COVID-19の影響を受けて益々加工食品の需要が高まっているインドネシアの食品加工業界では、好調な業績が見られます。インドネシアの食品会社PT Diamond Food Indonesia Tbkの2022年の売上高は8.5兆ルピアで前年比121.3%でした。
今回は、そんなインドネシアの食品加工業界に焦点を当てて、最新の業界情報をお届けします。
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2022年 インドネシアの食品加工(飲食・食品メーカー)業界
CP Prima、エビ養殖のシンポジウム開催〜食品加工業界動向〜
加工食品会社のPT Central Protein Primaは2022年11月11日にスルポンとスラバヤの2か所でエビ養殖シンポジウムを開催したことを明らかにした。
シンポジウムのテーマは「厳しい環境と戦うための適切なエビ養殖の親株」である。バンテン州スルポンでのシンポジウムは、10月31日、東ジャワ州スラバヤでの開催は11月4日に開催された。
このシンポジウムでは、親エビの選択と適格な稚エビの生産、エビの病気のマッピングと対処から始まり、展望と持続可能なエビ養殖に至るまで、エビ養殖に関する技術的知識を提供することを目的としている。現在のエビ養殖の悪い状況の中で、このシンポジウムを契機に養殖業者が生き残り、将来的により良くなることが期待されている。
出典:https://www.cpp.co.id/news-and-event/cp-prima-shrimp-culture-symposiums-at-serpong-and-surabaya
Diamond Food、前年比121%と大幅増収〜食品加工業界動向〜
インドネシアの食品会社PT Diamond Food Indonesia Tbkは2023年5月2日に2022 Annual Reportを公表した。2022年の売上高は8.5兆ルピアで前年比121.3%。特に主力のブランド製品の売上高が7.6兆ルピアで前年比121.2%と好調であった。2022年は、①販売チャネルの拡大、②デジタル変革、③製品の調整、④運営コストの効率化、⑤運転資本管理への注力の5戦略が行われた。
販売チャンネルの拡大については、8つのダイヤモンドフェア小売店をオープンすることで全国20の州に38の小売店ネットワークができ、電子商取引の流通ポイントとしても機能するようになった。デジタル革新については、B2B電子商取引プラットフォームのSukanda OneLinkが導入された。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202305/84558eec68_
Unilever、2023年Q1増収増益で好調に滑り出し〜食品加工業界動向〜
2023年4月19日、PT Unilever Indonesia Tbkが2023年Q1の実績を発表した。
売上高は10兆6,000億ルピアで、この3か月間でほとんどの製品カテゴリーで実質的シェアアップがはかれたことが貢献。また、純利益は1.4兆ルピアを計上し、前年比で粗利益率を増加させた。
Unilever Indonesiaでは成長を促進するための5つの戦略的優先事項を一貫して実行している。1)主要ブランドの可能性強化。2)ポートフォリオをプレミアムセグメントとバリューセグメントに拡大・充実。3)主要チャネル(一般販売およびモダン販売)と将来チャネル(電子商取引)におけるリーダーシップ強化。4)あらゆる事業分野にE-Everything導入。と5)持続可能な事業開発の最前線に立ち続けること。
出典:https://www.unilever.co.id/news/press-releases/2023/pt-unilever-indonesia-catat-penjualan-bersih-rp-106-t/
Ultrajaya Milk、チカランに新工場建設で増産〜食品加工業界動向〜
インドネシアにおける UHT牛乳製造のパイオニアULTRAJAYA MILKINDUSTRY & TRADING COMPANYが2023年4月28日に2022 AnnualReportを公表した。
2022年売上高は7兆6,600億ルピアで前年比115.7%と二桁増収であった。主力のUHT飲料製品の売上高は7兆5,500億ルピアで前年比116.2%、構成比98.6%であった。
