電力自由化が進んでおり、効率的な発電と電気供給に向けた取り組みにも各社が力を注いでいるシンガポール。
今回は、そんなシンガポールの電力・ガス業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
読了時間の目安:5分
2023年 シンガポールの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
City-OG Gas、ネットゼロ向け新サービス開始
シンガポールの都市ガス会社City Energy Pte Ltdと大阪ガスの合弁会社City-OG Gas Energy Services Pte Ltd(City-OG)が2023年5月10日、「ネットゼロの未来に備えるための新サービスの開始」を発表した。
City-OG設立10周年を迎え、太陽光発電、蒸気発電、コージェネレーションなどの持続可能なクリーンエネルギーソリューションを計画。まず、顧客が多額の先行投資なしでカーボンフリーの太陽エネルギーのメリットを享受できるサービスとして、太陽光発電のリースを開始する。
企業はカスタマイズされた太陽光発電システムを屋上に設置して電気代を削減、City-OGは、設置、運用、メンテナンスを管理、顧客は発電および使用した太陽光発電の料金を支払うスキーム。
AG&P、フィリピン国立工科大学と人材育成
シンガポールに本社を置き、LNG下流事業およびインフラ開発を行うAG&P International Pte Ltd(AG&P)が2023年3月23日、フィリピン国立工科大学(NEU)およびTESDA(技術教育開発省)と提携したことを発表した。
フィリピンでは急速にLNG施設と天然ガス火力発電所への転換が進んでおり、国内に多数の新たな雇用が生まれている一方でガスに関する専門知識を持つ人材育成が喫緊の課題となっている。
そのため、AG&Pはフィリピンの国家能力構築支援プログラムのフラッグシップの下、MEUの学生とTESDAの受講生の雇用適性を高めるスキルアップ教育に関してNEUとフィリピン第2の経済地域カラバルソンのTESDAとMoAを締結した。
City Energy、Gentariと水素パイプライン検討
シンガポールのパイプ式都市ガス生産・小売業者のCity Energy Pte. Ltd.が2023年10月24日、マレーシアのクリーン・エネルギー・ソリューション・プロバイダーであるGentariとの間でマレーシアからシンガポールへの水素輸入のためのパイプラインを建設するための共同実現可能性調査契約を締結したことを明らかにした。
調査研究は12か月に渡って実施され、その後、両当事者はFEED (フロントエンドエンジニアリングデザイン) 契約の締結に関連する今後の方向性を決定することになっている。
水素は、2050年までに実質ゼロ排出を達成するというシンガポールの目標にとって鍵となる。シンガポール政府は2022年 10月に主要な脱炭素化経路として国家水素戦略を発表した。
SP、家庭用デマンドレスポンスプログラム導入
シンガポールで電力供給を行うSP Group(SP)が2023年10月24日、エネルギー市場庁(EMA)とSPが、スマートメーターを備えた家庭が電力システムの需要ピーク時の電力消費量を積極的に削減できるようにするため、家庭用デマンドレスポンス(R-DR)プログラムを試験的に導入することを明らかにした。
2024年下半期までの開始を目標としたこの実験は、シンガポール初の試み。
システムのピーク需要は今後5年間で最大6.5%の年複合成長率で増加すると予測されているが、ピーク需要期間中の電力消費量を一時的に削減することで、電力システムの維持に役立つ。 供給側に加えて需要側のリソースを利用して電力の需給のバランスをとることで、より効率的に稼働する。
YTL Power Surya、初のマレーシア電力輸入
マレーシアに本社を置く国際的な複合公益事業のオーナー兼運営会社YTL Power International Berhadのシンガポール現法のYTL Power Serayaが2023年1月30日、YTL Power SerayaとTNB Gencoが協力してマレーシアからシンガポールに100MWの電力を輸入することを明らかにした。
TNB Gencoはマレーシアの国営電力会社Tenaga Nasional Berhadの完全子会社。
2020年12月に発表されたマレーシアと隣国間の国境を越えた電力供給を促進するためのマレーシアエネルギー委員会の「国境を越えた電力販売」(CBES)に関するガイドに従い、ASEAN送電網ビジョン実現に向けて、マレーシアからシンガポールに商業ベースで電力が供給されるのはこれが初めてとなる。
出典:https://www.ytlpowerinternational.com/about-us/about-ytl-power-international/
