ベトナムのホテル業界は大きな変革の波に乗っています。ゲンティン・マレーシアが運営するリゾート・ワールド・ゲンティン(RWG)のクロックフォーズが、Forbes Travel Guideから5年連続で最も優れた5つ星ホテルの1つに認定されました。また、サンウェイ社は2022年に稼働率が50%に上昇し、非接触型チェックインやキーレスルームエントリーなどのスマートテクノロジーが導入されるなど、先進的な取り組みが増加しています。
一方で、パンデミックの影響でホテル業界は大きな挑戦に直面し、多くの従業員が他の産業に転職しました。しかし、現在では客室清掃や飲食エリアなどの重要なポジションで人手不足が深刻化しており、外国人労働者の雇用が不可欠となっています。
今回は、そんなマレーシアのホテル業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
さらに、この記事の途中では、業界地図のダウンロードが可能です。現地在住の調査員が厳選した情報が詰まった業界地図で、ホテル業界の最新のトレンドや展望をひと目で把握できます。是非、業界の最前線を知りたい方は業界地図をダウンロードして、未来の投資やビジネス展望にお役立てください。
読了時間の目安:5分
2023年 マレーシアのホテル(エンタメ・IT・個人サービス)業界
マレーシアの誇るホテル、リゾート・ワールド・ゲンティンのクロックフォーズがForbesのトップ5つ星ホテルに輝く
ゲンティン・マレーシアが運営するリゾート・ワールド・ゲンティン(RWG)のクロックフォーズは、フォーブス・トラベル・ガイドから世界で最も優れた5つ星ホテルの1つとして紹介され、5年連続でこの賞を受賞したことを発表した。
フォーブス・トラベル・ガイドのスター・アワードでは、2023年に世界1,376のホテルがランク付けされ、RWGのゲンティン・グランドはフォーブスの4つ星ホテルに、ハイランズ・ホテルは推奨ホテルに選ばれた。
ゲンティン・マレーシアのホテル運営担当副社長であるデビッド・レオン・ミン・サム氏は、現在、クロックフォーズはサービスとラグジュアリーなホスピタリティにおいて、マレーシア国内で他の追随を許さない存在になっていると述べている。
2022年、サンウェイのホテルで見る未来:スマートテクノロジーと持続可能な変化
マレーシアの大手コングロマリット企業であるサンウェイのホスピタリティ部門は、マレーシアとカンボジア、ベトナムで3つ星、4つ星、5つ星のホテルとリゾートを所有及び管理しており、累計で 3,717 室の客室とスイート、ヴィラを提供している。
同社ホテルの2021年度における平均稼働率は24%だったが、2022年度は50%に上昇。また、同年度には非接触型チェックイン、キーレスルームエントリー、スマートアプリ導入といったホテルの客室へスマートテクノロジーが導入された。
他にも、同年度にはホテルの使い捨てシャンプーやコンディショナー、ボディジェルをポンプ式ディスペンサー付きの詰め替え用大型ボトルに、プラスチック製の水ボトルを環境に優しいガラス製の水ボトルに交換した。さらに、世界イスラーム会議やムエタイ国際大会など、国内外の様々な注目イベントを誘致した。
出典:https://ir2.chartnexus.com/sunway/doc/annual-report/iar2022.pdf
フォーシーズンズ・ホテル・クアラルンプールがアジアのベスト・バー50での36位ランクインに輝く
フォーシーズンズ・ホテル・クアラルンプールのバー・トリゴナは、「アジアのベスト・バー50」で36位にランクインし、4年連続の受賞を果たしたことを発表。他にも、マレーシアのバー6軒がトップ100にランクインした。
この受賞を祝うため、2023年8月20日から9月20日まで、バー・トリゴナは「バー・オブ・マレーシア」を開催、カクテル・クリエーターの才能を紹介するとした。このユニークなコラボレーション・イベントでは、クアラルンプールのトップ・バーが一堂に会するものとなっている。
本コラボレーション・イベントのスポンサーは、世界的に有名なコニャック・ファイン・シャンパーニュの生産者で、「アジアのベスト・バー50」の公式コニャック・パートナーであるレミーマルタンである。
