インドネシアは日本人にとって魅力的な観光地の一つであり、インドネシア国内も日本人観光客増加に力を注いでいます。
Bayu BuanaやPanoramaなどの上場企業が躍進し、2023年の売上は驚異的な伸びを見せています。観光セクターの明るい兆しやPDESの尼市場への回帰など、業界全体が活気づいています。一方で、Travelokaがトラベルフェアで観光業の回復を後押しし、HIS Indonesiaは即日渡し可能なJRパスを提供。これにより、インドネシアはますます魅力的な旅行先となり、日本との連携や国際的な旅行市場で注目を浴びています。
今回は、そんなインドネシアの旅行業界に関する業界情報をお届けします。
読了時間の目安:5分
2023年 インドネシアの旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
Bayu Buana、2022年前年比366%大幅増収
インドネシアの上場旅行会社PT Bayu Buana Tbk(BAYU)が2023年4月27日、2022 Annual Reportを公表した。2022年の売上高は1兆7,948億ルピアで前年比366%の大幅増収であった。新型コロナウイルス感染症のパンデミック状況から、移動制限のない2022年の新型コロナウイルス感染症流行状況への移行、公共スペースの開放、雇用と教育部門の正常化、これらすべてが売上高と収益の増加につながった。
最大の事業のチケット販売は前年より9,554億ルピア増加し前年比413%と大幅な伸びを示した。ツアー事業は前年より1,583億ルピア増加し前年比238%であった。ホテル事業は前年より1,774億ルピア増加し前年比444%であった。その他は前年より127億ルピアの増加であった。
出典: http://www.bayubuanagroup.com/Web/InvestorRelation/ViewPDF/?File=Annual-Report-2022.pdf
https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202304/abc94886e3_bc75ae838f.pdf
Panorama、2023年Q1売上前年比350%増加
インドネシアの上場旅行会社PT Panorama Sentrawisata Tbk(PANR)は2023年4月27日、ホームページで「観光業は回復しており、パノラマは第1四半期に8,320億ルピアの売上高を記録した。」と報じた。
2023年、観光セクターの業績は明るくなってきており、PANRは、第1四半期に8,320億ルピア前年同期比350%の売上増加を記録した。
売上への貢献は、国内外のインドネシア人観光客を扱うトラベル&レジャー事業が大半を占め、次にインドネシア、タイ、マレーシアで休暇を過ごす外国人観光客を扱うインバウンド事業が続く。2023年の第1四半期に、PANRはインドネシアおよび海外を目的地とする国内外の観光客を合わせて10万人以上扱ったとのこと。
出典:https://www.panorama-sentrawisata.com/news/single/31
PDES、パンデミック前に戻りつつある尼市場
インドネシアの上場旅行会社PT Destinasi Tirta Nusantara Tbk(PDES)が2023年8月4日にインドネシアの旅行状況についてメッセージを発した。
まず、7 月はパンデミック前とほぼ同じ数のお客様をお迎えすることができ、この画期的な成果でトレンドが同じ方向に進み続けるという明るい兆しであると受け止められている。8月の航空運賃の値上げにもかかわらず、夏の終わりに向けて到着者数は堅調に推移すると予測されている。
インドネシア政府は現在、国の主要な観光スポットの一つであるボロブドゥールに焦点を当て、国際観光客の数を増やすことに取り組んでおり、2023年12月末までに約200万人の観光客がこの世界最大の仏教寺院を訪れることが見込まれている。
出典: https://www.panorama-destination.com/dtn-news/destination-indonesia-tourism-update/
Traveloka、観光業回復促進トラベルフェア開催
インドネシアのe-コマース旅行会社Travelokaが2023年6月1日、ホームページで、国内および海外の観光業の回復を促進する旅行ソリューションとしてTravelokaトラベルフェアーを開催することを報じた。
運輸省のデータによると2022年を通じて国際線の乗客数は1,187万人で世界の旅客移動の回復率は33%となった。さらに、Google の「2022 年検索年」レポートでは、2022年を通じて海外休暇に対するインドネシア人の関心が3倍に増加していることが示され、Travelokaの内部データでも、2023年上半期に国内および海外の目的地の検索数が3倍に増加している。旅行市場の変化をさらに促進するため、Travelokaはトラベルフェアを開催するということ。
HIS、JRパス在庫常備で即日渡し可能
日系の旅行会社HIS Indonesiaは2023年3月8日、フェースブックでJRパスの紹介をした。