2021年 シンガポールの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
シンガポールのEMA、SembcorpをLNG輸入業者に任命〜電力・ガス業界動向〜
2021年3月25日、Sembcorp Industries(Sembcorp)の完全所有子会社であるSembcorp Fuels(Singapore)が、エネルギー市場監督庁(EMA)によって、シンガポールの新しい液化天然ガス(LNG)輸入業者として任命された。
同社は再ガス化されたLNGを輸入して顧客に販売する。Sembcorpは、シンガポールで最初の天然ガスの商業輸入業者であり、過去20年間にわたって、ガスの輸入と小売のコア機能を構築してきた。
今後、Sembcorpは再生可能エネルギーへの取り組みを拡大しながら、天然ガスが化石燃料の中で最もクリーンな形態として主要なエネルギー源であり続けるシンガポールの顧客に、持続可能で競争力のある信頼性の高いエネルギーとして提供する。
出典:https://www.sembcorp.com/en/media/media-releases/energy/2021/march/sembcorp-appointed-as-term-liquified-natural-gas-importer-for-singapore/
シンガポールのJTC、シェルと共同でソーラーファームを建設〜電力・ガス業界動向〜
2021年6月17日、JTCコーポレーション(JTC)はシェルシンガポールと共同でソーラーファームを建設することを発表した。シンガポール南部のセマカウランドフィル(シンガポールのセマカウ島の沖合の埋め立て地)の一部でソーラーファームの開発行う。国家環境庁(NEA)とエネルギー市場監督庁(EMA)が支援する拘束力のない覚書(MOU)を取り交わした。
このプロジェクトは、2030年までに太陽光発電の導入を少なくとも2GWpに増やすというシンガポール政府の目標に沿ったものである。
ソーラーファームは60haの面積を占め、少なくとも72MWpの容量があり、年間37,000トンのCO2排出量を削減すると予想されている。生成された電力は年間で最大17,500世帯に供給することができる。
出典:https://www.ema.gov.sg/media_release.aspx?news_sid=202106179AaPQza8aapa
シンガポールのKeppel、StarChargeとEV充電インフラ開発〜電力・ガス業界動向〜
2021年4月21日、Keppel Infrastructureは、完全子会社であるKeppelVolt Pte LtdとWanbangDigital Energy Pte Ltd(StarCharge)の間で覚書(MOU)を取り交わし、合弁事業を通じてシンガポールでEV充電インフラストラクチャの運用を行うと発表した。
これにより、シンガポールおよびアジア太平洋地域の選択された市場で新たなEV関連の機会を追求することになる。設立される合弁会社は、発電、充電ポイントのハードウェアの設計と展開、ソフトウェアプラットフォームの開発・運用・保守、革新的なエンドツーエンドの統合EV充電ソリューションを提供する。
シンガポールにおいては、2030年までに公共駐車場と私有地のEV充電ポイントを28,000から60,000にすることを目標としている。
出典:https://www.kepinfra.com/en/news-item.aspx?sid=4243&aid=9770&title=keppel-and-starcharge-sign-non-binding-mou-to-pursue-opportunities-in-electric-vehicle-infrastructure-
シンガポールのYTL、Validusとの提携でベンダーの資金安定化へ〜電力・ガス業界動向〜
2020年11月24日、シンガポール最大の電力生産者の1つであるYTLPowerSerayaは、Validusと提携して戦略的パートナーシップ関係にある500を超える地元の中小企業(SME)の運転資金と流動性へのアクセスを強化したことを発表した。
シンガポール最大の中小企業融資プラットフォームであるValidusとのコラボレーションにより、YTLPowerSerayaの中小企業サプライヤーは、48時間以内に運転資金のためにValidusのプラットフォームを通じて事前承認された融資に簡単にアクセスできる。銀行のような低金利で最大500,000ドルまでの融資を受けられる。
柔軟な従量制の取り決めにより、ベンダーは担保を必要とせず、必要なときにいつでもキャッシュフローと流動性の向上を図れる。
