フィリピン食品卸業界の近代化と発展に焦点を当て、最新の業界動向や革新事例を紹介します。サプライチェーンの強化や農業支援プロジェクトの影響、主要企業の成長戦略など、フィリピン経済に寄与する食品卸業界の重要性と未来を探ります。
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2022年 フィリピンの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
農業省とフィリピン海軍がフィリピンの農民と漁民をサポ〜食品卸業界動向〜
6月12日、合計18,125トンのニンニクがイトバヤットガーリック農家生産者協会から、農業省検査取締局とフィリピン海軍の協力のもとパンガシナン州のスアル港に届けられた。
農業省とフィリピン海軍は協力して、様々な農産物や食料品の効率良い配達と安定供給のため、輸送および輸送サービスを提供している。なお、195万ペソ相当の農産物はバギオ市のフレッシュ・バイズ・PH社が購入した。
DA次官補でDA-IE長官のJames Layug氏は、全国の農民や漁民の生活や生計を改善するために、他の機関と協力してプロジェクトを続けることを強調した。
出典:https://www.da.gov.ph/da-pn-partner-to-support-filipino-farmers-and-fishers/
D&Lが3年連続ACGSゴールデンアロー賞を受賞〜食品卸業界動向〜
D&LIndustriesは優れたコーポレートガバナンスの実践が認められ、他のフィリピントップ企業と並んで企業取締役協会(ICD)から認められた。D&Lがこのような評価を受けたのは、3年連続である。
ICDはコーポレートガバナンスに携わる企業取締役および関係者によって構成される団体で、社会の利益のために優れたコーポレートガバナンスと管理を行うことを使命としている。
AGCSコーポレートガバナンス賞だけではなく、短い歴史の中で他の機関からも表彰されている。とりわけ、機関投資家によるASEAN名誉企業、アジアマネーによるフィリピン最優秀企業(産業部門)、ファイナンスアジアによる最優秀中型企業に選ばれている。
出典:https://dnl.com.ph/dl-industries-recognized-for-its-good-governance-wins-acgs-golden-arrow-award-for-the-3rd-consecutive-year/
動物栄養サミット、若い動物の栄養とデジタル技術に焦点を当てる〜食品卸業界動向〜
カーギルフィリピンは、養豚産業の将来のために農家と生産者、顧客、消費者を結びつける目的で、全国養豚業者連盟とフィリピン豚肉生産者連盟とともに動物栄養サミットを開催した。
テーマは「Feign the Future」で、世界中から専門家や関係者が集まって最新の養豚技術やニューノーマルへの移行期間における農業の収益性向上のための最良の管理慣行について議論した。
サミットで取り上げられたソリューションの中には、カーギルの若い動物栄養のブランドであるNeopiggも含まれていた。Neopiggの栄養ソリューションは離乳までに力を発揮し、スムーズに仕上げ段階に移行できるよう設計されている。
出典:https://www.cargill.com/2023/animal-nutrition-summit-puts-the-spotlight-on-young-animal-nutri
フィリピンの食品、飲料への支援を募集〜食品卸業界動向〜
ある議員が、国内の様々な分野に対して飲食業界を支えるよう訴えた。また、シンシア・ヴィラー上院議員はニュースリリースで、食品・飲料業界はとても多様化しており、幅広い製造慣行をカバーしているとした。
彼女は食料システムが農家と様々な産業を結びつける複雑なネットワークとして機能していると述べ、生産ニーズと見合うため輸入に頼る産業もあると指摘した。
地元の農民が地元の農民が危機時における食料安全保障の重要な役割を担っており、パンデミックは農業セクターを支える重要性をフィリピン人に思い出させた。さらに、フードサービスに従事する事業者をサポートするため多くのセクターが参入しているとも述べた。
農業省のINSPIREプログラムがリパ市の養豚業者に120頭の豚を助成〜食品卸業界動向〜
フィリピンでのアフリカ豚コレラの影響を受け、農業省の回復と拡大のための国家総合豚生産イニシアチブ(INSPIRE)プログラムで120頭以上の豚をリパ市の4つの協同組合に寄与した。
