最近のファストフード店は早くて安いだけでなく、環境への配慮や食の安全など様々な取り組みを積極的に行っています。
今回は、そんな台湾のファストフード業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2020年 台湾のファストフード(飲食・食品メーカー)業界
台湾で使い捨てプラスチック製ストローの提供を禁止へ〜ファストフード業界事情〜
行政院環境保護署は使い捨てのプラスチックストローの使用を減らすために、2019年5月8日に「使い捨てプラスチックストローの使用制限対象、実施方法および施行日」を発表した。
対象は、チェーン展開するファストフード店、政府機関、学校、百貨店やショッピングセンターなど。店内飲食時に使い捨てプラスチック製ストローの提供を禁止する。なお、「生分解性プラスチック」環境ラベル取得商品及び、工場出荷時にストロー付きの商品は今回の規制の対象ではない。
違反者は初回は勧告処置、2回目からは1,200〜6,000台湾ドルの罰金が科される。
出典:https://enews.epa.gov.tw/Page/3B3C62C78849F32F/dc192b58-cbbf-4c34-8ac0-5cd7ce5ce321
台湾衛生局、食材情報公開の義務化へ〜ファストフード業界事情〜
2019年4月30日の発表によると、台北市政府衛生局は安全な外食環境を整えるため人気のある店を中心に食品安全検査をおこなった。今回調査対象となった48業者のうち32業者が基準値を満たしておらず不合格となった。
台北市政府衛生局は不合格となった会社に改善するように警告。警告後、改善できていなかったのは1社で、食品安全衛生管理法第8条違反の対象になり罰金6万元が課せられた。
台北市政府保健局では食品安全を確保するために、ファーストフード店から朝食店などの小さいお店までいくつかのルールを義務図ける方針である。食材の情報を公開するサイト「台北市食材登録平台」を設置し、消費者が安心して食事できる環境を整えたいと発表した。
出典:https://health.gov.taipei/News_Content.aspx?n=8D1F85E4BEFB0396&sms=72544237BBE4C5F6&s=6F9114C4BFBE7D65
台湾のモスバーガー、地方創生プロジェクトをサポート〜ファストフード業界事情〜
モスバーガーは消費者が安心して食事できるように、食品の品質にこだわっている。2006年より台湾の契約農家と協力し、地元食材を使用した商品の提供を続けてきた。2019年12月13日の発表によると、今後、さらに安全で安心できる食品を消費者に提供するため、地方創生プロジェクトのサポートをしたいとのこと。
「台湾は農業資源が豊かであるが、農村部の雇用の流出や高齢化により人手が足りなくなっているのが現状である。公共部門は近年、地方創生プロジェクトに力をいれており、地元住民の故郷への帰還を奨励している。
モスバーガーは経済省から革新的な製品およびサービスの調達を称えるBuying Power最優秀賞を長年もらっている。今後はさらに積極的に地元食材を取り入れるなどし、地方創生プロジェクトをサポーする。
出典:http://www.mos.com.tw/news/news.aspx?id=358
台湾のマクドナルド、ICカードでの支払い可能に〜ファストフード業界事情〜
2019年4月17日の発表によると、マクドナルドでは、全台湾の店舗にて、3月よりICカードによる支払いが可能になった。
例えば台湾のマクドナルドでは、ユーユーカードを一人当たり平均2.7枚所有しているという統計や、現在これらのICカードは各種の支払いに幅広く使われていることから、さらなる利用拡大が見込めると判断した。
今回適用になったのは、ユーユーカード、iPASS、icash、HappyCash有錢カードの四種類。これらのカードでの支払いは1000新台湾ドル以内となっている。
出典:https://www.mcdonalds.com.tw/tw/ch/about_us/newsroom/news_pages/news2019-04-02.html
吉野家で台湾フードのメニューが登場〜ファストフード業界事情〜
台湾の吉野家で2019年12月から台湾フードのメニューが登場した。新メニューは3種類で、「豆腐豚骨うどんとミニ牛丼のセット」、「梅豚ヒレ丼」、「いもボール」である。提供店舗が限られており、台湾人の口に合うように台湾料理を取り入れた新メニューで集客を狙う。
「豆腐豚骨うどんとミニ牛丼のセット」は72店舗限定のメニューで、漬物と飲み物のセットで販売される。価格は169元とかなりお得でボリュームのあるセットである。台湾で人気のある豚骨スープともちもち食感のうどんの組み合わせでヒットを狙う。
「梅豚ヒレ丼」は干し梅と豚ヒレ肉の相性が絶妙な台湾料理の一つである。漬物と飲み物のセットで169元、76店舗限定で提供されている。また、「いもボール」はタロイモとサツマイモの練り物を揚げたデザートで、夜市で必ず売られている台湾人にとって身近なデザートである。
出典:吉野屋https://www.yoshinoya.com.tw/new-product/
まとめ:台湾のファストフード業界
様々な取り組みを行う中で、台湾のファストフード人気は年々上がってきており、特にマクドナルドは現地でも圧倒的な売り上げ規模と人気を得ています。新たなファストフード市場を開拓するためにも、ローカライズした台湾料理とのコラボレーションなどの一工夫が必要となるでしょう。
台北在住の台湾人。日本の東北大学で修士号取得後、7年以上IT企業でマーケティングを担当。デジタルマーケティングと市場分析の専門家として、製品の市場導入とブランド戦略を得意とする。