出典:https://ytlpowerseraya.com.sg/ytl-powerseraya-and-validus-to-support-local-smes-through-vendor-growth-financing/
シンガポールのKeppel DCへの供給電力グリーン化へ〜電力・ガス業界動向〜
2020年10月26日、CityGasとCity-OGGas EnergyServicesは、KeppelData Centers Holding Pte Ltd(Keppel DC)に対して、液化天然ガス(LNG)と水素を使用した電力供給を検討するための覚書(MOU)を締結した。
覚書には、3社共同でLNG調達戦略と長期的な水素へのエネルギー移行を調査検討することを含めている。また、City GasとCity-OG GasEnergy Servicesは、KappelDCのフローティング・データ・センター・パーク(FDPC)へのLNGの冷熱利用検討や水素製造法の一つである水蒸気メタン改質技術などの知識の共有化を図ることにしている。
ケッペルのビジョン2030に基づき、データ保存ニーズの拡大、エネルギー効率アップ、環境に優しいデータセンターへのソリューション作成をする。
出典:https://www.citygas.com.sg/press-release/keppel-data-centres-city-gas-city-og-gas-energy-services-sign-mou-to-explore-use-of-lng-and-hydrogen-to-power-floating-data-centre-park/
2020年 シンガポールの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
シンガポールにおける航空産業最大の太陽光発電システムとは?〜電力・ガス業界動向〜
シンガポール航空(SIA)とSIA Engineering Company(SIAEC)は、Sembcorp Industries(Sembcorp)の完全所有子会社であるSembcorp Solarと敷地内に屋上ソーラーパネルを設置および運用するための電力購入契約を締結した。
ソーラーパネルは、さまざまな場所での運用に役立ち、余剰電力はシンガポールとチャンギ空港グループの電力網に送られる。この取り決めにより、再生可能エネルギー源とより持続可能な事業に対するSIAグループの取り組みが強化される。
契約に基づき、Sembcorp Solarは2万枚を超えるソーラーパネルを設置、所有、運用していく。パネルはSIAの上屋、SIAトレーニングセンター、TechSQ、SIAECの5つの格納庫とそのエンジンテスト施設に設置される。総容量は8.2メガワットピーク(MWp)であり、これはシンガポールの航空産業にとって最大の複合太陽光発電エネルギープロジェクトとなる。 2020年6月に完了する予定。
出典:https://www.sembcorp.com/en/media/media-releases/energy/2020/february/sembcorp-to-build-82-megawatt-peak-solar-power-energy-system-on-singapore-airlines-and-sia-engineering-company-s-properties/
シンガポールにおいてP2Pで太陽エネルギーの取引を可能に〜電力・ガス業界動向〜
日系の電力会社であるSenoko Energyは、シンガポールの再生可能エネルギーの取引会社であるELECTRIFYとENGIE Factoryとともに、Peer to Peer(P2P)を導入するパイロットプロジェクトを開始すると発表した。
シンガポールの企業と一般家庭は、Senoko Energyの新サービス“SolarShare”を通じて、 ELECTRIFYのP2P trading platformに登録する。その後、生産者と消費者は、同じ目的を持ったコミュニティと、地元で生産された太陽エネルギーを取引できるようになる。
登録者は、取引プラットフォームを介して販売価格を決定するため、グリーン電気料金の動的な価格設定の恩恵を受けることができる。まずはSenoko Energyの既存顧客100人に絞り、新エネルギー製品の商業化の可能性をテストしていく。
出典:https://www.senokoenergy.com/-/media/project/senoko-website/media-centre/20200716-media-release—p2p-announcement—v12.pdf?la=en&hash=283F294F04702093E0F0FB30B52899C6
シンガポールのKeppel Infrastructure Trust、持続可能性に向けて〜電力・ガス業界動向〜
