【アメリカの医療卸の未来】アメリカの医療卸業界の最新トレンド

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アメリカの医療卸業界では、高齢化社会の進展と慢性疾患の増加により市場が拡大しています。AIやロボティクスなどの先端技術の導入が進み、効率化とサービス向上が図られています。また、eコマースの成長や個別化医療の台頭により、新たなビジネスモデルや配送ネットワークの構築が求められています。

今回は、そんなアメリカの医療卸業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

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目次

2023-2024年 アメリカの医療卸業界

Cardinal Health スペシャルティ・ネットワークスを買収する最終契約を締結

Cardinal Healthが、テクノロジーを活用したデータ分析会社の「スペシャルティ・ネットワークス」社の買収を発表しました。この買収によりCardinal Healthは流通・研究・技術の分野で補完され、全米の専門医療のサポートが協力になる。

Cardinal HealthのCEOであるデビー・ワイツマン氏は「彼らの独自のサービス提供や高度な技術ソリューションを当社の販売パートナーシップや運営と組み合わせることで、治療分野全体にわたる当社の価値提案が強化されます」と誇らしく述べた。

スペシャリティ・ネットワークスの最高経営責任者シャイレンドラ・シャルマ氏は「専門医や患者や製造業者など、全員にプラス」とパートナーシップを喜んだ。

今回の買収契約は現金12億米ドルで締結されたとされる。

出典:https://newsroom.cardinalhealth.com/2024-01-31-Cardinal-Health-to-acquire-Specialty-Networks-and-its-PPS-Analytics-platform,-a-technology-enabled-multi-specialty-group-purchasing-and-practice-enhancement-organization-in-urology,-rheumatology-and-gastroenterology

Owens & Minor  Life Takes Careを発売

Owens & Minorの社長兼最高経営責任者であるエドワード・A・ペシッカ氏は「単なるモットーやキャッチフレーズではなく、医療の中心にあるビジネスと人間性の両方を大切にする同社のユニークなアプローチを表している言葉を発表する」と述べ、「Life Takes Care」という方針を掲げた。

同社は患者・医療提供者・地域社会のために、舞台裏で行う仕事の重要性を常に強く意識してきたという。ペシッカ氏は「新たなステートメントである『Life Takes Care』を使用することによって、チームメイトの総合力・創造性・思いやりをより良く活用できるようになると信じている」と述べた。

目的主導型企業は約14%高い収益成長を経験し、平均を上回る収益を得る可能性がほぼ2倍になるという。

出典:https://investors.owens-minor.com/press-releases/news-details/2023/Owens–Minor-Launches-Life-Takes-Care/default.aspx

Henry Schein クラウド テクノロジーと AI 診断でイノベーションを推進

Henry Scheinは、AI対応X線分析ツールを含む、42 North Dental社のクラウドベースプラットフォームを導入していることを発表した。

FDA承認の研究では、AI搭載システムを利用することで、歯科医による診断見逃しが43%減少したことが明らかになっている。さらに偽陽性も 15%減少したことも実証されており、診断精度が大幅に向上し、すべての患者にとって最適な治療計画が可能になる可能性が示唆されている。

Henry Schein最高技術責任者であるアラン・レンチャー氏は「単に診療管理を合理化しているだけではなく、歯科業界内で前向きな変化を推進しているつもりだ」と述べた。42 North Dental社の最高臨床責任者であるマイケル・シャラバ氏も「歯科医療の可能性の水準を継続的に引き上げていくことに取り組んでいる」と述べた。

この変革的な一歩により、患者中心の歯科医療の新たな基準を設定し、イノベーションが本当に健康的な笑顔を生涯にわたって提供できることを証明したのではないかと話題になっている。

出典:https://investor.henryschein.com/news-releases/news-release-details/henry-schein-one-partners-42-north-dental-drive-innovation-cloud

Pipeline Medical 医療機器リースを選ぶ理由

医療業界では、医療機器に対するニーズが絶え間なく高まっている。小規模なクリニックであっても、大規模な医療機関であっても、最新の機器を確実に導入することが重要な要素といわれる。運転資金を使い果たさずに医療機器の資金調達をどのように行うのか。その答えは「医療機器のリース」である。

