【急成長する市場】インドネシア酒類業界の最新トレンド

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2023年4月28日、Multi Bintang Indonesia Tbkが2022年売上高は3兆1,149億ルピアで前年比126%と二桁増収であったと発表しました。ベトナムの酒類業界は2023年に売上増新しており、製品の展開、技術革新や環境への取り組みを通じて、急成長と進化を遂げています。

今回は、そんなインドネシアの酒類業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

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目次

2022年 インドネシアの酒類(飲食・食品メーカー)業界

Lovina Beach Brewery、「Kaja」を紹介

2023年6月5日、2011年に設立されたインドネシアの酒類製造会社PT Lovina Beach Brewery(LBB)は2023年6月5日、ホームページでインドネシア初のモルトベースのクラフトスピリッツを紹介した。

クラフトスピリッツのパイオニアである「Kaja」は2019年後半、高品質のヨーロッパ産原料を使用し、注意深く3段階の蒸留プロセスを経て作られたウォッカとジンの2種類が発売された。

とりわけ、Kajaジンには100%ヨーロッパ産大麦と厳選された8種類の輸入植物やスパイスが使用され、さらにジン製造の一般的な原料であるjuniper berryに加えて、特別な味付けをするためにインドネシア原産のチュムペダックフルーツも追加され、「Kaja」は独特の地元ブランドとなったとのこと。

出典:https://lovinabeachbrewery.com/berita/  

https://lovinabeachbrewery.com/news-2/ 

Sababay Winery、国際ワインコンペで受賞

2010年に設立されたインドネシアのワインメーカーSababay Wineryが2023年6月16日、フェースブックで2つの国際ワインコンテストでSababayのワイン複数品種が受賞したことを明らかにした。

一つは今年で20回目を迎えるDecanter World Wine Awards (DWWA)で世界最大かつ最も影響力のあるワインコンペティション。DWWA 2023では「Moscato de Bali」 と「White Velvet」の2品種が銅メダルを獲得した。

もう一つは1969年に始まり50年以上の歴史を持つワインとスピリットコンペティションInternational Wine & Spirit Competition(IWSC)。IWSC 2023 では「Mascetti」,「White Velvet」, と「New Pink Blossom」の3品種が銅メダルを獲得したとのこと。 

出典:https://www.facebook.com/sababaywinery/posts/pfbid0YxNMimU3NF5jXoqAJRfpHJXLk6BPJv1o3wdsF7ncPJCxc53u37dgHpwqpRhuzZvPl  

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Hatten Bali、2022年売上高前年比231%

2023年1月10日にインドネシア証券取引所に上場したPT Hatten Bali Tbk(WINE)が2023年4月27日、2022 Annual Reportを公開した。

2022年売上高は1,894億ルピアで前年比231%と大幅な増収であった。売上増加に影響を与えた主な要因は二つ。一つは、バリ島、ロンボク島、ラブアンバジョにおける外国人観光客の増加が挙げられ、これにより観光業の回復が促進されたため。もう一つは、消費者の購買力が維持されたことにより、ジャカルタをはじめとするインドネシアの主要都市で売上が増加したため。

一方、2022年は営業費用を前年の474億ルピアから609億ルピアと28%増加させたが、営業費用の増加を大きく上回る販売が達成できた。 

出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202304/bf08ee5fa0_8fec8e026c.pdf  

Multi Bintang、2022年売上高前年比126%

2023年4月28日、Multi Bintang Indonesia Tbkが2022 Annual Reportを公表した。2022年売上高は3兆1,149億ルピアで前年比126%と二桁増収であった。

業界の状況は、第1四半期は低迷したが、海外からの訪問者の禁止などパンデミック関連の規制が緩和されたことを受け、市場は持ち直し始めたが、2022年の入国観光客数は547万人で、依然として2019年の国際到着者数の3分の1にすぎない状況であった。

一方で、ハイネケン® とビンタンは、堅調な量の増加、イノベーション、収益管理によってビール分野での力強い成長を牽引した。とりわけ国際的なプレミアムビールブランドであるハイネケン®は、大幅な数量増加を達成し、プレミアム分野でのリーダーシップを維持した。

Delta、2022年売上高前年比114%

2023年5月6日、PT Delta Djakarta Tbk(DLTA)は2022 Annual Reportを公表した。

2022年売上高は7,787億ルピアで前年比114%と2桁増収であった。増収の主な要因は、販売量の回復と2021年11月に実施された値上げが2022年年間を通じて売り上げ増加に貢献したこと。また、それまでCovid-19で規制されていた観客を集める消費者プロモーションイベントを再開することができたこと。

また、HappyFreshオンライン食料品プラットフォームを通じた戦術的なオンライン配送キャンペーンや定期的な割引プログラム、さらにBlibliとShopeeにあるDLTAの公式ストアでの消費者プロモーションなど、オンラインプラットフォームとの連携の成功が販売増につながった。

