韓国の水道業界は、持続可能性とデジタル化の波に乗り、革新的なトレンドが続々と登場しています。特に、スマート水道システムや環境保護への意識の高まりが、業界の変革を加速させています。これにより、効率的な水管理とコスト削減が実現されつつあり、企業にとっても新たなビジネスチャンスが広がっています。本記事では、韓国の水道業界を変革する最新トレンドを深掘りし、未来の市場を見据えたインサイトをお届けします。
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2022-2023年 韓国の水道業界
ソウル市 ソウル駅前広場にホームレスのための「アリス無料自動販売機」を設置〜水道業界動向〜
ソウル市は2023年11月、ソウル市中区にあるホームレス支援施設に「アリス無料自動販売機」を設置したと発表した。今回の自動販売機の設置を皮切りに、今後はホームレス施設や僻地村への設置拡大を検討する考えだ。
「アリス無料自動販売機」は24時間利用可能で、指定された時間に並ぶという不便さや、待ち時間に周囲の視線を意識することなく、いつでも好きな時間に水を飲むことができる。
ソウル市が災害等に備えて生産するボトルは使用量削減とリサイクル率向上のため、、重量を19グラムから14グラムに26.3%軽量化され、分別・廃棄しやすいデザインに改良したほか、昨年からは製造年月日を記すのにインクを使わないレーザープレス工法を導入し、今年はリサイクル原料を30%使用した容器を導入した。「アリス無料自動販売機」のボトルも同様の物が使用されている。
出典：https://e-arisu.seoul.go.kr/promotion/report.jsp
釜山市 全国初の地域給水(取水施設)建設の推進〜水道業界動向〜
釜山市と梁山市は、地域の広域給水(取水施設)の建設に関する業務協定を締結した。両自治体は水不足という共通の課題を抱えている。業務協定により洛東江原水から流入する各種有害物質及び潮流流入遮断が可能な取水施設を2024年９月から建設を開始し、完成すれば相互に安定的な原水供給が可能になる。
これまで、類似事例がなかったため、政府が費用面の支援に難色を示していたため事業の推進は困難との見方もあったものの、釜山市長をはじめ積極的な働きかけの結果、国費による30億ウォンの支援を獲得することに成功した。
釜山市長は、「安全な上水源取水のための地方広域上水道建設だけでなく、澄んだ水を確保するために、取水源の多様化を推進することで、市民に安全な飲料水道水を提供すべく最善を尽くす」と述べた。
済州島 東部下水処理場拡張工事５年８か月ぶり再開へ〜水道業界動向〜
2023年7月、済州島のオ・ヨンフン知事とウォルジョン二村連合会キム・チャンヒョン会長を含めた任員陣は同月20日午前10時済州道庁で共同会見を開き、“2017年12月中断された東部下水処理場増設事業を正常推進することにした”と明らかにした。去年東部下水処理場の1日平均下水量は1万1,722トンで施設用量の98%を占めるほどに飽和状態なので下水処理場を安定的に運営してウォルジョン二村の清浄環境を守るためには増設が急務となっていた。
ウォルジョン二村連合会はこれまで、東部下水処理場増設反対対策委員会を立ち上げ工事に反対しており、その間工事が中断していたが、対立が解消され、工事が再開することとなった。
済州道は東部下水処理場増設で海洋汚染が起きないように ▲放流水24時間モニタリングを通じる水質管理 ▲海洋放流管延長(1.34㎞) ▲ウォルジョン二沿岸生態系の調査 ▲三養及び華北地域下水移送禁止 ▲東部下水処理場追加増設なし ▲法律と基準内で村民宿願事項最大限収容 ▲湧泉洞窟文化財区域に影響がないように徹底的に準備 ▲透明な手続き進行を約束した。
出典：https://www.jeju.go.kr/jejuwater/square/bodo.htm?act=view&seq=1421177
ソウル市 水道使用量増加 エンデミック影響〜水道業界動向〜
2022年、ソウルの水道水使用量は商業施設を中心に増加したことが明らかになった。この背景には、パンデミックの終了「エンデミック」があると考えられる。
産業別でみると、昨年は検疫政策が大幅に緩和されたため、商業施設や公共施設で利用される「一般用」や銭湯で利用される「風呂用水道水」の利用が増加した一方で、「家庭用」の利用が減少し、コロナ禍で商業施設や公共施設、銭湯での水道使用量が減少したのとは逆の状況となった。一般用水道水と風呂用水道水の使用は前年比1,800万トン以上、前年比6.2%増加した。
地域別でみると、中区はソウルの繁華街を代表するビジネス街で、コロナ禍で最も利用が減少したものの、前年比で最大の伸びを示し、昨年は「一般利用」が8.8%増加した。一方、九老区は前年比2.7%減と減少幅が大きかった。
出典：https://e-arisu.seoul.go.kr/promotion/report.jsp
ソウル市 水道料金支払い手続簡略化〜水道業界動向〜
ソウル市は2023年4月12日から、引っ越しなど水道利用者が変わる際にオンラインで照会や請求書の支払いができる「水道料金の引越し・精算ワンストップサービス」の手続きを簡素化し、より便利に利用できるようサービスを改善したと発表した。「水道料金引越決済ワンストップサービス」は、水道利用者が電話で申し込むことなく、オンラインで24時間で水道料金の照会・支払いができるサービスで、昨年3月に導入された。
今回の改善点としては、サービス利用時にメーターの写真をアップロードする手続きを廃止し、正確な請求と説明責任を確保するための「簡易実名認証システム」の導入などが挙げられる。以前はメーターの写真をアップロードすることで料金を正確に証明していたが、一部の市民が利用できない不都合があった。