「日本の旅行が好きな人なら、JRパスをよく知っているはずです。 日本各地を旅行するのに最適で経済的な交通手段の1つです。HISトラベルには、すぐに受け取れるJRパスの在庫が常にあるため、どこで購入すればよいか迷う必要はありません。トラベルメイトならすぐに受け取ることができます。何を待っていますか? さあ、今すぐ注文してください!」とメッセージを発している。
また、JRパスには、行先に応じて、全国パス、西日本関西エリアパス、西日本山陽エリアパス、九州レールパス、北海道レールパス、オール四国レールパス、東海パスの7種類があることも紹介している。
出典: https://www.facebook.com/230989243756243/posts/2108980109290471/
2021年 インドネシアの旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
Traveloka、イノベーションでユーザー数取り戻し〜旅行業界動向〜
インドネシアでデジタルベースの旅行とライフスタイルサービスを提供するTravelokaは、ホームページで2020年を振り返った。
2020年3月以降、travelokaプラットフォームの1日のユーザー数は70%減少し、払い戻しリクエストが10倍に増加した。
一方、テクノロジーイノベーションとして2020年6月15日から「OnlineXperience:ユーザーが家族と一緒に家で自由な時間を楽しめるように設計された100を超えるユニークなセッション」を提供し始めた。同社が展開した「Traveloka Eats Delivery:料理配達サービス」、「Traveloka COVID-19 Test:PCR検査サービス」といった取り組みが歓迎され、同年6月から2020年末までにユーザー数はほぼ100%増加したとのこと。
出典: https://press.traveloka.com/technology-based-innovations-keeps-traveloka-ahead-in-2020-welcoming-2021-with-optimism/
Bayu Buana、2019年の売上高は前年比115%〜旅行業界動向〜
インドネシア証券市場に上場する旅行会社PT Bayu Buana Tbk(BAYU)の2019年売上高は2兆4,063億ルピアで前年比115%と二桁増収であった。
観光省の発表によると2018年のインドネシアの観光業界の成長率は12.6%で世界平均の5.6%やASEAN平均の7.4%よりはるかに高く、この成長が増収の背景にあるとのこと。
セグメント別販売高は、①チケット販売部門:1兆6,685億ルピア(構成比:69%)、②ツアー部門:4,792億ルピア(構成比:20%)、③ホテル部門:2,080億ルピア(構成比:9%)、⑤その他:506億ルピア(構成比:2%)であった。デジタル化でチケット販売を中心に競争が激化しており、Bayu Buana Big Dataを活用した競争力強化を図っているとのこと。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/1b4072225d_6e2f84ed74.pdf
Panorama、2019年は前年比96%の減収〜旅行業界動向〜
インドネシアの証券市場に上場する旅行会社PT Panorama Sentrawisata Tbkの2019年の売上高は1兆9,512億ルピアで前年比96%と減収であった。
セグメントごとの売上高は、①旅行・レジャー部門:1兆3,922億ルピア(前年比:98%/構成比:71%)②インバウンド部門:4,619億ルピア(前年比:90%/構成比:24%)、③メディア部門:259億ルピア(前年比:91%/構成比:1%)、④その他:712億ルピアであった。
旅行・レジャー部門は飛行機のチケットとツアー製品の売上が増加したため、減収を最小限に抑えることができた。インバウンド部門は、2018年に起こった自然災害で2019年の予約が大量にキャンセルされた落ち込みをカバーしきれなかったとのこと。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202007/9d5896ef29_67e622bdeb.pdf
Sona、2019年は中国人観光客の減少で減収〜旅行業界動向〜
インドネシアの証券市場に上場する旅行会社PT Sona Topas Tourism Industry Tbk(SONA)の2019年の売上高は1兆7,488億ルピアで前年比88%と減収であった。
セグメント別の売上高は、①免税店:1兆5,229億ルピア(前年比:86%/構成比:87%)、②小売店:2,253億ルピア(前年比:115%/構成比:13%)、③旅行:5億ルピア(前年比:104%)であった。
免税店セグメントの売上が前年割れとなったのは、相対的に来店客数が減少したことが原因で、とりわけ中国人客の減少が大きく影響している。一方、小売店セグメントが増収となったのは、2019年に新規出店したためである。旅行部門の売上規模はまだ小さいが、チケットの販売が順調に増加している。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/315ba36fb7_357e4bd433.pdf