出典:https://press.fourseasons.com/kualalumpur/hotel-news/2023/bars-of-malaysia-promotion/
ホテル部門の挑戦:外国人労働者の人手不足と雇用申請の課題
マレーシアホテル協会(MAH)は、人的資源大臣が2023年1月17日に発表した報道声明において、重要部門における外国人労働者雇用の申請・承認プロセスを迅速化する計画を発表したものの、ホテル業界が含まれていないことにマレーシアホテルオーナー協会(MAHO)、マレーシアバジェット&ビジネスホテル協会(MyBHA)と共に失望を示した。
パンデミック以前、ホテル部門は毎年、観光収入で常にトップ3にランクされ、観光産業全体の雇用でもトップ5に入っていた。ただ、ホテルはパンデミック時に最も大きな打撃を受けた部門の一つであり、ホスピタリティ産業から多くの従業員が解雇され、他の産業に引き抜かれた。
だが、現在は客室清掃や飲食エリアなどの重要なポジションで深刻な人手不足に直面しており、事業を継続するために外国人労働者の雇用に頼らざるを得なくなっている。つまり、当該業界は外国人労働者の雇用に大きく依存しており、外国人労働者の雇用申請がいかに早く処理され、承認されることが重要であるとしている。
2023年の注目イベント:ハードロック・ホテル・ペナンが主催するロック・トゥ・ロック・ランが地元団体に5万リンギットの支援を実現
ハードロック・ホテル・ペナンは、2023年6月18日に9回目となるレース、「ロック・トゥ・ロック・ラン2023」を開催することで、地元コミュニティへのコミットメントを強化していることを発表した。
このチャリティ・ランには2,023名が参加し、2017年にペナン州政府が設立した非営利団体のムティアラ・フード・バンク向けに5万リンギットを集めた。この団体は、余剰食品を回収し、恵まれない人々に配給することで食品廃棄に取り組むと同時に、飢餓を減らす活動をしている。
ロック・トゥ・ロック・ランは、地域社会への還元というシンプルな目標の下、2010年に開始した年2回のチャリティ・ランとなっており、これまでにルマ・セリ・カハヤやクリスタル・ファミリー・ホーム&障害者リハビリテーション協会、アジア・コミュニティ・サービス・ステップストーン・センター、「命の救急車プロジェクト」などの非営利団体を支援してきた実績を持つ。
出典:https://www.hardrockhotels.com/penang/rock-to-rock-run-2023.aspx
2021年 マレーシアのホテル(エンタメ・IT・個人サービス)業界
マレーシアでパークインバイラディソンプトラジャヤ開業〜ホテル業界動向〜
世界最大級のホテルグループの1つであるラディソンホテルグループは、2020年10月1日にパークインバイラディソンプトラジャヤを開業したことを発表した。
新しいホテルは、行政都市プトラジャヤまで車で20分、クアラルンプル―ルまで30分、KLIAまで20分の距離に立地している。ホテルは全220室あり、無料WiFiと各国対応の電源コンセント、そしてUSBを完備する。
同社の東南アジア・太平洋地域担当副社長は「マレーシアで初めてパークインバイラディソンを開業できたことを嬉しく思う。また、これはマレーシアにおけるラディソンホテルグループの新しい時代の幕開けであり、今後も業界をリードするブランドやホテルを展開していく」としている。
出典:https://www.radissonhotels.com/en-us/corporate/media/press-releases/park-inn-debuts-in-malaysia
マレーシアのサンウェイがMFAR取得〜ホテル業界動向〜
サンウェイ・ホテルズ&リゾーツは、2020年にイスラーム観光センターのムスリムフレンドリーな宿泊施設認定(MFAR)プログラムへ申請を行い、「サンウェイ・リゾート」、「サンウェイ・ピラミッド・ホテル」、「サンウェイ・クリオ・ホテル」が認定を受けた。
