電力会社の利益総額は前年比で3%ほど上昇しており、各種発電で前年よりも利益が増加したことが報告されています。
今回は、そんな中国の電力・ガス業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2021年 中国の電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
中国の国家电网、電力ビッグデータで環境保護へ〜電力・ガス業界動向〜
26省(自治区、直轄市)に経営区域を持ち、国土面積の88%以上をカバーしている国家电网は、電力ビッグデータを応用した環境保護に取り組んでいる。
2021年6月28日の発表によると、同社は電力使用状況と大気汚染物質のリアルタイム排出関係を探る研究作業を開始した。今後2年間、上海交通大学、同済大学などの大学と協力し、関連研究をリードしていく。
同社の電力ビッグデータ分析報告書を利用することで、定例検査を重点的な検査に切り替えられ、年間8000人余りの現場検証の人件費を節約できるという。
出典:http://www.sgcc.com.cn/html/sgcc_main/col2017021766/2021-06/28/20210628170849586511857_1.shtml
中国の上海燃气、港华燃气と戦略的協力協定を締結〜電力・ガス業界動向〜
2020年10月27日の発表によると、年間92億㎥の天然ガスを供給している上海燃气は、港华燃气と戦略的協力協定を締結した。
同社は中国内陸部で都市ガス事業を全国に展開している。中でも長江デルタ地域で多数の都市ガス、省網、ガス貯蔵施設などのプロジェクトを保有・出資している。その運営管理、顧客サービス、安全管理、拡張サービスは、業界内で高い評価を受けている。
今回の協定では、エンドユーザーと市場資源の共有をすることで、良好なシナジー効果を形成することが期待されている。
出典:https://www.shgas.com.cn/newsCenter/CompanyNewsContent.jsp?parentKey=9d1eed9209c143a38a43e39fe475d5dc
中国燃气、隆基集团と戦略的協力協定を締結〜電力・ガス業界動向〜
2021年6月9日の発表によると、全国29の省・市自治区で1000以上の支社を運営している中国燃气は、隆基集团と戦略的協力協定を締結した。
合意内容によると、双方はそれぞれの技術、資金、管理などの優位性を発揮し、分散型太陽光発電、太陽光建築一体化(bipv)、家庭用太陽光発電、グリーン水素の研究開発生産及び応用などの分野で全面的な協力を展開する。また、共同で国内市場を深耕していく。
これは同社が新エネルギー発展戦略に密着し、中国における低炭素エネルギーと総合エネルギーサービスの持続可能な発展を推進する決意を示したものでもある。
出典:http://www.chinagasholdings.com/news_view.aspx?TypeId=4&Id=1788&Fid=t2:4:2
中国の「第14次5年間」を中心とする事業計画〜電力・ガス業界動向〜
中国国有系エネルギー企業の華能集団傘下の電力会社である华能国际电力股份有限公司は、2021年度社員総会及び2021年度工作会議を開催した。
2020年は生産・経営、改革・発展などの視点から掲げた「6つの深化・向上」「2つのより大きな突破」という戦略に対して尽力し、良い成果を得ることができた。
同社は今後、グリーンエネルギーや低炭素開発が国家戦略となり、エネルギー転換が加速していくと考えている。2021年は、「第14次5年間」の開発目標を中心に、リスクの抑制、モデルチェンジ、経営の効果向上、競争力向上に力を入れる。
出典:https://www.hpi.com.cn/Lists/activities/HPINewsViewForm.aspx?ID=1139&Source=https%3A%2F%2Fwww%2Ehpi%2Ecom%2Ecn%2FLists%2Factivities%2Fpublish%2Easpx%23&ContentTypeId=0x010400F1E83102419E4385AFED9DA792F8403F00F6F04BB1F66FB14BAB555C5F7F70674A
华润燃气、5年連続で表彰を受ける〜電力・ガス業界動向〜
蘇州、南京、成都、アモイ、昆明、武漢などの都市にガス会社を設立し、25の省と特別市にガスを提供している华润燃气は、5年連続で「中国企業社会責任報告格付け専門家委員会」の5つ星の栄誉を獲得した。
報告書は、「信頼できるエネルギー、品質への期待」、「持続可能な生態、低炭素への期待」、「頼れるパートナー、相互利益獲得への期待」、「感じられる美しさ、調和への期待」など4つの章に分けられている。
同社は国家エネルギー戦略を積極的に推進し、都市ガスの核心業務の持続的成長を目指している。
出典:https://www.crcgas.com/news/cyqy/202106/t20210630_587105.html
2020年 中国の電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
資源の節約可!中国洋上風力発電所が稼働〜電力・ガス業界動向〜
2019年9月29日、HUANENG Powerにより製造された、中国国内で海岸から最も遠い風力発電所「大豊洋上風力発電所(フェーズ1)」が正式に稼働した。このプロジェクトは2018年12月20日より開始され、完成まで合計9か月と10日かかった。