支援金の配分は、マルコス大統領の公約の一環として行われた。4つの協同組合はそれぞれ30頭の豚を受け取り、選ばれた農業協力者によって寄贈された祖父母豚から生まれた。
INSPIREプログラムは豚の生産を改善し、国内の豚肉と豚肉製品の十分な量を確保するため、調整された豚の再個体数、養豚場と施設の建設、養豚農家の保健へのアクセスなどに重点を置いている。
出典:https://www.da.gov.ph/das-inspire-program-grants-120-pigs-to-lipa-hog-raisers/
2021年 フィリピンの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
Cargill、今後の見通しを発表〜食品卸業界動向〜
1947年にフィリピンに参入したアメリカの食品御会社でJolibeeに商品を卸しているCargillは、2020年10月22日、今後の見通しについて発表した。Covid-19のパンデミックと封鎖措置が商品の需給に影響を与えたが、今後は家禽と他の肉製品の新たな需要に対応するとのこと。
Covid-19の発症と国内での封鎖措置は、消費者の食事行動を変え、同社の事業は40%減少した。また食品施設の閉鎖により鶏肉の供給が過剰になった影響を受け、価格も1キロあたり70ペソから1キロあたり30ペソに下がった。
このような市場の課題にもかかわらず、GCQ(一般的なコミュニティ検疫)やMGCQ(修正されたGCQ)に移行して以来、回復が見られており、さらに消費が活発になるクリスマスシーズンを迎え、今後は慎重ながらも楽観視できる要因が増えてきた。
出典: https://www.pna.gov.ph/articles/1119387
フィリピンで食品卸業界大手のD&L、20年第3四半期の事業結果を報告
加工食品の原材料の卸売を行い、食品以外の製品も数多く取り扱っているD&Lは、2020年第3四半期の事業結果を報告した。第3四半期の収益は、第2四半期に記録された収益の2倍になり、パンデミックの影響をまだ完全に受けていない第1四半期の収益を上回った。
2020年第3四半期の純利益は、前四半期比で2倍の5億7,300万ペソとなり、同年第2四半期の2億8,700万ペソと比較しても大幅な回復が見られる。規制が徐々に緩和され、経済が再開したことで、同社のすべてのセグメントで十分な回復が見られた。
同社は衛生目的で使用できるアルコール、消毒剤、および消毒スプレーを製造している。このエアロゾルセグメントと呼ばれていた消費財は今年度の主要な業績であり、四半期の収益は前年(COVID-19以前)のレベルを前年比で72%上回っている。
出典:https://dnl.com.ph/dl-industries-reports-9m20-results/
フィリピンのKLG Foodserviceのインスタントフードビジネス〜食品卸業界動向〜
フィリピンで家庭用品販売を中心に大きなシェアを占めるKLG Internationalの子会社であるKLG Foodserviceは、インスタントフードビジネスを支援するパッケージを提供する。
同社は、マニラ首都圏の人口の48%、つまり1400万人の人口から670万人が、少なくとも週に3回食べ物のテイクアウトと配達を行っていることを挙げ、Kioskビジネスのポテンシャルを強調した。
食品事業全体も過去6年間2桁の成長を記録し続けており、今後もその数が大幅に増加すると予測されている。同社は親会社であるKLG International Incと家庭用品メーカーであるRational Combi Ovenとともに、実行可能性と投資の即時回収を保証するパッケージを提供する。
出典: https://www.facebook.com/klgfoodservice/posts/140437997679552
フィリピンのAgrinurture、植物ベースの肉代替製品を発売予定〜食品卸業界動向〜
様々な農産物の栽培、輸出、流通、小売を行い、特に果物に強みを持つ国内の大手卸売業者の1つであるAgrinurtureは、2020年に植物ベースの肉代替製品を発売する計画で、代替肉市場に新しい道を切り開く。
これは創業者のAntonioTiuがインタビューに答える中で明らかになったもの。彼自身、父親の死をきっかけに20年前に菜食主義者になっており、環境に優しく長期的な持続可能性を持つ商品を目指す。
新しい大豆ベースの食事を提供する予定。食肉製品に比べて競争力のある価格で低所得層にも到達することを目指し、手頃な価格で誰もが利用できるような流通戦略を練る。
出典: http://www.ani.com.ph/agrinurture-1/press-releases/