売上高増加の要因は、2022年にチカランのMM2100工業団地に新しい工場を建設し、生産能力を増強した効果である。さらに、2022年にはチカランのMM2100工業団地に新しい倉庫の建設に着手し、2023年第2四半期には稼働予定で、サプライチェーンの合理化とコスト削減に役立ち、最終的には新たな市場への参入が容易になると見込まれている。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202304/f948e9a675_e
Nippon Sari、2022年2桁増収増益〜食品加工業界動向〜
日本の敷島製パンが出資しているパンメーカーPT Nippon IndosariCorpindo Tbkは2023年3月1日、2022年監査済み財務報告書を公表した。
親会社の所有者に帰属する純利益が4,320億ルピア前年比152.4%と大幅な増益であった。この好業績は最新チャネルと従来チャネルの両方で売上が増加したことと収益改善の努力による。
西部と東部地域で事業拡大計画を実施したことで2022年の売上高は3兆9,000億ルピア前年比119.7%。西部と東部地域の売上高は1兆7,449億ルピア前年比122.5%、中部地域の売上高も2兆1,903億ルピアと前年比117.5%と好調な結果であった。一方、小麦粉の価格上昇を吸収する継続的な生産性と業務効率の向上も収益に貢献した。
出典:https://sariroti.com/en/n/rotis-profit-rise-again-524-2022
2021年 インドネシアの食品加工(飲食・食品メーカー)業界
インドネシアで加工食品業界大手のCP PRIMA、2019年食品販売単価低下で減収
インドネシア証券市場に上場する大手食品加工会社PT CENTRAL PROTEINA PRIMA Tbk(CPRO)は、2019年の売上高が、7兆1,758億IDRで、前年比97.1%の減収であったことを明らかにした。
売上高の内訳は、飼料事業が全体の80%、食品事業が16%、エビの稚魚事業が4%である。主力の飼料事業は、59%が魚飼料、残り21%がエビ飼料で、エージェントを通じてインドネシア中の約1,600の飼育業者に供給されている。食品事業はシーフードベースの食品を輸出および国内市場向けに販売している。主な輸出先はヨーロッパ、アメリカと日本で、2019年の輸出は総売上の12%を占めた。
2019年の減収の要因は食品販売単価低下による販売減である。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202010/d7166e20e8_3d15cdf72b.pdf
インドネシアで加工食品業界牽引のSekar Bumi、2019年国内冷凍食品好調で増収
インドネシアの大手食品加工会社PT SEKAR BUMI Tbkの2019年売上高は2兆1,047億IDRで前年比107.7%と増収であった。
米国商務省のデータによると、2019年のインドネシアは、米国へのエビの輸出量が第2位と好調であった。また、インドネシア国内で冷凍食品への関心が高まり、e-コマースや直販を強化したことが増収につながった。
売上高の仕向け地別内訳は、1兆9,220億ルピア(構成比:91.3%)が輸出販売で、残りが国内販売である。また、セグメント別内訳は、冷凍付加価値シーフード製品が1兆9,158億ルピア(前年比:106.7%/構成比:91.0%)で、冷凍加工食品は1,036億ルピア(前年比:137.3%/構成比:4.9%)、その他が853億ルピアであった。
出典: https://www.sekarbumi.com/corporate/assets/uploads/brochure/Annual_Report_Sekar_Bumi_20194.pdf
インドネシアで加工食品業界大手のDUA PUTRA、大幅な経営改革で経営再建図る
インドネシアの大手食品加工会社PT DUA PUTRA UTAMA MAKMUR Tbkの2019年売上高は3,847億ルピアで、前年比40.0%と大幅な減収であった。
部門別内訳は、魚部門が3,008億ルピア(前年比:36.7%)で、大幅減収となった。長期在庫の売却とマージンの大きい付加価値製品に重点を置いたことが原因。2019年の市場別内訳は、国内が2,966億ルピアで輸出が42億ルピアであった。