医療機器の融資およびリース分野の大手であるメディット・ワンやマディソンキャピタルなどでは、「医療施設規模に合わせた特定のリース プログラムを提供」「多角的な金融サービスを提供」「申請プロセスを合理化」などで、医療施設の患者へのケア向上を手助けしている。

医療機器リースを選ぶ理由は、運転資本の節約や税額控除という目に見えるメリットから、患者ケアの向上という目に見えないメリットに至るまで、適切な医療機器融資ソリューションを見つけることの重要性を過小評価することはできない。

出典:https://pipelinemedical.com/blog/medical-equipment-leasing-companies/

Medipal Holdings Corporation 富士通のAI技術を導入

日系医療卸Medipalは、富士通のAI技術を導入し、AIによる業務最適化計算によりピッキングの効率化と生産性の向上を実現したと発表した。

同社は世界各地において、誰もが心身ともに健康に暮らせる持続的な社会の実現をモットーに、医薬品などを含む製品を、メーカーから医療金に、医療機関から最終的には患者へとつないできた。今回、物流センター内に富士通のAI技術が導入され、より効率的な工場内集荷システムが完成し、梱包ミスが少なく梱包時間も短くなった。

同社では日本国内でも13か所の物流センターを持ち、技術とノウハウを活用した新しい医療卸物流システムは、たとえ災害時であっても迅速に対応できる体制を整えているという。

世界中のMedipal Holdings Corporationグループ全体で、今後も蓄積された技術のノウハウを生かし、顧客に新しい価値と流通サービスを提供していくという。

出典:https://ssl4.eir-parts.net/doc/7459/announcement7/92313/00.pdf

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2022-2023年 アメリカの医療卸業界

McKesson Corporation 医療システム向けの迅速な返品ソリューションを開始

世界的なヘルスケア企業であるMcKesson Corporationが、医療システム向けRapid Returnsソリューションを発表した。このソリューションは、病院や医療システムからの返品プロセスを簡素化する新システム。医薬品の物流および廃棄プロバイダーであるPharmaLinkを通じて提供されることで、売れない製品の返品を評価し、そのデータを各病院に還元することにもなる。

McKesson Corporationの上級副社長兼北米財務共有サービス担当ゼネラルマネージャーデイビッド・エヴァンジェリスタ氏は「返品プログラムは、医療システムにとって管理と監視が慢性的に困難だったが、管理上の負担を軽減し、返品プロセスを合理化および迅速化し、在庫管理を改善することができるようになった」と喜んだ。

McKesson Corporationの上級副社長兼北米財務共有サービス担当ゼネラルマネージャーデイビッド・エヴァンジェリスタ氏は「返品プログラムは、医療システムにとって管理と監視が慢性的に困難だったが、管理上の負担を軽減し、返品プロセスを合理化および迅速化し、在庫管理を改善することができるようになった」と喜んだ。

同社社長のスコット・ミラー氏も「絶えず変化する需要と供給に医療システムが適応し、運用を最適化する中で特に重要」と述べた。

出典:https://www.mckesson.com/About-McKesson/Newsroom/Press-Releases/2021/McKesson-Launches-Rapid-Returns-Solution-Health-Systems/

Cardinal Health  オハイオ州中央部に新しい配送センターを開設

カーディナル・ヘルス は、複数年にわたる倉庫の近代化および成長計画の一環として、オハイオ州コロンバス市地域に新しい配送センターを追加すると発表した。慢性的または重篤な健康状態を持つ人々に対して、在宅での快適なケアを提供することに重点を置いた同社の在宅ソリューション事業をサポートする。

同社の社長であるロブ・シュリスパーク氏は「パンデミックの影響で、ヘルスケア業界は、在宅ヘルスケアに関しての需要が加速しており、当社の倉庫面積を拡大することで、流通ネットワークが最適化され、顧客サービスのレベルが向上し、持続的な成長に向けて態勢を整えることができると信じている」と胸を張った。