Keppel Infrastructure TrustおよびKeppel Energy Pte Ltdは、ジョイントベンチャーを通じて、DBS BankとOCBC Bankから7億SGDの持続可能性に関連したローンを共同所有のガス火力工場であるKeppel Merlimau Cogenに供与すると発表した。
この融資は、 Keppel Merlimau Cogenの炭素排出量目標に関連している。この目標には、国の指標に対するプラントの炭素排出原単位のベンチマークおよび改善の実証が含まれている。これらの事前設定された目標が満たされると、施設の金利は段階的に引き下げられる。
これにより、 Keppel Infrastructure Trustの持続可能性への取り組みが強化される。 Keppelのポートフォリオ全体にわたるTrustのビジネスと資産の多くは、持続可能な都市インフラをサポートするためのクラス最高のテクノロジーを組み込んでいる。
出典:http://www.kepinfra.com/en/news-item.aspx?sid=4243&aid=8620&title=keppel-infrastructure-trust-and-keppel-energy-secure-singapores-first-sustainability-linked-loan-in-the-energy-sector-from-dbs-bank-and-ocbc-bank
シンガポールのCity Gas、低炭素代替品として水素を提唱〜電力・ガス業界動向〜
City Gas Pte Ltdは、シンガポール5社と日本企業2社の覚書(MoU)締結によって、低炭素代替品としての水素がシンガポールのクリーンで持続可能なエネルギーの未来にどのように貢献できるかを研究している。
MoUの下で、PSA Corporation Limited(PSA)、Jurong Port Pte Ltd(Jurong Port)、City Gas Pte Ltd、Sembcorp Industries Ltd、Singapore LNG Corporation Pte Ltd、Chiyoda Corporation(Chiyoda)、およびMitsubishi Corporation(Mitsubishi)は、グリーンエネルギー源として水素を利用する。これには、水素の輸入、輸送、貯蔵に関連する技術の研究開発が含まれる。
City Gas Pte Ltdは、主要技術とサプライチェーンソリューションのパートナーであるChiyoda Corporationと緊密に連携し、ChiyodaのSPERA Hydrogen、Liquid Organic Hydrogen Carrier(LOHC)技術を使用してユースケースを特定し、実験する。シンガポール5社は、千代田および三菱と協力して、水素使用の技術的および商業的実現可能性を評価し、シンガポールでの水素の輸入および利用のビジネスケースを開発していく。
出典:https://www.citygas.com.sg/press-release/companies-collaborate-to-explore-hydrogen-as-a-low-carbon-alternative-for-singapore/
EMA、シンガポール国内のCo2排出量削減のための取り組み〜電力・ガス業界動向〜
気候変動への取り組みに対する国の取り組みの一環として、エネルギー市場局(EMA)は、産業および研究コミュニティのためのSingapore Energy Grand Challenge (SEGC)を立ち上げた。
SEGCの目的は、ビジネスの競争力を高め、シンガポールの二酸化炭素排出量を削減することである。次の3つの重要な分野で、2030年までに地元企業のエネルギー効率を50%改善できる新しいソリューションを求めている。
①エネルギー効率の高い技術の開発
②産業および商業プロセスの最適化
③エネルギー効率の改善を促進するデジタル化
出典:https://www.ema.gov.sg/media_release.aspx?news_sid=20200907L5j2QmSA7JTX
2019年 シンガポールの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
シンガポール内初!太陽光発電リサイクル技術の商業化〜電力・ガス業界動向〜
2019年1月23日の発表によると、総合エネルギー会社であり太陽光発電にも注力するSembcorp Industries(Sembcorp)は、Singapore Polytechnic(SP)と提携し、シンガポール初となる太陽光発電リサイクル技術の商業化に共同で取り組む。