エビ部門は839億ルピア(前年比:58.4%)で、魚部門と同様に、マージンの大きい付加価値製品に重点を置いたことにより大幅減収となった。2019年市場別エビ売上高内訳は、輸出が776億ルピアで、国内63億ルピアであった。経営のスリム化で経営再建を図っている。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/9d88d15f20_b8926dc977.pdf
インドネシアのUltra Jaya、2019年は前年比114%と二桁増収〜食品加工業界動向〜
インドネシアの乳業会社PT Ultra Jaya Milk Industry Tbk(ULTJ)の2019年売上高は6兆2,414億ルピアで、前年比114%と二桁増収であった。
ULTJはインドネシアで最大の液体乳製品メーカー。飲料部門が売上全体の約97%を占める。飲料部門では、純乳、茶葉、インゲンやタマリンドなどを原料とした飲料を製造している。残り3%は食品部門で、加糖練乳と粉乳を製造している。
販売体制は、ジャワでは子会社を通じて約73,100店の小売店網に、ジャワ以外では53ある販売代理店を通じて製品を販売している。ULTJでは1975年の創業以来、UHT(超高温)技術を使用しており、インドネシアの飲料業界のUHTおよび無菌包装技術のパイオニアである。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/bb8a95ccfe_80c79d2611.pdf
インドネシアで加工食品業界牽引のSekar Laut、2019年前年比129%の大幅増収
インドネシアの大手食品加工会社PT SEKAR LAUT Tbkの2019年売上高は1兆2,810億ルピアで、前年比123%と大幅な増収であった。
なお、この増収は生産能力の増強をせずに達成された。主力商品は、クラッカー(揚げせんべい)、ソース(トマトソースとチリソース)とパン(バンズ含む)。
クラッカーの売上高は2,920億ルピアで前年比114%。新製品としてKrobeとParsが開発された。ソースの売上高は2,740億ルピアで前年比122%。農家と材料の品質を向上させながら、毎年15%以上売上を伸ばしている。パンの売上高は810億ルピアで前年比142%。MCD、KFC、AW、Burger King、Carl’sJrなどの大口顧客との関係を強化している。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/eda93958ea_9d321b1181.pdf
2020年 インドネシアの食品加工(飲食・食品メーカー)業界
サウジへ237トンのナマズ初出荷、インドネシアで食品加工業界大手のCP Prima
インドネシアで水産加工品を製造・販売するPT. Central Proteina Primaは、2019年5月27日、サウジアラビアへ初めてナマズの輸出を行ったことを発表した。
同社は、インドネシア政府および水産省の協力を得て、ナマズの白身加工品をサウジアラビアに輸出することに成功した。現在、インドネシアでの白身魚の生産量は2017年の32万トンから2018年の39万トンへと22.2%拡大している。主要な産地は東ジャワ、トゥルンガング、北スマトラ、ランプンなどである。
今回、サウジアラビアに輸出されたナマズの量は、11個のコンテナで総量237トン。172トンはぶつ切り、65トンはフィレ。メッカ巡礼者向けに供給されたものである。
出典:https://www.cpp.co.id/news-events/corporate/cp-prima-prime-exports-of-catfish-to-saudi-arabia
インドネシアで食品加工業界牽引のSekar Laut、売上1兆ルピア達成
インドネシアの食品加工会社のPT. SEKAR LAUT, Tbkは、2019年6月18日の株主総会で2018年決算結果が承認された。
2018年売上高は1兆450億ルピア(約84億円)で前年比114%、純利益は320億ルピアで前年比139%と増収増益を達成した。PT. SEKAR LAUT, Tbkの主力商品は、魚やエビのすり身を入れたインドネシア独特のせんべいクルプ、各種調味料、チリソースのサンバル、トマトソースや焼き鳥ソースといったソース類である。
2018年は全般的に売り上げが好調だった。期首に小麦粉の値上がりという問題があったが、増益を達成できた。2018年はPT. SEKAR LAUT, Tbkにとって、売上高が1兆ルピアの大台に乗ったマイルストーンとなる年であった。