フィリピンの豚肉価格高騰に対する決議〜食品卸業界動向〜
フィリピン衆議院において、1キロあたり約400ペソに達した豚肉価格の上昇について議会の調査を求める決議が提出された。豚肉の前年比インフレ率は2020年11月の8.15パーセントから2020年12月には9.95パーセントに上昇した。
2020年11月に課された基本的な農産物および水産物の60日間の価格凍結では価格の上昇を抑えることができず、農務省(DA)は、豚肉および鶏肉製品における価格の急上昇を阻止するために、再度の価格凍結を提案する。
価格高騰は、豚肉の卸売価格と小売価格を高く保ちながら豚肉の農家の価格を低く抑えることができるトレーダー間の共謀などの反競争的行為によっても引き起こされる可能性があり、長期的な豚肉の供給を改善するためにも業界への投資が奨励されている。
出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1128774
2020年 フィリピンの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
フィリピンで米の輸入自由化による農家の減収が懸念〜食品卸業界動向〜
2019年6月22日の発表によると、米の倉庫保管、輸送、梱包、卸売から小売まで幅広く行うVJ Ricemillは、他国からの安価な米の流入が米の価格を引き下げたため、米の関税法はこれまでに950億ペソの農家の収入を下げたとするフィリピン農業商工会議所(PCAFI)の発表をホームページに掲載した。
中央ルソン島の一部地域のパレー(脱穀前の米)の1キロあたりの価格は、以前のP17~P20からP11からP13に既に下がっている。同社を含む民間部門は、市場に参入する米の品質に対する懸念を表明した。
PCAFIによれば、以前の輸入は不足時のストック用であったため、外国産の米は長い間倉庫に貯蔵された後出荷され、地元の倉庫に再び貯蔵されていた。害虫駆除のために農薬が噴霧され、古い香りがするために人工香料が噴霧されるなど品質の悪化が懸念されている。
フィリピンへの日本産食品の輸入規制の撤廃〜食品卸業界動向〜
2020年1月9日、日本の農林水産省は、フィリピン政府が東日本大震災以降に実施していた、福島・茨城・栃木・群馬県から輸入される牛肉、野菜・果実、水産物の放射性物質検査報告書や産地証明書の提出規制を撤廃したと発表した。
以前フィリピン政府は福島産の水産物の輸入停止を一部撤廃していたが、今回の発表で全面的な規制の撤廃となる。フィリピンは日本にとって輸出大国であり、平成30年のフィリピン向け食品・農林水産物の輸出額は165億円であった。
今回のフィリピンの輸入停止措置の解除により、福島第一原子力発電所事故に伴い輸入停止の規制を設けている国・地域の数は7に減少した。輸入規制措置を継続している国・地域の総数は23のままである。
フィリピンで食品卸業界大手の「Kadiwa」、復活なるか?
上院議員志望でマルコス元大統領の娘であるMa. Imelda Josefa “Imee” Marcosは、パンパンガ州で開催された政党の集会において、マルコス元大統領の行ったプロジェクトである食品卸売業者のKadiwaを復活させると有権者に訴えた。
イロコスノルテの知事として、彼女は同州のさまざまな場所でKadiwaセンターを設立し、一般的な市場レートよりもはるかに低い商品や食品を販売した実績がある。Kadiwaでは、地元の農家や貧しい家族のために価格の上昇に対処できる。
州政府の中小企業庁によると、Kadiwaは生産者から直接供給された野菜や鶏肉だけでなく、米、麺、砂糖、イワシ、コーヒーも販売しているため、多くの人々から購入されている。上院議員に選出された場合、これを全国区に広めたい方針だ。
フィリピンのD&L、持続可能なプラスチック材料、今後の可能性とは?〜食品卸業界動向〜
2019年12月13日の発表によると、加工食品の原材料の卸売を行い、食品以外の製品も取り扱っているD&L Industriesは、今後の使い捨てプラスチックの使用禁止の可能性を考慮して、自社の製品を通して企業にビジネスソリューションを提供する。
同社は国際的に認証された生分解性プラスチックと添加剤を製造するフィリピンで唯一の会社である。地元のプラスチック産業にサービスを提供するだけでなく、輸出市場においても生分解性の包装材料に切り替える企業に向けた販売を視野に入れている。
同社のチームは長年にわたり、環境に優しく持続可能なプラスチック材料の分野で積極的に研究開発を行ってきた。現在までに国内の使い捨てプラスチック汚染を軽減するための製品として、Biomate™とBiorez™の2つの独自製品ラインの開発に成功している。
