮さと爽快感の二重の楽しみを同時に体験できる。
さらに製品パッケージの全範囲をアップグレードした。新しいパッケージは、ダイヤモンドチェッカーパターンの水感のあるデザインで、英国独特のファッショナブルさを演出し、アクセサリーや装飾としても持つことができる。
出典: コカコーラ https://www.coke.com.tw/zh/Schweppes2020new
2020年12月の台湾飲料業界の売上額
統計局より2020年12月の飲料業界の売上が発表された。2020年12月の売上高は718億元で、前月から11.2%増加し、季節調整後も横ばいだった。
飲料店業界は、引き続きポイント収集キャンペーン、プロモーション活動を行い、販売促進に励んでいる。
通年の累計を前年と比較すると、2020年の飲料業界の売上高は7,776億元で、4.2%減少した。
出典: 経済部 https://www.moea.gov.tw/Mns/dos/bulletin/Bulletin.aspx?kind=8&html=1&menu_id=6727&bull_id=8316
2020年 台湾の飲料(飲食・食品メーカー)業界
飲料業界最大手の黑松、台湾初のドリンクを発表
黑松股份有限公司は台湾で最も有名な飲料専門メーカーである。2019年2月6日の発表によると、同社は今回、台湾で初めての繊維入りスパークリングウォーターのボトルを発売したとのこと。FINファイバースパークリングウォーターは、日本の特許の食物繊維を使用し、健康的で負担のない炭酸水である。
黑松股份有限公司は近年、スパークリングウォーターがアジア、ヨーロッパ、アメリカで急速に成長したことに触れ、食物繊維が添加されたFINのスパークリングウォーターは健康にいい点も利点として挙げている。
台湾の夏は暑く、長いことに触れ、色素や香料を使用していないので水の代替えとして飲んでもらいたいと発表している。
出典:http://www.heysong.com.tw/News/NewsDetail/6b257519-0532-4830-8d8b-4609e3c5f267
台湾のチャタイム、目標は3年間で100店舗拡大〜飲料業界動向〜
2019年11月5日の発表によると、六角國際集團の人気ドリンクショップ「チャタイム」が、インドネシア市場で300店舗目をオープンしたとのこと。ジャカルタでは盛大な祝賀会が開かれ、インドネシアの大使やジャカルタ貿易センターのディレクターなどが参加した。アジア市場での貴重な牛乳の消費量を促進させる効果が期待できる。
「チャタイム」は台湾で誕生したドリンクショップで、現在は世界の30の国と地域に拡大し、店舗数は890店舗に上る。タピオカミルクティ―など牛乳を使用したドリンクが多くある。
インドネシア市場は8年近くかけて開拓しており、近年、売り上げが伸びている。2018年と比べ、2019年は60%以上売り上げが伸びている。同社は今後3年間で、店舗を年平均100店舗で拡大し続けることを目標に挙げている。
出典:https://www.lakaffagroup.com/news/w0anjvAtVI8N
ビール品評会で台湾のBUCKSKINが金賞に選出!〜飲料業界動向〜
欧州最大のビール品評会ヨーロピアンビアスターアワードは、「ビールオスカー賞」とも呼ばれている。2019年11月13日、受賞リストがドイツのニュルンベルクの式典で発表された。大会には28か国、計145人のワイン醸造業者・ソムリエ・ビール専門家が集まった。
2019年は47か国、2500のメーカー、67種類のビールが品評会に参加した。ビールの品評は、外観・泡・香り・味・風格や特徴などから評価する。
BUCKSKINのドルトムント向けの輸出用ビールが「欧州スタイルの輸出ビール」類で金賞を受賞した。2019年の台湾メーカーのビールで唯一の金賞であった。また、BUCKSKINの「スモークビール・フランケン地方スタイル」類で銀賞を受賞した。BUCKSKINの定番ビールも今年で連続2回目となる銅賞を受賞した。
出典:https://bit.ly/2RdU1bG
飲料業界大手のKIRIN台湾が手がける企業共有価値計画とは?
キリングループは、大自然と人間におけるコミュニケーションに焦点を当て、商品を開発し、「食と健康の斬新的な喜び」を社会に拡散させることで、社会に貢献している。このような経営理念の下で、CSV(Creating Shared Value)を推進し、社会の創造を通し、消費者との価値を共有することで、社会にフィードバックしている。企業の経営と同時に社会価値も創造している。
環境保護の実践:地球の汚染を少なくすることは人類の使命だ。台湾キリン子会社は、2016年より環境保護団体と協力し、国内の砂浜清掃を実施してきた。この活動を通じて、消費者と友好的な価値観を作り、ひいては日常生活で実践できるよう目指している。
土地と文化への貢献:ガレージは世界の創意工夫の起点で、スティーブンジョブスからビートルズなどの有名人を育んできた。2016年より、台湾キリン子会社は、各地方に住む若者たちを支持し、社会的価値を育てている。
出典:https://bit.ly/2QWyWTW
飲料業界大手のKIRIN台湾が主催したごみ拾いとは?
彰化省伸港の砂浜は風力発電の風車、ロマンチックな夕日、牡蠣の養殖場が特徴的な景色だ。一方で、多くの観光客が集まり、ごみ捨てが目立つ。2019年8月31日、この美しい台湾の砂浜を救うため、1000人あまりの人がごみ拾いをした。
海洋生物は人類と異なり、食べ物を認識しないで口に入れる。結果として砂浜のプラスチック類を食べると、消化できず死亡してしまう。しかし、これは生物だけでなく生物圏全体の問題で、最後に人類もプラスチックを食べることになる。
ごみ拾いの主催者は台湾キリンビール会社とRE-THINK非営利組織で、この日は2500キロのごみを収集した。台湾麒麟ビールは、2019年に基龍や台南の砂浜でもこういった公益活動をし、社会に貢献している。
出典:https://bit.ly/2QPzVFs
まとめ:台湾の飲料業界
台湾と言えば日本でも大きく話題になったタピオカの誕生した場所であり、タピオカ店はここ数年で大きく飛躍しました。タピオカのドリンクにも多く使用される茶類飲料の割合が販売シェアの中で最も大きく40%も占めます。このような需要の把握と環境への配慮が台湾でのビジネスには必要でしょう。
台北在住の台湾人。日本の東北大学で修士号取得後、7年以上IT企業でマーケティングを担当。デジタルマーケティングと市場分析の専門家として、製品の市場導入とブランド戦略を得意とする。