Panorama Destination、2019年は減収〜旅行業界動向〜
インドネシアの証券市場に上場する旅行会社PT Destinasi Tirta Nusantara Tbk(PDES)の2019年の売上高は、4,619億ルピアで、前年比90%と減収であった。
2019年、インドネシア政府は外国人観光客の来訪目標を1,800万人としていたが、1,610万人に留まった。この要因はバリのアグン山の噴火のあと自然災害が起こりやすくなること、パルで地震と津波が起こったこと、そして国内のセキュリティーニュースなどが外国メディアによって広く報道されたためである。これらは確かにインドネシアへの外国人観光客数の減少に大きな影響を及ぼした。
さらに、2019年は大統領選挙に対する不安もインドネシアの観光地としての人気を低下させる要因の1つとなった。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/315ba36fb7_357e4bd433.pdf
2020年 インドネシアの旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
インドネシアのPanorama Destination、自動化の強化へ〜旅行業界動向〜
2019年8月2日、インドネシアの旅行会社PT PanoramaDestinationTbkは、ホームページでLemaxとのパートナーシップについて発表した。
Panorama Destinationは、Webベースのバックオフィスシステムをアップグレードするため、クロアチアのザグレブにあるLemaxのソフトウェアに切り替えた。これにより、オペレーションの自動化を強化、より多くの予約を効率的に処理、より迅速に見積もりと請求を行い、販売チャネルを拡大し最終的に収益を最大化する。また、サプライヤーへの問い合わせおよび確認プロセスを自動化することで、予約容量が10倍に増加すると予想されている。
実装は2020年5月に完了予定。なお、Lemaxソフトウェアは、6大陸50か国以上で120を超える顧客に使われている。
出典:http://www.panorama-destination.com/press-release/panorama-destination-announces-lemax-partnership/
インドネシアのSona Tourism、大幅な増収増益の理由とは?〜旅行業界動向〜
2019年6月24日、インドネシアの旅行会社PT.SonaTourism IndustryTbkで株主総会が開催され、2018年決算が承認された。
2018年の売上高は、1兆9,770億ルピア(約142億円)で前年比125%。純利益は、1,235億ルピアで前年比228%、大幅な増収増益であった。売上高のうち、1兆7,803億ルピア(全体の90%)は免税店での販売で前年比124%であった。
海外からインドネシアを訪問する観光客数は、2018年1,581万人で前年比113%。この観光客の増加が売り上げ増の大きな要因である。輸入ブランド品のみならず、観光客の関心が高い高品質のローカル製品にも力を入れている。銀製工芸品、バティック、木彫り、輸出品質のコーヒー、お茶、チョコレートなど。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/201904/a9edc1c1c9_b4e66c2fc4.pdf
インドネシアのTraveloka、西ジャワ政府とパートナーシップ締結〜旅行業界動向〜
インドネシアにおいて、インターネット上で旅行サービスを販売するTravelokaは2020年2月20日、ホームページで西ジャワ州政府と戦略的パートナーシップを結んだことを発表した。
2020年2月18日、西ジャワ州知事とTravelokaの共同創業者の間で、西ジャワ州政府が取り組んでいるシステムのデジタル化と観光部門の強化をTravelokaが支援するという覚書(MoU)に調印された。
これにより、西ジャワ州政府は公務員のオンライン出張手配を実施する最初の政府機関となる。出張手配のデジタル化で、プロセスの簡素化と透明化が期待されている。また、西ジャワ州が行う観光地開発やインフラ活性化の取り組みがTravelokaのプラットフォームを通じて観光客に伝わる効果が期待されている。
出典:https://press.traveloka.com/traveloka-west-java-provincial-government-establishes-strategic-partnership/
HISインドネシア、新ロゴへの期待とは?〜旅行業界動向〜
HISのインドネシア現地法人PT.HarumIndah Sari Tour & Travel(H.I.S. Travel Indonesia)は2019年11月27日、HISグループのロゴが変更されることを明らかにした。