2019年 フィリピンの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
フィリピンのD&L Industries、研究開発への投資実る〜食品卸業界動向〜
主に加工食品や洗剤などを取扱う卸企業のD&L Industriesは、2018年度の9ヶ月間において経常利益が前年同期比13.3%増の24億ペソ、1株当たり利益0.34ペソを計上したことを公表した。利息および税金控除前利益は12%増加し、30億ペソとなった。
ハイマージンスペシャリティプロダクツ(HMSP)の売上数量が牽引となり、前年同期比で8%増、前四半期比で4%増となった。HMSPの収益貢献度は、2017年通年の58%に対して63%であった。高利益率の事業成長は研究開発への投資を反映しており、市場浸透率を高めた結果である。
食品部門の純利益は支払利息の増加により、前年同期比2%減少した。食品部門は同社の輸出総売上高の36%を占めており、今後は輸出総売上高を50%まで引き上げる目標を掲げている。
フィリピン国内の大手卸業者AgriNurture、官民パートナーシップ提案〜食品卸業界動向〜
生鮮食品を主に取扱う卸企業、AgriNurtureInc.(ANI)は、貧困層でも健康的な食へアクセスできるよう、フィリピン政府(National Food Authority :NFA)が価格維持を務めるNFA米供給の官民パートナーシップ(PPP)プロジェクトの最初の提案者となったことを報告した。
この合意に基づき、ANIは四半期あたり50万トンのコメの調達資金の調達を担当することになった。これは補助金付きNFA米の全国在庫の約2週間分に相当する。ANIと比政府は共同で、原産地、供給業者、配達および到着期間、積載、および港の搬出を決定するものとする、と述べている。
プロジェクトは、国家経済開発庁(NEDA)の「政府機関と民間企業との間の合弁事業(JV)契約のガイドラインおよび手続き」に基づく、技術的および法的プロセスの両方に従って進められる。
フィリピンの米系食品卸会社Cargill、事業拡大のため追加投資〜食品卸業界動向〜
家畜飼料を主に取扱う卸企業、Cargill Philippines Inc.は、鶏肉と豚肉の国内需要が高まる中、今後2年間で125億ペソ(2億3500万ドル)を事業拡大に充てると発表した。この資金は、動物飼料および栄養事業、ならびに農業サプライチェーン事業の拡大に使用される。
農業への投資は強く必要とされており、投資を行うことは会社にとっても理にかなっているため、同社はこの分野へのさらなる投資の必要性に対応するつもりであると強調した。これは東南アジアと中国への拡大計画の一環だと同社は位置付けている。
同社はフィリピンで1948年に設立され、創立70周年を迎えた。現在、国内27か所に2200人の従業員を擁している。また、フィリピンのファーストフード大手、Jollibee Foods Corporationとの合弁事業であるC-Joyも設立一周年を迎える。C-Joyは鶏肉を国内消費用に加工する施設である。
双日、フィリピンで小麦流通のバリューチェーン構築へ〜食品卸業界動向〜
主に製粉商品を取扱うMabuhay Interflour Mill Inc. (MI)は、日本の大手商社、双日が発行済み株式の25%を取得したことで、フィリピンにて同社と協同し、小麦粉の製粉事業、小麦粉を中心とした食料原料卸事業、パンの製造・販売と小麦流通のバリューチェーンを構築する。
双日はまた、小麦粉を中心に砂糖、油脂等の製菓・製パン材料を取り扱う原料卸、Sojitz Asia-Pacific Trading Inc.(SAPTI)を国内大手卸売企業と共同で設立。SAPTIは、双日の顧客ネットワークを生かして、フィリピン最大の総合食料原料卸を目指す。
フィリピンでは、経済成長に伴い小麦食の増加など食文化が変化している。小麦製粉事業、原料卸事業、製パン事業という小麦流通のバリューチェーンを実現することで嗜好の変化に対応し、食の安心・安全に対するニーズに応え、同国の食文化の発展に寄与する考える。
2018年 フィリピンの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
フィリピン全土でサプライチェーンが発達〜食品卸業界動向〜
ここ数年の食品卸・小売業界における近代化によって、サプライチェーンの重要性が増加。各企業やスーパーマーケットが流通チャネルとして機能することで、フィリピン全土での鮮度の良い食品流通を実現している。こういった流通システムが整備されることは、2025年に向けた経済成長政策に大きく貢献すると言われている。