出典:https://www.idx.co.id/Portals/0/StaticData/ListedCompanies/Corporate_Actions/New_Info_JSX/Jenis_Informasi/01_Laporan_Keuangan/04_Annual%20Report//2018/SKLT/SKLT_Annual%20Report_2018.pdf
インドネシアで高まりつつある牛乳消費〜食品加工業界動向〜
インドネシアのUHT(超高温加熱処理)飲料会社のPT Ultrajaya Milk Industry & Trading Company Tbkでは2019年6月27日に株主総会が開催され、2018年決算結果が承認された。
2018年売上高は5兆4,729億ルピア(約438億円)前年比112%。純利益は7,016億ルピア前年比98%で増収微減益の結果であった。
同社の分析によると、好調な消費の伸びに伴い、UHT飲料業界への新規参入も相次ぎ、UHT飲料製品のバリエーションが増えている。インドネシアでは全土にミニマートのネットワークが形成されており、飲料の流通が極めてスムーズである。また、液体ミルクの消費レベルがまだまだ低く販売の伸びしろが大きいとしている。
出典:http://www.ultrajaya.co.id/uploads/AR2018ULTRAJAYA.pdf
インドネシアのDua Putra、2018年減収減益〜食品加工業界動向〜
インドネシアの水産加工会社PT Dua Putra Utama Makmur Tbkは、2019年6月29日に開催された株主総会で2018年決算結果が承認された。
2018年の売上高は9,622憶ルピア(約77億円)で、前年売上高1兆2,812億ルピアに対し75%となった。純利益は85億ルピアで前年比8%と減収減益であった。
売上の内訳をみてみると、品種別には、2018年魚が8,186億ルピア、エビが1,436億ルピアに対して2017年は魚9,571億ルピア、エビ3,241億ルピアであった。地域別には、2018年は国内8,002億ルピア、輸出1,620億ルピアに対し、2017年は国内9,557億ルピア、輸出3,256億ルピアであった。すべての内訳で大幅に売上は減少したが、合理化と効率化の努力で黒字は維持された。
出典:http://www.duaputra.com:8100/files/inrel/child/Annual_Report_PT._Dua_Putra_Utama_Makmur_Tbk_Tahun_Buku_20181.pdf
2019年 インドネシアの食品加工(飲食・食品メーカー)業界
インドネシアの水産加工会社Sekar Bumi、冷凍シーフードの売上増〜食品加工業界動向〜
インドネシア証券市場に上場する大手水産加工食品会社PT Sekar Bumi Tbkは2018年11月2日、2018年第3四半期の決算を発表した。
2018年1月~9月末までの販売実績は、1兆4,137億ルピア(約109億円)で前年比109%。純利益は、170億ルピア(約1.3億円)で前年比472%の増収となった。
セグメント別の売上では、冷凍シーフードが1兆3,004億ルピアと全体の92%を占める。大口顧客への販売は、①米国に本社を持つChicken of The Sea向けが3,767億ルピア(前年比:203%)に大幅増加。②日本の豊田通商向けが1,437億ルピア(前年比:108%)と堅調に推移。③米国に本社を持つMazzeta Companyが1,049億ルピア(前年比:72%)に減少となった。
出典:http://www.sekarbumi.com/corporate/assets/uploads/brochure/SKBM_LK.30-09-20181.pdf
(販売・利益:P4 販売内訳:P81とP82)
インドネシアの水産加工会社Dua Putra Utama Makmur、鮮魚加工部門・エビ加工部門共に好調維持〜食品加工業界動向〜
インドネシア証券市場に上場する大手水産加工会社PT Dua Putra Utama Makmur Tbkは2018年5月24日、株主総会を開催し、2017年の経営結果について株主の承認を得た。
2017年の売上高は1兆2,812億ルピア(前年比:133%)、純利益は1,055億ルピア(前年比:116%)と増収の結果を挙げた。セグメント別の売上は、①鮮魚加工部門が9,571億ルピア(前年比:122%)と全体の75%を占める。また、②エビ加工部門が3,241億ルピア(前年比:177%)と全体の販売の伸びに大きく貢献した。