これはSPの研究者によって開発された革新的な技術である。ガラス、シリコン、銀やアルミニウムの金属など、使用済みのソーラーパネルから資源を回収し再利用することが可能となる。SembcorpとSPが協働することでソーラーパネルの試験的リサイクル工場の開発計画を加速させる。
技術が商業的に実行可能になると、これらの工場では使用済みのソーラーパネルを大規模にリサイクルすることができ、長期的な発展に貢献できる可能性を秘めている。
出典:https://www.sembcorp.com/en/media/media-releases/energy/2019/january/sembcorp-and-singapore-polytechnic-to-collaborate-in-rd-and-training-to-support-the-long-term-growth-of-solar-energy-in-singapore/
電気自動車の充電ポイント、シンガポール内200箇所に増設〜電力・ガス業界動向〜
2019年8月9日の発表によると、電気およびガス供給大手SPグループ(SP)は高速電気自動車(EV)充電ネットワークをシンガポール全域で200ポイントに増やした。
これはSPがCapitaLand Group、City Developments Limited、Lendlease、Resorts World Sentosa、Soilbuild Group Holdings Ltdなどと提携して、それぞれの施設に充電ポイントを設置した結果である。
SPは今後、充電ポイントを1,000ヶ所にする予定であるが、そのうち250ヶ所は2020年末までに高速DC充電器になる予定である。新しい充電ポイントは、30分で車を充電できるDC充電器となり、利便性が向上する。その中には、シンガポールで最初の中央ビジネス地区(CBD)のDC充電ポイントも含まれる。
出典:https://www.spgroup.com.sg/wcm/connect/spgrp/9a3101b9-00e2-4223-bc04-4d9cabdadf85/%5B20190909%5D+Media+Release+-+SP+Group+Partners+New+Landlords%2C+Increasing+its+EV+Charging+Network+to+200+Points.pdf?MOD=AJPERES&CVID=
オーストラリアからシンガポールへの送電計画とは?〜電力・ガス業界動向〜
シンガポールは発電量の95%を輸入された液化天然ガス(LNG)から生産している。そのため、原油価格やガス価格に大きく影響を受ける。そこで、太陽光エネルギーに力を入れるSunCableは、シンガポール国内で消費されている電力量の5分の1をオーストラリアからの太陽エネルギーで供給しようと考えている。
このAustralia-Singapore Power Link(ASPL)プロジェクトはNorthern Territoryに設置するソーラーパネルから発電し、それをシンガポールに供給するものである。このプロジェクトは140億米ドル規模になると予想されている。
現在はシンガポールだけでなくASEAN諸国に供給することが可能かどうかのデューデリジェンスを行っている状況である。
出典:https://www.weforum.org/agenda/2019/08/australian-solar-power-singapore/
シンガポールのEMA、エネルギー安全についてFERCと協働〜電力・ガス業界動向〜
2019年4月22日の発表によると、シンガポールEnergy Market Authority(EMA)とアメリカFederal Energy Regulatory Commission(FERC)はエネルギーの安全性などの向上に向けて協力を強化することに合意した。
1つ目は、電気システムの計画、信頼性、サイバーセキュリティでの協力。2つ目は、エネルギー市場におけるエネルギー貯蔵システムと分散エネルギー資源の役割を含む卸売エネルギー市場の規制に関するもの。3つ目は、Asia Pacific Energy Regulatory(APER)フォーラムなどの多国間フォーラムを通じての協力。
両機関間の活動には、研修や交換プログラムを含む知識共有と技術協力のほか、多国間でのワークショップや共同研究などが含まれている。
出典:https://www.ema.gov.sg/media_release.aspx?news_sid=20190422zeTHPa6knZjX
2018年 シンガポールの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
シンガポールのSPグループ、発電コスト上昇で電気料金値上げ〜電力・ガス業界動向〜
電気・ガス供給を行う政府系企業の SPグループは、6月29日、電気料金の見直しで7月1日から9月30日の間、前四半期比で平均6.9%、1.50セント/kWh 値上げすると発表した。前四半期と比較して発電用の天然ガス価格が高騰したことが要因である。