同社シニア・ジェネラル・マネージャーのアレックス・カスタルディ氏は、ムスリムフレンドリーな観光は成長市場であると認識しており、3つのホテルの25%は中東からの観光客であると述べた。
また、同氏はイスラーム教徒向け商品とサービス強化を継続するとし、その一つとしてフロントオフィスのスタッフにアラビア語のコミュニケーショントレーニングを行っている。
出典:https://itc.gov.my/sunway-hotels-resorts-strengthens-muslim-friendly-hospitality-with-mfar-recognition/
フォーシーズンズホテルがマレーシアの現地農場と提携〜ホテル業界動向〜
フォーシーズンズホテル・クアラルンプールのバートリゴナは、カクテルへの情熱と現地の森林を再生する取り組みを融合させた長期計画プロジェクト「A Tree Today, A Forest Tomorrow」を開始した。
プロジェクトでは、4種類のカクテルを注文すると、現地農園で成長が早く、数年で実を付けるマンゴーや柑橘類を中心とした果物の木を植えるために5リンギットが使用される。
また、本目標達成に向け、チョコレートコンシェルジュを運営するオン氏と提携する。同氏は本収益を種の買付と植付、農場確保に使用する。2022年までに毎年最低500本の木を植えることを目標としており、さらに植付や手入れ、養蜂家の育成など、地域社会に雇用機会を提供することも目指している。
出典:https://press.fourseasons.com/kualalumpur/hotel-news/2020/tree-planting-and-forest-restoration-program/
マレーシアのターラスビーチ&スパリゾートが無料フライト〜ホテル業界動向〜
ベルジャヤホテルズ&リゾーツ傘下のザ・ターラスビーチ&スパリゾートは、2020年11月1日~2021年2月28日まで滞在する宿泊客に対して、ベルジャヤ・エアが運航するフライトを無料で提供すると発表した。
ホテルはマレーシアの東海岸に位置しており、スバン空港からレダン島への移動を考慮すると、2泊~4泊が必要となる。料金は3,600リンギットからとなっている。
直行便では、移動時間を4時間から約1時間へ大幅に短縮することができ、さらに、スバン空港のスカイラウンジの利用と飲料提供、そして一人当たり15kgの受託手荷物と7kgの機内持ち込み手荷物、機内での飲料サービスなどの特典を享受することができる。
出典:https://www.thetaaras.com/press-release/the-taaras-beach-spa-resort-offers-complimentary-flight-to-redang-island
マレーシアで移動制限中のホテル稼働率、州で差が〜ホテル業界動向〜
マレーシアホテル協会は、COVID-19パンデミックの影響によって、国内の平均客室稼働率は21.5%であったと発表した。
2020年7月の平均客室稼働率が高かった州としては、トレンガヌ州が70%、ケランタン州が75%で、国内観光の回復を示していた。同協会のヤップ・リップ・セン会長は、これら都市の高い稼働率は、学校再開前の週末を利用した現地の人々の一時的且つ季節的なものであるとしている。対して、クアラルンプルやセランゴール、ジョホール、サバ、ケダ、ベルリスなどの主要都市での平均稼働率は12~20%程度と低い水準にとどまっている。
また、同協会は2020年7月初めにホテル向け衛生・安全認証プログラム「Clean & Safe Malaysia」を開始した。
出典:https://www.hotels.org.my/press/64606-hotel-occupancy-rate-during-rmco-recovering-but-still-critical
2020年 マレーシアのホテル(エンタメ・IT・個人サービス)業界
マレーシアのTHホテル、政府系SPCへ移管〜ホテル業界動向〜
2020年2月18日、政府巡礼基金のタブンハジ(TH)は、傘下のTHホテルアンドレジデンス(THHR)が運営する4つのホテルを、財務省の特別目的会社であるウルサルタジャマ(UJ)に移管したことを発表した。ホテルは、UJの完全子会社であるUJプロパティ・マネジメントの下で引き続き運営される。