HISでは創業以来ほぼ5〜7年ごとに会社のロゴを時代のトレンドに従って更新してきた。今回、HISグループが40周年を迎えるにあたりロゴが刷新された。今回のロゴ変更は10年ぶりである。
これまでのロゴはアルファベットが中心でアルファベットの文字に焦点が当てられていた。今回導入する新しいロゴは、未就学児など、文字が読めない人でも覚えてもらえるように、H、I、Sの3つの文字の背景に正方形と円形の影をつけている。HISでは新しいロゴが顧客に受け入れられることを望んでいる。
出典:https://www.his-travel.co.id/press-release/menuju-tahun-ke-40-his-travel-ubah-logo#
インドネシアのPanorama Sentrawisata、JTBとの合弁事業が柱〜旅行業界動向〜
インドネシアの旅行会社PT PanoramaSentrawisataTbkは2019年11月29日にパブリックエクスポーズを行った。
まず、4つの事業を紹介した。①インバウンド:PTDestinasiTiaraWisataTbk、②旅行とレジャー:PT Panorama JTB TourIndonesia、③メディア:PT Panorama Media、④輸送:PTWehaTransportasiTBKである。2017年にJTBと合弁で設立したPanoramaJTBは全国にすでに50店舗以上を展開している。
2019年第3四半期の売上高は1兆6,150億ルピア(約118億円)。内訳は、旅行とレジャーが85%、次にインバウンドが11%、メディアが1%、その他が3%という構成である。今後も事業拡大のために戦略的パートナーとのコラボを積極的に模索する方針とのこと。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/201911/ce92ccbea8_f3041a23c9.pdf
2019年 インドネシアの旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
インドネシアのTraveloka、ミシュランハラール店を紹介〜旅行業界動向〜
インドネシアの人口の80%以上がイスラム教徒。彼らにとって海外へ行く際には旅先でのハラールレストランの情報がとても重要である。インドネシアのユニコーン企業の一つであるツアープランのネット販売を手がけるtravelokaは2018年10月11日のブログにミシュランに認定されたハラールのレストランを5つ紹介している。
一つ目は、シンガポールにある「Bismillah Biryani」。二つ目はロンドンにある「Pollen Street Social」。三つ目はソウルにある「Chaegeundaam」。四つ目はニューヨークにある「Junoon」。最後は東京にある「ソラノイロ」。
ソラノイロは2015年から3年間連続でミシュランのビブグルマンを獲得しており、動物性素材を一切使用しない「ビーガンべジソバ」が看板メニュー。
トラベル&ツーリズム 2018を受賞したインドネシアの企業は?〜旅行業界動向〜
インドネシア旅行代理店Panorama Groupは2018年12月19日、ホームページに〈インドネシア・トラベル&ツーリズム 2018〉を受賞したニュースを掲載した。
パノラマグループは今回、インドネシア・リーディング・アウトバウンド旅行代理店賞をパノラマJTBが受賞し、インドネシア・リーディング観光バス会社賞をホワイトハウスが受賞したと発表。
〈インドネシア・トラベル&ツーリズム〉は2010年から毎年NGO組織ITTA FONDATION主催で行われており、2018年は12月10日にジャカルタのマリオットホテルで74部門に渡り各々ウイナーが表彰された。Panorama Groupは今回の受賞で観光企業としての地位を確立できたことを喜んでいる。
インドネシアのジャカルタMRT、いよいよ開通〜旅行業界動向〜
インドネシアの旅行代理店Destinasi Tirta Nusantaraは2019年3月22日ホームページにジャカルタMRTの記事を掲載した。ジャカルタMRTは、2019年3月24日にジョコウィ大統領を招いて中央ジャカルタのホテルインドネシアで開会式が行われ、一般公開される。
ジャカルタMRTはLebak Bulus駅からホテルインドネシアのあるBund HI駅までの16kmの間に13駅がある。MRTは当初1日65千人を輸送する計画だが2022年までには1日13万人が利用するようになると推測されている。
また、北部の地下鉄路線は2024年に操業を開始する予定で、建設が計画通り来年開始されれば、東西線も2026年までに開通することができる見通しだ。
インドネシアのWENDY TOUR、JAL特別運賃プロモーション〜旅行業界動向〜
インドネシアの旅行代理店WENDY TOURは、2019年4月1日、ホームページとフェイスブックの両方に、日本航空の特別料金を案内した。
ジャカルタ・デンパサール・ソロ・スマラン・ジョグジャカルタとスラバヤから日本の東京・大阪・名古屋と福岡へ日本航空の特別運賃を利用できるというもの。今回のキャンペーンでは、この特別運賃を「日本のおもてなし運賃」と謳っている。大人一人の往復運賃は最安値430万ルピア(約3万4千円)からスタートする。