208144平方フィートの建物は、同社の米国で10番目の配送センターとなり、ロボット保管機能などの最新技術が導入される。100人の雇用を生むことになり、市長も歓迎の意を表した。

出典:https://newsroom.cardinalhealth.com/2022-06-02-Cardinal-Health-continues-at-Home-Solutions-growth-with-new-distribution-center-in-Central-Ohio

Owens & Minor ロナルド・マクドナルド・ハウス慈善団体と提携

グローバル・ヘルスケア・ソリューション企業であるOwens & Minorが、子供とその家族の健康と福祉を支援する非営利団体であるロナルド・マクドナルド・ハウス慈善団体と提携を発表した。

ロナルド・マクドナルド・ハウス慈善団体最高マーケッティング開発責任者のジョアンナ・サバト氏は「病気や怪我をした子供を持つ家族が必要な医療やリソースにアクセスできるよう、今回から支援してくれることになったOwens & Minor社に深く感謝する」と述べた。Owens & Minor財団のフェイス・クリストル氏も「今回のパートナーシップは、価値観を共有し、有意義でポジティブな影響を生み出すための継続的な取り組みをサポートする弊社の姿勢を体現できた」と喜んだ。

今回のパートナーシップにより「5000件以上の家族向けの宿泊施設の提供」「継続的な対面・バーチャルのボランティアの提供」「50万米ドルを超す資金面でのサポート」などが実現された。

出典:https://investors.owens-minor.com/press-releases/news-details/2022/The-Owens-Minor-Foundation-and-Ronald-McDonald-House-Charities-Partner-to-Help-Build-Healthier-Communities-11-07-2022/default.aspx

Prestige Consumer Healthcare  アイケア製品を拡大する契約を発表

Prestige Consumer Healthcareが、エイコーン・オペレーティング・カンパニーから店頭消費者ブランドのポートフォリオを買収する最終契約を締結したと発表した。エイコーンから買収される消費者向け製品ポートフォリオには、収益の約8割を占める TheraTearsアイケアブランドと、風邪薬などブランドが含まれる。

Prestige会長兼最高経営責任者であるロン・ロンバルディ氏は「弊社にもアイケア分野で長く成功を収めてきた歴史があるが、さらに実績のあるTheraTearsブランドの買収により、急速に成長するドライアイセグメントにおける長期的な成長機会が追加され、アイケアフランチャイズがさらに強化されると確信している」と喜んだ。

アウトソーシング製造およびPrestige社の既存事業と同様の流通特性により、各ブランドは既存のインフラを活用してタイムリーな統合を実現できると期待されている。

出典:https://ir.prestigebrands.com/news-releases/news-release-details/prestige-announces-agreement-expand-eye-care-offering

Medipal Holdings Corporation 医療・ヘルスケア分野における合弁会社設立

日系医療卸企業であるMedipal Holdings Corporationが、臨床検査最大手のH.U.グループホールディングスと戦略的業務提携を発表した。すでに両社は2020年6月17日に、医療・ヘルスケア分野においての提携が発表されていた。今回の提携発表で、合弁会社設立などの統合に向けて動き出した。

両社の物流機能・注文システム機能を共有し、さらに倉庫業務を合理化することで、医療・ヘルスケア分野における医療物流プラットフォームの構築を目指す。

合弁会社設立後、両社は医薬品の供給を最適化し、臨床検査材料および検査交代の収集、臨床試験データなどを共有することになる。Medipalとしては医療卸業務を新会社へ移管し、H.U.グループは物流機能で同じことを行う。

世界規模の医療卸ネットワーク構築が期待されているという。

出典:https://ssl4.eir-parts.net/doc/7459/announcement7/78127/00.pdf

まとめ:アメリカの医療卸業界

アメリカの医療卸業界は、テクノロジーの活用とデータ分析の重要性が増す中、大手企業による戦略的買収や提携が活発化しています。AIやクラウドベースのソリューション導入、在宅医療への対応強化など、業界全体でデジタル化と効率化が進んでいます。今後は、専門医療分野の拡大やサプライチェーンの最適化、患者中心のサービス提供がさらに重要となり、業界の変革と成長が期待されます。

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