出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202305/5c2d5d22ee_b2081e6618.pdf

https://www.deltajkt.co.id/file/laporan_tahunan/AnnualReport2022.pdf

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2021年 インドネシアの酒類(飲食・食品メーカー)業界

インドネシアで業界大手のMulti Bintang、マルチベバレッジ企業へと変革

インドネシアでNo.1のビール生産販売会社PT Multi Bintang Indonesia Tbk(MLBI)の2019年売上高は3兆7,114億ルピアで前年比103.8%と増収であった。

ビールの生産量はほぼ横ばいであったが、ノンアルコール飲料の販売が2桁成長したため、全体で3.8%の増収が確保できた。とりわけBintangZero(ノンアルコールビール)とBintangRadler 0.0(ノンアルコールフルーツジュース)の販売が好調に推移した。

ビール市場全体では、ラガー、プレミアムラガー、ノンアルコールビールのシェアを拡大。さらに非アルコール系飲料では、サイダーなどの新しいカテゴリーが着実に成長しており、ビールメーカーからマルチビバレッジ企業への変革が進められている。

出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/3df1049f2f_c3d1e5fa31.pdf 

インドネシアで業界大手のDelta、ビール物品税率15.4%増で減収

インドネシアでビールを生産販売するPT Delta Djakarta Tbkの2019年売上高は8,271億ルピアで、前年比92.6%と減収であった。

減収の要因は、年初にビールの物品税率が15.4%引き上げられたことに対応するため2020年8月から製品価格に転嫁したことで、需要の収縮を引き起こすことになったため。

2019年の販売促進施策は、外人観光客にも人気のあるジャカルタ、バニュワンギ(東ジャワ州)、フローレスとクパン(東ヌサ・トゥンガラ州)、マナド(北スラウェシ州)、トベロ(マルク諸島)、タニンバル(タニンバル諸島)に新しいディストリビューターを開設し、アウトレットを整備した。また、主要市場の自由貿易地域であるバタムでの販売強化を図った。

出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/cfc176c0f0_a0bbebbc46.pdf 

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インドネシアのStark Beerの特徴とは? 〜酒類業界動向〜

インドネシアでStark Beerを作るPT Lovina Beach Breweryは、2021年1月15日に「愛情を込めて作ったビール」と題してスタークビールをアピールした。

一般的な市販の瓶ビールは低温殺菌されている。ボトルにある程度の温度の温水スプレーがかけられ、バクテリアを殺し、ビールに残っている酵母が成長するのを防いでいる。そんな中、同社は温水スプレーの工程をスキップし、低温殺菌をしていない。

それでも安全性を担保できるように、ビールを常に新鮮に保つため継続的に冷し、可能な限り製造日に近い状態で消費する努力をしている。冷たく保たれた状態で買ったことを確認して、「味を愛し、愛を味わって下さい。」と締めくくっている。 

出典: https://www.facebook.com/StarkBeer/photos/a.2225463404162454/4973542619354505  

インドネシアのBALIHAI、オクトーバーフェスタ限定パック発売〜酒類業界動向〜

インドネシアでビールを生産するPT Bali Hai Brewery Indonesiaは2020年9月2日、バリハイオクトーバーフェストパックを限定で販売することを報じた。

オクトーバーフェストとは1810年から毎年10月の第1日曜日になるまでの2週間にドイツのミュンヘンで開催されるフェスティバルで、ドイツ中の醸造所が参加する祭典。大きなビアホールができ、世界中から何万人ものビール愛好家が集まる。

このオクトーバーフェストの開催時期に合わせて、バリハイプレミアムグラスを付けてBALIHAI Premium、DRAFT Beer、DIABRO、PANTER Blackを詰め合わせた限定パックをBliBliのオフィシャルストアで限定販売するという取り組みである。 

出典: https://balihaibeer.com/news/celebrate-oktoberfest/  

インドネシアのHattenwines、ワイン作りの卓越性を目指す〜酒類業界動向〜

HATTEN WINESのブランドで、インドネシアでワインを作るワイナリーPT ARPAN BALI UTAMAは2020年12月10日、インスタグラムに新年を迎えるにあたっての抱負を載せた。

「新しい年の始まりの準備ができたら、心をリフレッシュし、ハッテンシリーズの最高級ワインで精神を充電してください」とお願いした。

続いて、ハッテンの新年に向けての抱負として、ギリシャの哲学家プラトンの言葉を借りて、「The beginning is the most important part of the work.:はじまりは労働の最も重要な部分である。」より「26年前に事業を始めた時と同じように、新しい希望を持って新年を迎え、ワイン作りの卓越性を目指して努力しています」で締めくくった。

出典: https://www.instagram.com/p/CInE0XNHekL/  

まとめ:インドネシアの酒類業界

インドネシアの人口は2億6千万人以上ですが、お酒を飲むことを宗教的に禁じられているイスラム教徒が80%以上を占めているため、実際にお酒を飲む人口は極めて少ないと言われています。そのため、インドネシアを訪れる外国人観光客の人数によってお酒の輸入量や現地での生産量が増えることになります。

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