チケットの販売期間は2019年4月1日~5月31日まで。また、チケットの利用期間は4月1日~11月30日まで有効。WENDY TOURは日本航空の特別運賃を活用して日本で休暇を過ごす計画を立てようと呼びかけている。
2018年 インドネシアの旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
インドネシアのPanorama、2017年の好業績を維持できるか〜旅行業界動向〜
Panorama Sentrawisata が公表した2017年度の業績によれば、純利益は5億1000万ルピアとなり、前年度と比較して14%増加した。インドネシアでは同年の外国人観光客が前年比で22%増加しており、今後も引き続き大きな成長が見込まれる。このような背景から、同社は2018年の成長目標を前年比20%としている。
インドネシアの観光需要が高まる中で、Panorama は他社との協業などを通して増収のための様々な戦略を実施してきた。例えば、JTB Corperation と協力して、インドネシア市場の開拓を進め、またASEANにおける事業ネットワークの拡大にも成功してきた。今後は、このネットワークを活用して、ASEAN市場の開拓をさらに進めるとしている。
インドネシアのASITA、日本からの観光客数を増やすために〜旅行業界動向〜
ASITA(Association of the Indonesian Tours and Travel Agencies)はインドネシアの旅行会社協会であり、インドネシアにおける旅行サービス分野の起業家やビジネス関係者によって組織されている。
日本はインドネシア人にとって魅力的な観光地のひとつであるが、ASITA は日本からインドネシアへの観光客数を増やすため様々な努力を行っている。 同協会の会長 Asnawi Bahar氏は、ガルーダインドネシアとの間で相互協力関係の強化について再確認するとともに、秋田県湯沢市長と面会し、日本からインドネシアの都市への観光客を増やすため、同市と協力していく施策について話し合った。
H.I.S.インドネシア、 ヨーロッパ旅行に特化の支店を開設
H.I.S.がジャカルタにオフイスを構え、インドネシアに進出したのは2009年。同社はこの度、ジャカルタのガンダリア・シティ・モールに、ヨーロッパ旅行を専門に扱う支店を開設することを発表した。オフィス面積は100㎡以上の広さで、H.I.S.がインドネシアに構える24の支店の中でも最大のとなる。
この背景には、インドネシア人の海外旅行数増加がある。H.I.S. の担当者は「ヨーロッパ旅行を専門的に扱う支店ができることによって、市場で一般的に提供されている旅行プランとは異なった、個人・グループを対象とするプライベート旅行の企画のようなサービスが提供可能になる」とコメントした。
インドネシアのSabre、日本旅行博2018で公式予約・発券システム受注〜旅行業界動向〜
Sabre Indonesia は、インドネシアにおける旅行システムのシェア67%以上を占める、大手システムプロバイダーである。同社は、1995年に設立された Abacus Distribution Systems 社を前身とし、2015年に Sabre に買収された。
2018年3月9日から11日の3日間、ジャカルタのモール・コタ・カサブランカにて、ジャパン・トラベル・フェア2018が開催された。このイベントは日本観光機構(JNTO)が主催するものである。
Sabre Indonesia はこのイベントで公式GDSに選ばれた。これにより同社は、日本行き旅行における航空券やホテルの手配、ツアー企画などを全面的にサポートする。同社は、ジャパン・トラベル・フェアが開催されて以来、これまでに9度GDSに選出されている。
まとめ:インドネシアの旅行業界
インドネシアの旅行業界は急速な成長を遂げており、2023年の動向を見ると、上場旅行会社Bayu Buanaは前年比366%の大幅増収を達成し、特にチケット販売が413%、ツアー事業が238%の伸びを示しました。同様に、Panoramaも2023年Q1に前年比350%の売上増加を達成し、国内外の観光客を惹きつけています。PDESもパンデミック前の水準に回復しつつあり、観光客の増加が期待されています。Travelokaは観光業回復を促進するためにトラベルフェアを開催し、HIS IndonesiaはJRパスを即日渡し可能として日本旅行愛好者にアピールしています。
これらの動きにより、インドネシアは日本との提携や外資系企業との連携により、ますます親しみやすく魅力的な観光地となっています。また日本だけでなく外資系企業の旅行代理店との連携によりヨーロッパ各国からの旅行客も増やしていく動きがみられています。
ジャカルタ在住のインドネシア人。観光ガイドと通訳者を務め、インドネシアの観光地を日本語で案内している。日本語学科の大学を卒業し、邦人対応観光ガイド・国際イベントでの日本代表団担当連絡係員・通訳者・日本領事事務所長の地元アシスタントを経験。