コタキナバルとペナン、アロースター、クアラトレンガヌに所有するホテルは、2020年4月1日よりライアホテルと改名される。THHRの従業員は解雇されず、約90%は引き続きライアホテルで働き、残りの約10%はTHHRケラナジャヤへ移籍する。
本買収はTHの再編計画の一つであり、UJは所有権譲渡完了のため196億リンギット相当のスクークを発行し、3億リンギットを現金で支払った。
出典:https://www.tabunghaji.gov.my/ms/kenyataan-akhbar/tue-02182020-1200/operasi-rangkaian-hotel-tabung-haji-diteruskan-di-bawah
マレーシア政府、ホテル業界の質向上へ
マレーシア政府は、人材開発基金及びマレーシアホテル協会と共同でホテル業界向け産業スキルフレームワーク(IndSF)をローンチし、ホテル業界におけるトレーニングの質向上を目指す。
このフレームワークは、3,000万人の観光客を目標とする『ビジット・マレーシア2020』を支援するものであり、個人と雇用主、トレーニングプロバイダーのスキル向上を指導する。フレームワークでは業界で必要とされる共通のリファレンスを提供し、雇用主が適切なスキル投資をできるようにする。
現在、ホテル業界の雇用者1,672人、従業員120,542人が人材開発基金に登録されている。また、74.2%が中小企業であり、25.8%が大企業となっている。
出典:http://www.hotels.org.my/press/90338-hrdf-launches-framework-to-enhance-the-quality-of-training-for-the-hotel-industry
マレーシア・クアラルンプール国際空港近くにホリデイイン開業計画〜ホテル業界動向〜
2019年7月3日、イギリスに本部を置く多国籍ホテルグループのインターコンチネンタルホテルズグループは、クアラルンプール国際空港近くに建設しているホリデーインセパンについて、不動産開発のキエンタ社傘下のワリサンシティデベロップメントと管理契約を締結したと発表した。
同ホテルは空港から車で15分の距離にあり、乗り継ぎ客と航空会社の乗組員にとって理想的な立地となっている。また、サーキット来場者、KLIAを活用する企業や工業地帯、そしてデジタル自由貿易圏で地域物流ハブとして活用する中小企業がある。
ホテルは2021年開業予定としており、250室の客室を備える。カフェやレストランの他にも、最新の会議室、また最大400人が収容可能な大広間を持つ。
出典:https://www.ihgplc.com/en/news-and-media/news-releases/2019/ihg-to-open-newbuild-holiday-inn-in-sepang-malaysia
マレーシアホテル業界、STRのデータ活用へ
データベンチマークおよび分析を専門とするSTRは、マレーシアホテル協会(MAH)と提携。STRのホテルデータプラットフォームがMAH会員に拡張されると発表した。STRのデータサンプル数は、世界62,000超のホテル、830万超の客室を含んでいる。
MAHのサム・チャー会長は、会員であるホテルがビジネス上の意思決定の際にSTRのプラットフォームとレポートを活用し、より包括的なホスピタリティー戦略を策定することができるとしている。
また、2018年の8ヶ月間においてマレーシアの客室稼働率は0.2%下がって66.4%となり、平均客室単価も1.3%減となる359.09リンギットであった。結果、販売可能な客室1室あたりの収益は1.5%減となる238.42リンギットへ落ち込んだ。
出典:https://str.com/article/str-mah-partner-advance-data-benchmarking-malaysian-hotels
ヒルトンがマレーシアのホームレス支援で提携〜ホテル業界動向〜