二つの部門は対照的で、鮮魚加工部門は売り上げのほぼ9割を国内販売が占めているのに対し、エビ加工部門は売り上げの7割以上を輸出が占めている。なお、エビ加工部門では国内販売も前年比184%と大幅に伸ばしている。
出典:http://www.duaputra.com:8100/files/inrel/child/AR_DPUM_2017_.pdf
(販売・利益:P8 鮮魚加工部門販売内訳:P101 エビ加工部門販売内訳:P102 )
http://www.duaputra.com:8100/files/inrel/child/Pengumuman_RUPST_20183.pdf(株主総会開催通知)
インドネシアの大手食肉会社Malindo、東ヌサ・テゥンガラで養豚場開発〜食品加工業界動向〜
インドネシア証券市場に上場する大手食肉会社Malindoは2018年11月15日、スンバ地域の養豚場を対象に、近代的な養豚法についての講習会を開催した。東ヌサ・テゥンガラ州は、伝統的に養豚産業が活発であったという歴史を持っており、Malindoはスンバ島での養豚場の開発に力を入れている。
講習会は、東スンバ、中央スンバと西スンバの三カ所で開催される。Malindoは養豚法だけでなく、養豚業で利益を上げる方法について技術的なアドバイスを提供している。
スンバ島での伝統的な養豚法では、豚を放し飼いにし、残飯やバナナの木の幹とわずかな混合飼料を餌として与えているため、屠殺から商品として販売されるまで1年以上かかるケースがある。今回のセミナーは、産業の効率化を図り、食肉を確保することを目的としている。
出典:http://www.malindofeedmill.com/news
インドネシアの食料品加工会社Sekar Luat、輸出・国内販売共に増益〜食品加工業界動向〜
インドネシア証券市場に上場するFINNAの商標の、エビせんべい・ナッツ・調味料などを生産販売する食料品加工会社、Sekar Luatは2018年9月30日、第3四半期決算を公開した。
販売は7,639億ルピア(約59億円)前年比112%。純利益は203億ルピア(約1.6億円)前年比124%と増益を達成した。売上高の内訳は、輸出が1,296億ルピア(総売り上げの17%)で前年比116%。国内販売が6,343億ルピアで前年比110%。内製品の販売と買入品の販売比率は、ほぼ半々となった一方で、買入品はほとんどが国内販売のため、国内販売額は、内製品:買入品が4:6の比率で買入品がより高いウェイトを占めている。
Sekar Luatでは2013年から2017年の5年間、毎年増収増益が達成されており、堅実な経営が維持されている。
出典:http://sekarlaut.com/images/investor/SKLT%20Sep18.PDF
(販売・利益:P3 内製・買入/輸出・国内販売内訳:P35)
2018年 インドネシアの食品加工(飲食・食品メーカー)業界
インドネシアで食品加工業界牽引のCentral Proteina Prima、2つの製品が2017年トップブランドに選出
Central Proteina Prima は、1980年創業。インドネシアの水産加工食品業界を牽引する企業である。冷凍エビや魚介類の飼料などの生産・販売を行なっている。
同社は、2017年のインドネシアにおけるトップブランド賞を受賞した。この賞は、Majalah Marketing and Frontier Consulting グループが、国内の15歳から65歳の消費者12,000名以上へのインタビュー調査に基づいて選定されるものである。
Central Priteina Prima は SAKURAとTAKARIという2ブランドで表彰を受けた。消費者からの人気と信頼が評価されて受賞に至った。 同社副社長のAhmad Fachrur Rivai氏は、インドネシアの水産加工業界で長く存在感のあるこれらのブランドに関して今後もさらなる品質向上をめざすとコメントした。
出典:https://www.cpp.co.id/news-events/corporate/top-brand-award-2017-untuk-produk-sakura-dan-takari
2017年インドネシア水産物の貿易収支、7.42%増〜食品加工業界動向〜