電気料金は4つの要素から構成されており、エネルギー、ネットワーク、サポート・サービス、運営・システムのそれぞれのコストに基づく。
エネルギーコストは発電会社に支払うものであり、四半期ごとの見直しが電気料金に反映されている。
出典:https://www.spgroup.com.sg/wcm/connect/spgrp/28af0f6d-38ff-4242-a283-e44ae7586706/%5B20180629%5D+Media+Release++Electricity+Tariff+Revision+For+The+Period+1+July+To+30+September+2018.pdf?MOD=AJPERES&CVID=
シンガポールのSeraya Energy、新ブランドGenecoをローンチ〜電力・ガス業界動向〜
3月16日のプレスリリースによると、YTL Power Seraya Group の小売部門である Seraya Energy は、新ブランド「Geneco」を創設した。本ブランドは、再生可能エネルギー分野で高い評価を受ける、同グループの1社である英国のGeneco UKの理念に基づいている。
同社はこれまで16年間、顧客中心指向のエネルギー・プロバイダーとして名声を得てきた。様々なニーズに合わせた価格プランに加え、持続可能エネルギーの供給が可能となる。
シンガポールは段階的に電力市場の自由化を進めており (Open Electricity Market、OEM)、ジュロン地域では今年4月から実施されていた。OEMでは、顧客がエネルギー供給企業と価格プランを自由に選ぶことができる。
出典:https://ytlpowerseraya.com.sg/news/news-releases/enter-geneco/
シンガポール政府とIEA、エネルギー投資と資金調達に関するプログラムを開催〜電力・ガス業界動向〜
8月28日から30日にかけてシンガポール政府と国際エネルギー機関(IEA)は、クリーンエネルギーへの投資・融資のトレーニングプログラムを開催した。
このプログラムは、政策立案者や国営電力会社の専門家が、エネルギーインフラ投資と資金調達能力を強化するために開催された。IEA・世界銀行・三井住友銀行・シンガポール政府機関の18名のスピーカーと専門家が、電力セクター・再生可能エネルギー・エネルギー効率化プロジェクトの資金調達へのアドバイスを行なった。
「クリーンで信頼性の高いエネルギーを確立し、アジアの経済成長を促進するために、適切なエネルギー投資とエネルギーインフラ開発が必要である。このトレーニングプログラムは、エネルギー投資と資金調達に関する知識と技術を向上させるのに役立つ」とエネルギー市場監督庁の Chief Executive であるNgiam Shih Chun氏はコメントしている。
出典:https://www.ema.gov.sg/media_release.aspx?news_sid=20180827NrNa2Xw1CeWV
シンガポール国際エネルギー週間のサミット〜電力・ガス業界動向〜
エネルギー市場監督庁 (EMA) は、シンガポール国際エネルギー週間(SIEW) 2018のテーマ「変革するエネルギー:投資、革新、統合」を発表した。
新技術の発展とエネルギー需要の伸びは、エネルギー分野の風景を変えつつある。この変化に対応するため、インフラ投資の環境を整備する重要性が増している。
SIEWの期間中、シンガポールエネルギーサミット (SES) ではASEAN(東南アジア諸国連合)のエネルギー転換に関するパネルディスカッションが開催された。官民の連携を強めることや、エネルギー分野におけるデジタル化がハイライトとなった。
出典:https://www.ema.gov.sg/media_release.aspx?news_sid=201803261uH96JaGsG68
まとめ:シンガポールの電力・ガス業界
電気の輸送、貯蔵に関わる技術分野でも躍進が見られ、近くマレーシアやインドネシア等への電力の大規模輸出に関する計画も立てられています。将来注目を集めるであろう、持続可能なエネルギー施策に注目することで大きなビジネスチャンスに発展するのではないでしょうか?
2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員。大学ではマーケティングと経済を学び、卒業後は海外での生活と旅行を重ね、さまざまな国の文化や人々、食に関する豊富な知識を身につける。シンガポール人の旦那との結婚を機にシンガポールに移住し、現地で就労。現在はライター業と翻訳業を行っている。
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