2019年11月26日の発表によると、世界有数のホスピタリティ企業であるヒルトンは、東南アジアでの100周年記念式典の一環として、非政府組織であるストリート・フィーダーズ・オブ・クアラルンプールとホームレス及び都市部の貧困層へのホスピタリティの拡大のためのパートナーシップを発表した。
ヒルトンはマレーシア首都圏のホームレス向けに、食品や水、石鹸などの生活必需品と現地学生による手書きの励ましメッセージをまとめた350セットのケアパッケージを配布した。ストリート・フィーダーズとKL市内にある6つのヒルトンホテルから100名以上がボランティアとして参加した。
同社は、同活動を通じてホテルが運営するコミュニティにプラスの影響を与えることを目指している。
出典:https://newsroom.hilton.com/hilton/news/hilton-partners-with-street-feeders-to-help-homeless-in-kuala-lumpur
2019年 マレーシアのホテル(エンタメ・IT・個人サービス)業界
クロックフォーズホテル、マレーシア内唯一の5つ星〜ホテル業界動向〜
ラグジュアリーサービスを特徴とするリゾートワールドゲンティンのクロックフォーズホテルは、2017年後半に開業した。海抜6,000フィートの雲に包まれ、優雅なロンドンの大邸宅の雰囲気を醸し出している。
2019年2月20日にニューヨークで発表された2019年フォーブストラベルガイドでは、同ホテルは最も権威ある5つ星を獲得した。世界中で210のホテルがこの栄誉ある賞を受賞し、マレーシアでの受賞は同ホテルのみとなっている。
クロックフォーズホテルには、111室のスーペリアルーム、8室のジュニアスイート、18室のシグネチャースイート、3つのエグゼクティブスイートがあり、ボタンを押すだけで簡単に快適さを得られる最新技術を導入している。
マレーシアにフォーシーズンズホテル新規開業〜ホテル業界動向〜
2018年7月1日、超高層ビルであるペトロナスツインタワーに隣接したロケーションに、フォーシーズンズホテルクアラルンプールが新規開業を発表した。
ゴールデントライアングルの中心に位置する地上65階建てのホテルは、滞在者がホテルで食事や買い物、娯楽等を楽しむことできる。
209室の客室とスイートルームを備え、長期滞在を希望する宿泊者へはサービスアパートメントとフォーシーズンズプライベートレジデンスがある。また、ホテルには6軒のレストランとラウンジ、屋外プール、スパ、フィットネスセンターを完備している。
トラベロッジ、マレーシア・ジョージタウンにホテル開業〜ホテル業界動向〜
トラベロッジホテルアジアは、2018年第3四半期にクアラルンプールに開業したトラベロッジセントラルマーケットとトラベロッジブキッビンタンに続き、マレーシアで3つめとなるトラベロッジジョージタウンを開業すると2019年2月25日に発表した。
トラベロッジジョージタウンは、 ペナン国際空港から車で30分の距離で、ジョージタウンにあるユネスコ世界遺産のマカリスターロードに位置している。同ホテルは現代の旅行者のニーズに合わせ、スタンダード、スーペリア、デラックスルームを提供する。
また、同社はイポーに国内4つめとなるホテルを2019年第3四半期に開業する予定としており、コタキナバル、マラッカ、クチン、ジョホールバルも検討している。
マリオット傘下でマレーシアにWクアラルンプールが開業〜ホテル業界動向〜
マリオットホテル傘下であるWホテルワールドワイドは、Wクアラルンプールの開業を発表した。Wはニューヨークで誕生し、世界中で50以上のホテルを展開している。
トロピカーナコーポレーションが所有するこのホテルはペトロナスツインタワーから徒歩圏にあり、大胆で革新的なデザインとなっている。ホテルは150室のスタイリッシュなゲストルームとスイートルームを持つ。
エクストリームWOWスイートは520平方メートルのリビングルームを有しており、全室とも伝統的要素と現代的要素の両方を取り入れている。ホテル内には6つのレストランやスパ、フィットネスセンターを完備している。
2018年 マレーシアのホテル(エンタメ・IT・個人サービス)業界
M101、「モノポリー」をテーマにしたホテルで差別化、マレーシア・クアラルンプール市〜ホテル業界動向〜