海洋水産大臣のSusi Pudjiastuti氏は、2018年のインドネシアにおける海産物の生産および輸出を引き続き増大させる方針を示し、その実現のために違法な漁業活動の取締りなどに関する法整備も進めると述べた。
海洋水産加工品競争力強化局(Penguatan Daya Saing Produk Kelautan dan Perikanan)の長であるNilanto Perbowo氏によると、インドネシアの海産物の貿易収支は、2016年の34億米ドルから2017年には36億米ドルへ7.42%増加している。
品目ごとにその増加傾向をみてみると、2016年1月から2017年11月にかけて、エビ0.53%、カツオ18.57%、カニ29.46%、イカ16.54%、海藻23.35%となっている。
出典:http://news.kkp.go.id/index.php/nilai-ekspor-perikanan-indonesia-naik-812-persen/
Unileverインドネシアと国有企業の間でパーム油生産に関する覚書を締結〜食品加工業界動向〜
Unilever Indonesiaは、1933年、石鹸工場としてジャカルタに設立された。2015年8月に、ジャカルタ郊外に調味料工場を開設し、今後、バンテン州に新本社が設立される予定である。
Unilever indonesiaは、政府所有のアブラヤシプランテーション会社であるPerkebunan Nusantaraとの間で、アブラヤシ生産に関する協力の覚書(MOU)に署名した。これは、森林伐採を行なわないことなど「3つのゼロ」に基づく持続的なパーム油の生産を推進するためのものである。
このパートナーシップの一貫として、Unilever Indonesia は、アブラヤシ農家や加工工場に対する技術指導や資金提供を行なう。
出典:https://www.unilever.co.id/news/press-releases/2018/unilever-ptpn.html
インドネシア政府によるバナナエビ養殖の推進〜食品加工業界動向〜
インドネシア政府は、インドネシアにおけるバナナエビ養殖の開発を推進する予定である。2018年3月にはDemak地方で大規模な試験養殖が行なわれ、年間1,000トンの生産が見込まれている。
政府は中ジャワ州のJepara 水産養殖センター(Balai Besar Perikanan Budidaya Air Payau)がバナナエビ養殖の中心的役割を担うことを期待しており、政府・企業に対して彼らの持つ孵化施設が提供される予定である。そして、遺伝子組換えや効率的な給餌に関する研究が進められる。
バナナエビ養殖の促進に併せ、インドネシアから輸出されるエビがどこで養殖され、どのように流通したかのトレーサビリティ強化も課題となっている。
Frijian Flagインドネシア、酪農家サポートの取り組み〜食品加工業界動向〜
Frijian Flag Indonesia は、インドネシア全域で約6800人の従業員を擁し、粉ミルクやコンデンスミルクなどの製品を生産、販売している。
Frijian Flag Indoensia は2015年から、バンドゥン市の酪農家協同組合と提携し、酪農家が生産する生乳の品質を向上させ、公正な価格で生乳を販売できるよう支援を進めている。
特に、Milk Collection Point(MCP) と呼ばれる仕組みでもって、酪農家が生乳中のデータを確認してバクテリアの存在率を可能な限り低くすることができる。このように高品質な生乳を提供することによって、酪農家は適正な価格での販売を行なえるようになる。実際にこのシステムの導入後、バンドゥン市の酪農家の収入は約10%増加している。
出典:https://www.frisianflag.com/perusahaan-kami/berita/frisian-flag-indonesia-bersama-kpbs-pangalengan-membangun-lima-mcp-digital
まとめ:インドネシアの食品加工業界
加工食品の種類が多岐にわたるからこそ一つ一つの品質向上をし、今後拡大していくといいですね。また加工品は食品だけにとどまらず、他の分野からの加工品も取り入れていることが面白いですね。
ジャカルタ在住のインドネシア人。観光ガイドと通訳者を務め、インドネシアの観光地を日本語で案内している。日本語学科の大学を卒業し、邦人対応観光ガイド・国際イベントでの日本代表団担当連絡係員・通訳者・日本領事事務所長の地元アシスタントを経験。