これまで利用制限の対象となっていた、請求書や口座振替の滞納者を含むすべての顧客が対象となり、全水利用者の86%が利用可能となった。
出典：https://e-arisu.seoul.go.kr/promotion/report.jsp
2021-2022年 韓国の水道業界
釜山市 国内初水道施設ライフサイクルマネジメントシステムを運用〜水道業界動向〜
2022年1月、釜山市水道事業本部は、水道施設(管路、浄水場など)の長寿命化と維持管理コストの削減を図るため、全国初の「水道施設ライフサイクルマネジメントシステム」を構築・運用すると発表した。
水道施設のライフサイクルマネジメントシステムは、水道施設の資産数・立地・状態をデータベース化し、余寿命予測、リスク評価、ライフサイクルコスト分析などにより、設備の最適な更新時期の決定を支援するシステムだ。
ライフサイクルマネジメントシステムがフル稼働しているときは、設備の経過ではなく、個々の設備の状態を把握した上で、残寿命やリスク、重要度を総合的に勘案し、最適な更新時期を決定することが可能で、これにより、設備の長寿命化や維持管理費の削減が期待される。
大邱水道水の新しい名称は「青羅水(청라수)」〜水道業界動向〜
大邱市水道事業本部は、2021年9月の公募で寄せられた624通の候補の中から、専門家による審査と最終的な市民選好調査で最高得点を獲得した「青羅水」が大邱水道水の新しい名称に選ばれたと発表した。
2007年から使われていた大邱水道水「青々とした澄んだ水（달구벌 맑은 물）」は文字数が多く、呼びにくく覚えにくいため、市民意識調査では満足度9%、認知度27.3%と低い評価を受けており、新しい名称に変更すべきという意見が多かった。
また、大邱市水道事業本部がユネスコ都市都市水管理優良認定パイロット都市に選定され、2022年から１年間、水道水の運営・管理と水質の安全性について評価される。大邱市水道事業課長は「この時期に『青那須』を大邱水道の新しい名称に選んだことは非常に意義深い」と述べた。
12月頃に「青羅」にふさわしいロゴを制作し、ラベルフリーのペットボトル水道水や各種政策推進事業に活用する予定で、青羅の丘の象徴と「青羅水」のイメージをリンクさせたコンテンツを展開することで、大邱水道水の価値を高める計画だ。
ソウル市 水道相談チャットボット「Arisu Talk」開設〜水道業界動向〜
ソウル市水道局は2021年10月、チャットボットサービス「カカオトーク」など、人工知能(AI)を活用した民事苦情処理システム3種類を開設したと発表した。
ソウル市の水道水に関する手続要請の25.9%(年間37万件)を「引っ越し時の水道料金清算」が占めており、引っ越しシーズンや多忙な日に相談窓口と連絡が取れなかった市民の不便さを、非対面のチャットボットサービスで解消することが期待される。
カカオトークのチャットボット「Arisu Talk」とともに、カウンセリングスタッフの業務をサポートする「AI相談アシスタント」も構築されており、人工知能(AI)が通話内容を自動解析し、回答が示されることで正確かつ迅速な相談が可能になることが期待される。今後は、水質に関する苦情や水道水の不便相談を分析し、水質事故の予測や水道サービスの改善に役立てる予定だ。
ソウル市水道事業課は「人工知能(AI)とビッグデータに基づく水道苦情対応システムの構築を通じて、質の高い行政サービスを提供したい」と述べた。
出典：https://e-arisu.seoul.go.kr/promotion/report.jsp
大田市 最先端スマート水質管理システム導入〜水道業界動向〜
大田市水道事業本部は、2021年8月、大清湖原水の精密な水質管理のために「ブイ式多項目水質計」を設置・運用すると発表した。
既存の水質管理手法では、浄水場とリアルタイムのデータ共有が難しかった。今回導入した水質計測システムは、ブイに 水質計を載せて、取水塔前の取水塔の表層水と深層水質を欲しがる大清湖に直接浮かべ、現場での水質測定と監視をリアルタイムで行うことができる。pH、水温、濁度、水位など計7項目を測定可能だ。測定された水質データは、水質浄化プラントと 水質研究所の担当者に リアルタイムの携帯電話サーバーに送信される。
梅雨時の予期せぬ濁りや緑藻類の発生にも迅速に対応できると期待されている。
光州市上下水道事業所 レジャー施設建設〜水道業界動向〜
光州市上下水道事業所は2021年7月16日、ヌンピョン二地域に地域住民のレジャー利用と健康増進のためのレジャー・交通空間を創出する事業を完了したと発表した。
市は、既存管内に10カ所ある排水池のうち、サンリョン排水池、シンヒョン(高)排水池、シンヒョン(低)排水池にスポーツ施設を設置し、近隣住民に開放し、この建設により、ヌンピョン流域に遊休地を利用したスポーツ施設や小公園を造成し、市民の利便性を高め、積極的な行政のモデルとなった。
光広域市長は「光州市民が健康で快適な余暇活動を楽しめるよう、住民の余暇空間づくり事業を引き続き推進していく」と述べた。
出典：https://www.gjcity.go.kr/portal/bbs/view.do?mId=0203010000&bIdx=299764&ptIdx=22
ソウル在住の韓国人。日本での在住経験は12年。日本の有名大学を卒業し、大手シンクタンクの正社員及び経営コンサルタントとして勤務。ビジネス戦略とイノベーションの分野で活躍。
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