M101 Holdings は2012年に創業、クアラルンプール市を中心に持続可能なプロジェクトを建設・投資するために設立。「Built To Stay」というコンセプトで、建設された物件の永続的な価値提供をポリシーとしている。
同社は、モノポリーのライセンスを所有する玩具メーカーの Hasbro社とライセンス許諾契約を締結、モノポリーをテーマとしたホテル開発を発表した。この案件は M101 Bukit Bintang と呼ばれる複合開発の一角であり、ホテルの他にSoHoや店舗区画で構成される。GDV(総開発値)は2.8億リンギット。2年前から建設を開始しており、管理・運営を行う Siroccoホスピタリティーグループへ今年末に引渡し予定。
同社は M101 Skywheel や M101 Bukit Bintang など3つのプロジェクトを立ち上げており、GDVは26億リンギット。M101 Skywheelのプロジェクト完了は2022年の予定。
マレーシア政府系投資ファンドのPNB、高層タワーにHYATTと入居契約〜ホテル業界動向〜
PNB(ペルモダラン・ナショナル)は、1978年に設立されたマレーア政府系投資機関。マレーシアを代表するコングロマリッド企業であるSime Darby、アセアン最大の商業銀行 Maybank など多くの企業に資本参加している。
同社が開発中のPNB118タワーは、世界で3番目、東南アジア域内で最も高層のタワー(118階) となり、2020年に完成予定。HYATT関連会社はホテル運営会社として、PNB 傘下の PNB Merdeka Ventures と契約を締結している。
クアラルンプール初となる Park Hyatt Hotel は、ハイエンドなホテルとして2021年開業予定。PNB118タワーの17フロアーを占有し、客室はスイートルーム28室、居住用アパート30室を含む全232室となる。
マレーシアのホテル建設数、前年比で増加〜ホテル業界動向〜
マレーシア財務省傘下の資産評価・不動産サービス局が発表した「Property Stock Report 2017」によると、2016年には国内で23ホテル (3,713室) が建設を完了したが、2017年は30ホテル (5,777室) へと大幅に増加。最大の割合となったのはジョホール州で、全体の21.3%を占めた。
2017年時点でのホテル総数は3,126 (246,564室) で、これに関してもジョホール州が433ホテルで最多、部屋数ではクアラルンプール市が39,230室で最多となっている。全体の76.4%は都市部に位置しており、ビーチ (14.9%) 、高原 (3.3%) が続いている。
2017年に20ホテル (4,677室) の建設が始まり、前年比で111.4%の増加。ジョホール州が4ホテル (1,551室) で最多、ペナン州4ホテル(1,139室) 、クアラルンプール市3ホテル (1,078室) 、ペラ州3ホテル (105室) となっている。
マレーシア旅行業者協会、外国人宿泊者への観光税の廃止を訴え〜ホテル業界動向〜
2017年9月1日以降、マレーシア政府は滞在中の外国人に対して、ホテル宿泊1泊につきRM10を課す観光税を導入している。マレーシア旅行業者代理店協会は財務省に対して、この観光税の税率の見直しまたは廃止を訴えている。
2017年のアセアン諸国内の観光客数は、タイ (7.8%) 、シンガポール (6.2%) 、フィリピン (11%) でプラス成長を記録したが、マレーシアは前年比で3%減少 (2016年:2,676万人、2017年:2,595万人) しており、観光税の導入もその一因ではないかと同協会は主張している。
まとめ:マレーシアのホテル業界
都市にあるホテルの数は多く、顧客獲得が難しいマレーシア国内。どのように差別化を図るかが重要視されているなかで玩具業界とコラボレーションしたホテルは話題性もあり他とは異なる形態は差別化も実現しています。今後都市部以外のホテル建設はどのように進んでいくのでしょうか?
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。