「大豊洋上風力発電所」は、江蘇省塩城市大豊区の茂朱沙海域にあり、その中心は海岸から約55kmである。フェーズ1のプロジェクトでは設置容量が30万kWであり、合計68基の風力タービンがある。その中には、48個の4.2MWユニットと20個の5MWユニットが含まれている。
このプロジェクトは、年間8.6億kWhの電力を生産できると予想されている。稼働する場合には、年間26.49万トンの標準石炭及び254万㎥の水を節約できる。さらに、58.28万トンの二酸化炭素排出量、10.6万トンの灰とスラグ、51.6万トンの煙と塵を減少できるとのことである。
出典:https://www.hpi.com.cn/Lists/activities/HPINewsViewForm.aspx?ID=191
中国CHINA GAS、年間純利益が34.9%増加〜電力・ガス業界動向〜
2019年6月21日、CHINA GASは香港で2018年度(2018.04ー2019.03)の業績を発表した。
2018年度、CHINA GASの年間売上高は593.86億HKDであり、前年比で12.4%増加した。そのうち、売上総利益は140.6億HKDであり、前年比で20.5%増加した。株主に帰属する純利益は82.24億HKDであり、前年比で34.9%と大幅に増加した。グループの総資産価値は109.89億HKDに達し、銀行残高の現金は134.8億HKDであった。
また、天然ガスの売上高は246.6億㎥であり、前年比で32.1%増加した。177の郡または地区の住民に向け、「石炭をガス化」というプロジェクトを推進し、700万以上の世帯と契約を締結したと報告されていた。
出典:http://www.chinagasholdings.com/news_view.aspx?TypeId=4&Id=1188&Fid=t2:4:2C
中国PetroChina、2018年度の純利益130.7%増加〜電力・ガス業界動向〜
2019年3月21日、PetroChinaは2018年の業績を発表した。2018年、PetroChinaの年間売上高は2.35兆元であり、前年比で16.8%増加した。営業利益は1209.79億元であり、前年比で78.7%増加した。株主に帰属する純利益は525.91億元であり、前年比で130.7%の大幅な増加となった。
探査と開発について、PetroChinaの年間原油生産量は8.9億バレルであり、前年比で0.4%増加した。販売可能なガスの生産量は3.6兆立方フィートであり、前年比で5.4%増加した。
売上高について、ガソリン、灯油、ディーゼルの年間売上高は合計1.77億トンとなり、前年比で4.7%増加した。天然ガスの売上高は2,167.54億㎥であり、前年比で8.9%増加した。その中の国内の天然ガスの売上高は1595.53億㎥であり、前年比で19.6%増加した。
出典:http://www.petrochina.com.cn/petrochina/xwxx/201903/7b7e943011944eb88812a7cee27fc280.shtmlC
中国Sinopec、2019年第3四半期の業績を発表〜電力・ガス業界動向〜
2019年10月30日、Sinopecは2019年第3四半期の業績を発表した。売上高は22,33.05億元であり、前年比で7.7%増加した。その中で、株主に帰属する純利益は432.81億元であった。
探査と開発について、石油とガスの等価生産量は3.42億バレルであり、前年比で1.9%増加した。国内原油産量は安定しており、天然ガスの産量は前年比で8.4%増加した。
売上高について、精製油製品の総売上高は1.92億トンであり、前年比で8.5%増加した。国内の精製油の売上高は前年比で3.1%増加しており、小売売上高は前年比で1.1%増加した。
出典:http://www.sinopecgroup.com/group/xwzx/gsyw/20191031/news_20191031_437309481241.shtmlC
中国で世界最大の廃棄物焼却発電プロジェクトが稼働〜電力・ガス業界動向〜
2019年6月28日、中国電力建設グループが建設した世界最大の廃棄物焼却発電プロジェクト、「再生可能エネルギー利用センター(フェーズ2)」が上海にて正式に稼働した。
このプロジェクトは、8つのごみ焼却ライン及び3台の50MWの凝縮蒸気タービン発電機ユニットを設置しており、毎日の焼却能力は750トンに達すると発表されていた。
全負荷運転の場合、このプロジェクトは1日あたり6,000トンの家庭ごみを処理できるとのことである。フェーズ1のプロジェクトと合わせたら、毎日焼却される廃棄物の総量は9,000トンに達する可能性がある。このプロジェクトにより、毎年合計9億kWhの発電量を達成することが期待されている。
出典:http://www.sepcc.com/News/3660.htmlC
まとめ:中国の電力・ガス業界
各電力会社が利益の増加を報告していますが、市場全体で見ると火力発電の利益伸び率が最も高いです。液化天然ガスの輸入量は年々増加していますが、環境への配慮のためには火力発電は縮小傾向にあるべきでしょう。
上海在住で杭州出身の中国人。一橋大学の経済学修士課程修了。日本企業でマーケットインサイト部門で就労後、中国のIT会社でユーザー研究・マーケットリサーチに携わる。コンサル業界・証券業界の友人が多いため、リサーチ関連で助けとなっている。