下記グラフの通り、2012年から2017年にかけて食品卸業界の売上が増加していることがわかる。外的な要因としては、人口が1億人を突破したこと、中間所得層人口が2,000万人に増加したこと、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの店舗数が増加したことが挙げられる。
フィリピン国内最大の食品関連グループSan Miguel〜食品卸業界動向〜
フィリピンシェアNo.1のビールを製造・販売する一大企業グループ、サン・ミゲル。2000年以降はビール等の飲料に留まらず、経営拡大のために様々なグループ企業を興した。その中で San Miguel Pure Food を中心とした食品卸グループ企業を展開、10の企業で構成されている。
2017年のサン・ミゲルグループ企業の連結売上高は、8,260億ペソを達成。前年比で21%増加した。
また、San Miguel Pure Foods の連結売上高は1,174億ペソで前年比で5%増。その背景としては肉類および付加価値の高い肉がともに好調であったことが挙げられる。
多角化戦略で躍進、フィリピンのSan Miguel Pure Foods〜食品卸業界動向〜
San Miguel Pure Foods は、2001年に San Miguel Food Group とPure Food が経営統合したことにより設立した企業。現在では、フィリピン国内の食品卸売業界を牽引する企業の1つに成長している。
10のグループ企業で構成されており、各企業の取り扱い食品を分けることで多角化戦略を採り入れている。
Magnolia:乳製品 San Miguel Super Coffeemix Company:コーヒー
Great Food:肉、コーヒー、ドレッシング、缶詰
San Miguel Pure Foods は、2019年に20,000平方メートルの巨大な食品工場をラグナ・サンタローサに建設することを発表。大量生産、安定供給、食品の安全性向上、高栄養食品の開発といった恩恵が期待されている。
海外食品取り扱いの食品卸会社、フィリピンのNEXTRADE〜食品卸業界動向〜
NEXTRADE は2,400種類もの食品を取り扱っており、中でも辛ラーメンなどの韓国ブランドが多い。主な納品先として SM super market、Robinsons、Rustants、Metro supermarket、Walter Mart、セブンイレブン、そしてミニストップが挙げられる。
同社の強みは国内全土に配送できる流通システムと、莫大な量の在庫を保管できる国内4ヶ所の巨大倉庫が挙げられる。またマーケティングにも力を入れており、商品陳列へのこだわりや、店頭販売・サンプルの提供、あるいは韓国系の食品博覧会に積極的に参加するなどしている。
セブンイレブンで最も売上が大きいのは辛ラーメンであり、ブランド戦略に成功。今後も新たな韓国ブランド食品の参入が予想される。
設立70年、フィリピンで老舗の国内食品卸企業 Suy Sing〜食品卸業界動向〜
Suy Sing は食品卸売企業として1946年に設立し、70年の歴史を持つフィリピンで最も古い国内企業の1つである。独自の流通システムで約15,000店舗のスーパーマーケットに食品類を卸している。同社は185カテゴリー・4,000種類の食品類を取り扱っており、その運送には250以上のサプライヤーが携わっている。
オペレーションセンターを設けたことで的確なデリバリーサービスの提供が可能に。また、各店舗の需給分析により適正な納品数のコントロールを実現、コストを抑えて低価格で消費者に提供している。
2018年2月には、パンガシアン州で独自の流通網を有効活用、いくつかの商品をパッケージにして消費者に直接届ける「Break case」サービスを開始した。このサービスにより、更なる利益の拡大を図る。
まとめ:フィリピンの食品卸業界
サプライチェーンの充実というのは、食品卸業界において重要な基盤となっていきます。基盤が整ったことにより食品卸業界だけでなく様々な業界の動きが活発になり、フィリピン経済の発展につながるといいですね。また、伝統のある会社が革新を繰り返し、伝統を守りながらも新しい分野に積極的に取り組んでいく姿勢が楽しみです。
マニラ在住5年目の日本人。法政大学経済学部卒業後、2010年4月よりWeb業界を目指す社会人向けのスクールのインストラクターとして主にコーディングソフトや画像編集ソフトの授業を担当。2015年より海外での生活とキャリア形成を目的に、青年海外協力隊に参加。